ロマネスコは、珊瑚のように粒々が集まって作られる、おもしろい見た目の野菜です。ヨーロッパが発祥で、ブロッコリーやカリフラワーと同じように花蕾のところを味わって楽しみます。シャキシャキ、コリコリとしていて歯ごたえがよく、炒めものやパスタ、スープの具材にと幅広いレシピに活用して楽しめますよ。今回は、含まれている栄養やカリフラワーとの違い、食べ方など、ロマネスコとはどんな野菜なのかについてご紹介します。
ロマネスコの学名・原産国・英語
- 学名
- Brassica oleracea var. botrytis
- 科・属名
- アブラナ科・アブラナ属
- 英名
- Romanesco broccoli
Cauliflower romanesco
- 原産地
- ヨーロッパ
- 収穫期
- 10~12月
- 別名
- 黄緑珊瑚(キミドリサンゴ)
サンゴ礁
うずまき
カリッコリー
カリブロ
やりがい君
ロマネスコとは?どんな野菜?
ロマネスコは、イタリアのローマもしくはドイツで16世紀頃から作られるようになったアブラナ科・アブラナ属の野菜です。日本ではまだ生産量が少ないため見慣れませんが、欧米特にヨーロッパでは一般的な野菜で、ゆでたり炒めたりして楽しまれるだけでなく、パスタやピザ、スープの具材やピクルスなど様々な料理に利用されています。
ロマネスコの最大の特徴は花の蕾の粒が集まった「花蕾(からい)」の姿。実はこの花蕾、全体でも螺線形を描いていますが、1つ1つの塊を見ても同じように螺線形を描いているんです。これは、フラクタル(自己相似)と呼ばれる幾何学の構造で、特にわかりやすいのがロマネスコだとされています。この姿から、かつては「悪魔の野菜」「神が人を試すために作った野菜」とも言われていたそうです。
歴史
ロマネスコは、「ブロッコリーとカリフラワーを掛けあわせて作られた、カリフラワーの変種」とされています。一方、「ブロッコリーやカリフラワーの起源だ」とする説もあり、誕生の経緯ははっきりとはしていません。
ロマネスコとブロッコリーやカリフラワーとの違いは?
色合いはカリフラワーが白、ブロッコリーが濃い緑なのに対して、中間のライトグリーンです。味はブロッコリーに近く、食感はカリフラワーのようにコリコリしており、全てがブロッコリーやカリフラワーの中間の存在となっています。
ロマネスコの栄養は?
カリフラワーの変種で、ビタミン類を多く含んでいます。特にビタミンCの含有量は野菜の中でもトップクラスで、レモン果汁100mgと同じくらい含まれています。ビタミンCは、コラーゲンを合成するために必要な栄養素で、肌の調子を整え、シミ・そばかすの元となるメラニンの合成を抑える働きが期待できます。
他にも、血液の元となる鉄分や、腸内の調子を整えて便通を改善してくれる食物繊維もたくさん含み、女性にとってうれしい栄養満点の野菜なんですよ。
ロマネスコの食べ方は?切り方やゆで方は?
見た目が独特なことから、初めてロマネスコを調理するときは、どうしていいか困ってしまいますよね。実際調理は簡単で、カリフラワーやブロッコリーと同じように煮ても焼いても、炒めてもおいしく、様々な調理法が楽しめます。
単純にゆでてマヨネーズを付けて食べるだけでも、甘い味わいとコリコリとした歯ごたえがおいしいですよ。以下に、全ての料理の基本となる、切り方とゆで方をご紹介します。今回ご紹介した方法で切り離した茎は、スライスにして炒めるのがおすすめです。
切り方と茹で方
- 花蕾の周りに付いている葉っぱを全て切り落とす
- 中心の太い茎の周りにぐるりと包丁を入れ、芯をくり抜く
- 下の方から適当な大きさに房を切り離していく
- 頂点の当たりの房は手で切り離す
- 塩を入れて沸騰させたお湯で1分30秒~3分ほどゆでる
- ザルにあげてそのまま冷ます ※水にさらさないのがポイント
- 料理に加え、残った分は密封できるポリ袋に入れて冷凍する
ロマネスコは色々なレシピに加えて楽しめる野菜
独特の姿が目を引くロマネスコ。あまり見かけない野菜だからこそ、日頃の料理に加えるときは勇気がいりますよね。ただ、ブロッコリーやカリフラワーの仲間というだけあって、様々な料理のレシピに加えて楽しめます。
クリームパスタや煮込み料理に加えると、スープとよく絡んでおいしい味わいが口いっぱいに広がりますよ。また、歯ごたえもよいこともヨーロッパで古くから愛されてきた理由かもしれません。ぜひ、スーパーで見かけたら一度手にとって見てくださいね。
更新日: 2016年05月11日
初回公開日: 2016年05月11日