かぼちゃは、栄養価が高く、長期間の保存が可能な緑黄色野菜です。煮物やサラダなどの料理から、タルトやクッキーなどスイーツ系の食材として幅広く使えていますよね。
また、近年はハロウィンブームもあって装飾品にされる機会も増えました。今回はそんなかぼちゃの種類や品種の中でもよく見られるものをいくつかまとめました。
かぼちゃ(南瓜)は3種類に分けられる?
かぼちゃには様々な種類がありますが、大きくは「西洋かぼちゃ」「日本かぼちゃ」「ペポかぼちゃ」の3種類に分けられます。その中でいくつかの品種に分かれているのです。それぞれを紹介します。
かぼちゃ(南瓜)の種類その1!西洋かぼちゃとは?
野菜売り場に並んでいるかぼちゃのほとんどは、西洋かぼちゃです。デンプン質が多いことから、甘みが強くホクホクとした味わいをしています。また、栄養価の高い緑黄色野菜として知られています。
かぼちゃ(南瓜)の種類その2!日本かぼちゃとは?
1960年代まで主流だったかぼちゃの品種の総称で、16世紀にポルトガルから日本へ伝えられたのがはじまりです。
煮崩れしないことから煮物など長時間の加熱に向いており、ねっとりとした食感が特徴。デンプン質が少なく、甘みも控えめです。
かぼちゃ(南瓜)の種類その3!ペポかぼちゃとは?
北米南部の乾燥した地域で作られた品種の総称で、ヨーロッパでは春のおとずれとともに食べられる野菜として親しまれています。
元々日本での栽培は少なかったのですが、近年はズッキーニや金糸瓜などいくつかの品種が出回るようになりました。味が淡白なものが多いので、肉や香りの強い野菜などの一緒に調理されることが多いです。
かぼちゃ(南瓜)の品種!西洋かぼちゃ5選
1. 黒皮栗かぼちゃ
黒皮栗かぼちゃは、西洋かぼちゃの代表的な品種です。「えびす」「みやこ」「くりゆたか」など、いくつかの品種の総称でもあります。
濃い緑色の皮に薄い緑のスジが入り、果肉は加熱することで甘みが強くなり、栗のようなホクホクとした食感を楽しめます。
2. 赤皮栗かぼちゃ
果皮が濃いオレンジ~朱色をしているのが赤皮栗かぼちゃの特徴です。中でも石川県金沢の加賀野菜である「打木赤皮甘栗」という品種が伝統野菜として知られていますよ。
大きさは1kg前後で皮は薄く、ヘタの部分が玉ねぎのような形をしています。厚く赤みを帯びたオレンジ色の果肉は、ややねっとりとした食感で甘みが強いです。
3. 坊っちゃんかぼちゃ
坊っちゃんかぼちゃは、重さ500g前後と手のひらサイズのミニかぼちゃです。ホクホクとした食感と甘みがあり、食べきりサイズで使いやすいことから近年需要が高まっています。
また、栗かぼちゃと比べて栄養価が高く、β-カロテン、糖質、タンパク質などが3倍以上含まれているんですよ。おなじようなミニサイズのかぼちゃには「小菊南瓜」など様々な品種があります。
4. 栗マロンかぼちゃ
栗マロンかぼちゃは、北海道栗山町で栽培されている栗かぼちゃの1品種です。デンプン質が一般に出回る栗かぼちゃの5倍含まれており、甘く濃厚な味わいがあります。
これは、徹底した栽培管理によって作り出された味わいで、生産量も少ないことから「まぼろしのかぼちゃ」と呼ばれています。
5. 雪化粧
雪化粧は、名前の通り皮が白っぽく色づいている白皮栗南瓜の品種です。株式会社サカタのタネが販売しています。日持ちがよいことが特徴で、北海道で多く生産されています。甘みが強く、ホクホクとした味わいが楽しめます。
かぼちゃ(南瓜)の品種!日本かぼちゃ5選
1. 黒皮かぼちゃ
黒皮かぼちゃは、果皮が緑~黒色をしている日本かぼちゃの品種の総称です。特に有名なのは宮崎県の「日向かぼちゃ」で、市場によく出回っていますよ。
溝が深くゴツゴツしており、「菊かぼちゃ」とも呼ばれ、肉質はねっとりとしており、やさしい甘みと煮崩れのしにくさから、日本料理に欠かせない存在となっています。
2. 菊座かぼちゃ
菊座かぼちゃは、扁平で溝が深く、上から見ると菊の花びらに見えるのが特徴の品種です。日本かぼちゃの中で最も出回っていて、西洋かぼちゃと比べて水分が多く、やわらかいのが特徴。
薄い味付けの煮物にするとしっとりとした食感を味わえます。「白皮砂糖」という皮の白い品種もありますよ。
3. ひょうたんかぼちゃ
その名の通り、ひょうたんのような形をしているかぼちゃのことを「ひょうたんかぼちゃ」と呼びます。ひょうたん形のかぼちゃの総称で、日本かぼちゃの多くがこれにあたります。
中には、日本よりも海外での方が人気のある品種もあるんですよ。
4. 鹿ヶ谷かぼちゃ
鹿ヶ谷かぼちゃは、伝統的な京都特産の日本かぼちゃです。表面はゴツゴツしており、2~4kgにもなる大型サイズでひょうたんのような形をしています。
未熟なうちは濃い緑色ですが、熟すと柿色に色づいて、全体に白い粉をふいたようになります。
栗かぼちゃのような甘さはありませんが、果肉は粘りけがあり煮崩れがしにくく、出汁をしっかり吸ってくれるので煮物用として親しまれていますよ。
5. バターナッツカボチャ
バターナッツカボチャは、日本かぼちゃの1種ですが、南アメリカが原産です。日本ではなかなか見かける機会が多くありませんが、南アメリカではよく出回っている一般的な品種です。
ベージュ色の皮や形がピーナッツを彷彿とさせることが名前の由来です。種が下の膨らんだ部分にしか入っていないので食用部分が多く、ナッツのようなねっとりとした食感をしています。
かぼちゃ(南瓜)の品種!ペポかぼちゃ3選
1. 金糸瓜(そうめんかぼちゃ)
金糸瓜は、加熱することで果肉の繊維がほぐれ、糸状になるのが特徴のペポかぼちゃの1種です。ほぐれた糸状の果肉がそうめんに似ていることから「そうめんかぼちゃ」とも呼ばれます。
果皮は淡く黄色で、瓜のような形をしています。味はあっさりとしており、水気を切ってそうめんのように麺つゆや三倍酢で楽しむほか、サラダや炒め物などにも使われます。
2. ズッキーニ
ズッキーニは、キュウリのような見た目をした品種です。その独特の歯ごたえや、料理のほかの材料ともケンカをしない淡白な味わいから、近年人気が出てきています。
イタリア料理やフランス料理でよく使われています。
3. おばけかぼちゃ
ハロウィンのランタンに使われることでおなじみのおばけかぼちゃ。ジャンボかぼちゃとも呼ばれ、100kg以上に育つものや、大きいものであれば400kg以上にもなることもあります。
中でもオレンジ色の「アトランティックジャイアント」という品種が有名です。見た目のインパクトが強い反面、味や食感はあまりよくないので、主に観賞用や飼料用として使われます。
いろいろなかぼちゃの種類を食べ比べてみよう
かぼちゃは、種類や品種によって見た目や食感、甘さなど味わいは様々です。
全体的にどの種類であっても栄養価も高く、サラダやスープ、メイン、デザートまで幅広く料理に使えるほか、腹持ちもよいので万能野菜といえますね。
それぞれ種類や品種によってどんな味わいなのか、食べ比べて好みのかぼちゃを探してみてください。
更新日: 2021年10月13日
初回公開日: 2016年05月06日