バジルの種類の1つ、スイートバジル。さわやかな香りがトマトとよく合い、特にイタリア料理でよく使われていますよね。
今回はそんなスイートバジルの育て方について、収穫の時期と方法などをご紹介します。
スイートバジルとは?育て方は簡単?
スイートバジルはバジルの別名で、栄養満点のハーブとしても知られています。特にβカロテンはホウレンソウの1.5倍も含まれており、香り成分には気持ちをリラックスさせる効果もあります。
丈夫なハーブなので、キッチン脇などちょっとしたところで育てて楽しめますよ。本来は毎年生長する多年草ですが、寒さには弱いので日本では一年草として育てられます。
スイートバジルを育てる手順!まずは土作りからはじめよう
- 育てる容器と土を準備する
- 4~6月に種まきか苗植えをする
- 日当たりのよい場所で乾燥しないよう管理する
- 5~10月まで肥料を定期的に施す
- 草丈が20cmくらいに生長したら摘芯をする
- 摘芯した株が再び20cmくらい伸びたら本格的に収穫をはじめる
- 9~10月まで収穫を楽しんだら、株元から切り落として栽培は終了
スイートバジルは水もちのよい中性~弱アルカリ性によった土を好みます。はじめて栽培にチャレンジするなら、市販されているハーブ用や野菜用の培養土を使いましょう。
ハーブ用の培養土は肥料が配合されてほとんどのハーブに合うよう調整されています。よりスイートバジルに合った土作りで、たくさん収穫したいなら自分で土をブレンドするのがおすすめです。
植木鉢やプランターなら、赤玉土(小粒)7:腐葉土3の割合の土に大さじ1杯ほどの苦土石灰と化成肥料を混ぜあわせて1〜2週間ほど寝かせてください。最後に化成肥料を混ぜあわせて完成です。
スイートバジルの育て方!種まき、苗植えの時期と方法は?
1. 種まき
スイートバジルはたくさん育てたいなら種まき、少しだけ楽しむなら苗植えをおすすめします。種まき、苗植えともに適期は気温が20度以上になった4~6月頃です。
準備した土を鉢やプランターに8割くらい入れたら、重なり合わないように種をまきます。スイートバジルの種は日光がないと発芽しないので土は薄くかぶせましょう。
そして、土が乾かないよう受け皿に水をためて管理してください。
2. 芽が出たら間引く
スイートバジルの種をばらまいてしばらくすると徐々に発芽しはじめます。発芽したスイートバジル同士の間隔が狭いと、お互いの生長の邪魔になりうまく生長しません。
双葉が生えはじめたら近場で生長の遅い方の種は間引きましょう。土から引き抜くと他の芽も抜けてしまいそうなときは、ハサミで生えぎわを切り落とすとうまくいきます。
本葉が2~3枚育ってきたら、2度目の間引きです。6号鉢(直径18cm)に1株、65cm幅プランターに3~4株が育てる数の目安です。地植えなら15cm以上の間隔があくよう間引いてください。
3. 苗植え
市販で購入した苗か種から育てて本葉が3枚ほどまで育った苗があるなら、新しい鉢やプランターに苗植えをしましょう。
スイートバジル同士の間隔を考えながら土に苗よりも一回り大きな穴を掘り、穴の中心に苗を置いたら周りに土を入れて安定させてたっぷりと水やりをします。
鉢植えなら6号鉢に1株、65cmプランターなら3~4株がちょうどよい数です。地植えも苗植えの手順は同じで、20~30cmほど間隔を空けて植えていきましょう。
スイートバジルの育て方!水やり、追加の肥料の与え方は?
水やりの方法は?
やわらかい葉っぱを収穫するには、土が乾燥した状態を長く続けないことが大切です。鉢植え、地植えともに、土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出てくるくらいたっぷりと水を与えます。
特に真夏は土が乾きやすいので、朝と夕方の1日2回水やりをするとよいですよ。
追加の肥料の与え方は?
5~10月までは、月に1回油かすを株元に置くか、7~10日に1回液体肥料を定期的に与えましょう。
下の葉が黄色くなって枯れてくるのは肥料が少ない証拠です。そのときは、液体肥料を薄めて与えてみてください。
スイートバジルの栽培で注意する病気や害虫は?
スイートバジルは、アブラムシの引きつけ役として植えられる、コンパニオンプランツとしての一面をもっています。それほどアブラムシがつきやすいハーブなのです。
アブラムシは新芽や茎について、株の栄養を吸い取っていく害虫なので、見つけたら粘着テープでペタペタと引き剥がしていきしょう。
たくさん発生したら、天然成分で作られた殺虫剤で駆除するのが効率的です。
スイートバジルの収穫量を増やすコツ!摘芯や花芽摘みの時期と方法は?
摘芯
摘芯とは植物の頂点にある芽を摘み取ることで、本体を大きくするための剪定方法です。摘み取ったところから、左右に新しい芽が出てきて収穫量が増えていきます。
草丈が20cmくらいになったら1回目の摘芯をしましょう。根元から4枚分くらいの枝を残し、それより上にある芽をハサミなどで切ってしまいましょう。
その後、葉っぱのつけ根から脇芽が伸びてきたら、さらに芽先を切っていきます。この作業を3~4回繰り返すと枝数が増え、本体が茂っていきますよ。
また、摘芯をして収穫した葉っぱもベビーリーフとして料理に使って楽しめます。
花芽摘み
スイートバジルはすぐに花芽をつけます。花芽がつくと株の栄養が花を咲かせるために使われて、葉っぱや茎が硬くなって味が落ちてしまいまいます。見つけたら早めに摘み取ってしまいましょう。
たくさん花芽がついてしまったときは、草丈が10~15cmになるよう切り戻すのも1つの方法です。
スイートバジルの収穫の時期と方法は?
摘芯をすませ、草丈が20cm以上に生長したスイートバジルは、7~10月に収穫期を迎えます。
外側の葉っぱからどんどん摘み取っていくとよいですよ。一年草なので、収穫期を終えたら土から引き抜いて処分します。
スイートバジルの増やし方!挿し木の時期と方法は?
スイートバジルは種の採取と挿し木で増やすことができます。種を採取する場合は、花を摘まずに残しておきましょう。
挿し木は切り取った茎から根を生やし新たな株として育てていく方法です。スイートバジルは生命力が強いので、数日で根が生えて生長していきますよ。
- 4〜6月頃、茎を先端から2~3節のところで切り取る
- 先の方についている葉っぱを2~3枚残し、あとは摘み取る
- 赤玉土(小粒)や挿し木用の培養土を育苗ポットなど容器に入れる
- 土を湿らせる
- 割り箸などで穴を空け、スイートバジルの茎を挿す
- 茎の周りに軽く土を寄せ、明るい日陰で土が乾かないよう管理する
- 根が十分に生えたら鉢やプランター、地面に苗植えと同じように植えていく
スイートバジルの水耕栽培の方法は?
短期間の収穫が目的なら、葉っぱをつけたスイートバジルの茎を摘み、水道水を入れたコップに挿して生長させることもできます。
自分好みの器に茎を挿して栽培すれば、キッチンがおしゃれな雰囲気になりますね。コップの水を毎日取り替えるのがポイントです。詳しい方法は、関連記事を参考にしてみてください。
スイートバジルの栽培ポイントは?
たくさん日光を浴びさせることと、水やりをたっぷりすることです。
スイートバジルは日当たりの悪いところで育てると、茎がヒョロヒョロに伸びたり、葉っぱが大きくならなかったりとするので注意してください。
ただ、直射日光に当たると葉っぱが焼けて枯れてしまいます。午前中にやわらかな日差しが当たる半日陰になる場所がぴったりです。
また、多くのハーブは乾燥を好みますがスイートバジルは水が足りないと枯れてしまいます。土が乾いたら忘れずに水やりをしていきましょう。
ただ、土が常に湿っていると根腐れを起こして枯れてしまうので、水やりの前に土が乾燥しているか必ず確認してくださいね。
スイートバジルは育て方の簡単なハーブ
ジェノベーゼに代表されるように、スイートバジルはフレッシュなものをたっぷり使ってこそおいしいハーブです。
オリーブオイルや野菜の味を引き立て、食欲をそそる豊かな風味を料理に加えてくれます。種からでも手軽に育てられるので、植物の栽培に慣れていない方にもぴったり。
ベランダやプランターで気軽に育てはじめてみてくださいね。
更新日: 2018年05月09日
初回公開日: 2016年02月07日