「ガーデニングに害虫はつきもの」といっても、被害にあってからでは、どんな虫で、何をすれば退治できるかわからないものですよね。グンバイムシは、葉っぱについて植物を弱らせる害虫の1種です。今回は、よく見かける害虫の1つ、グンバイムシの駆除対策について、生態や予防方法などをご紹介します。
グンバイムシとは?どんな生態?
グンバイムシとは、植物の葉っぱに寄生して汁を吸う害虫のことです。体長は3~5mmほどで、透明な羽を持ち、相撲の行司が持つ軍配(ぐんばい)のような見た目にちなんで名付けられました。世界中に2,600種ほど、そのうち70種ほどが日本にいるとされています。
グンバイムシの被害や発生時期は?
グンバイムシの発生時期は4~10月で、特に被害が多いのは春先。植物の葉っぱの裏に付いて栄養を吸い取り、吸い取られた葉っぱの表面には白い斑点が現れます。白い斑点は、だんだんかすり状になり、葉っぱの裏にはヤニのような黒い排泄物をたくさん付けます。
幸いなことにグンバイムシに寄生されても植物が枯れることは、ほとんどありません。排泄物を通してウイルス病にかかることがないためです。ただ、それは在来種に限ったことで外来種の場合は、病気になることもあります。
被害の多い植物は?
桜やシャクナゲ、ツツジ、サツキ、アジサイ、柿、栗、りんご、桃、梅、菊、ナス、フキ、ゴボウ、アーティーチョークやサツマイモなどによく見られます。日本では、農作物に被害を与えないことから知名度は低い害虫ですが、海外ではワタやアボカドなどに被害を及ぼす害虫としてよく知られています。
グンバイムシを駆除する方法は?
グンバイムシの駆除には、殺虫剤を散布するのが効果的です。もしくは、葉っぱが食い荒らされたり、フンが付いたりと見た目が悪くなるので、寄生されている葉っぱは切り落としましょう。
殺虫剤は、オルトランCやオルトラン液剤、オルトラン水和剤、園芸用キンチョールE、スミチオン乳剤やアクテリック乳剤など、植物の体内に殺虫成分を染みこませる薬剤がおすすめ。葉の裏にスプレーで散布すれば、殺虫と予防になりますよ。
グンバイムシの予防に効果的な対策は?
グンバイムシの予防は、枝を間引いて風通しをよくし、ときどき葉水をして乾燥を防ぐことです。葉に斑点を見つけたら、幼虫や成虫に寄生されている可能性があります。幼虫は群棲しているので、排泄物と一緒に葉裏を洗い流すと一掃できます。
グンバイムシを駆除して植物を守ろう
グンバイムシは、植物に甚大な被害を及ぼす害虫ではありません。株の風通しをよくするといった、普段からのメンテナンスで予防することができるんですよ。
また、ヨモギなどキク科の雑草に発生することが多いことも覚えておくと安心。もし、花壇や畑の周りにキク科の雑草が生えていたら、早めに草取りをしておくと、グンバイムシの被害にあう心配が減りますよ。
更新日: 2023年02月22日
初回公開日: 2016年07月19日