庭やベランダを華やかにしてくれるバラ。品種によっては、実がつくのをご存知ですか?しかも、女性に人気のローズヒップティーの元になるんです。でも、お茶になる前の姿を目にする機会は少ないので、ピンときませんよね。
そこで今回は、どんな植物の実なのかからお茶の作り方まで、ローズヒップについて詳しくご紹介していきます。興味のある方はぜひ育てて収穫を楽しんでみてください。
ローズヒップとはじつは「バラの実」のことなんです!
ローズヒップとは、バラ科の植物につく実のことで、10~11月に収穫の時期を迎えます。赤やオレンジ、もしくは濃い紫色をしており、球形や涙形など見た目は品種によって違います。お尻を意味する「ヒップ」と名前に付いていますが、じつはバラの果実を意味する言葉でもあるんですよ。
ローズヒップはどんな品種のバラにも実るの?食べることはできる?
ローズヒップは庭できれいに育つバラに必ず実るものではありません。主にワイルドローズというバラの原種に付き、ハーブティーなど食用のものと、フラワーアレンジメントなどの花材用のものに分かれます。
いずれの用途であっても、園芸用のバラより丈夫なことが多いので、気になる方は栽培にチャレンジしてみてくださいね。
ただ、花材用のものは農薬や下痢作用など体に問題を起こす可能性があります。また、実が硬い、小さいといったこともあるので、食べる目的で栽培するときは品種をしっかりと見定めてください。
ローズヒップが実るバラの種類とは?
ドッグローズ(イヌバラ)
ドッグローズはヨーロッパを原産とするワイルドローズの1種です。高さ2~4mほどに生長する低木で、5cmほどの一重の花を咲かせますよ。一般的にイメージされるバラの花の姿に比べると素朴でかわいらしい雰囲気があります。ロサ・カニーナという品種がよく販売されています。
ハマナス
日本に自生するオールドローズで、東日本の日本海側でよく見られます。背丈が1~1.5mほどと小柄ですが、直径6~10cmと花は大型。赤紫や白色の花からは甘くよい香りがします。そして秋になるとまん丸の赤い実がなります。
ローズヒップティーには体にうれしい効能がいっぱい!どんな味?
ローズヒップのお茶は飲むと酸っぱい味がします。これは、ビタミンCが同量のレモンに対して約20倍も含まれているからです。ビタミンCには、メラニンの生成が抑えられてシミが予防できる、コラーゲンが生成されてお肌の調子が整うといった作用が期待できます。さらにウイルスを遠ざける作用もあり、風邪の予防にも効果的。ヨーロッパでは古くから風邪薬としても利用されていたんです。
また、赤い色素であるリコピンは生活習慣病の原因となる活性酸素の発生を抑え、体から排出する効果もあります。ほかにもビタミンB1、B2、カルシウムなどもバランスよく含まれるので、生理痛の緩和、眼精疲労の回復、気持ちをリラックスさせる、ストレスを和らげると、体にも心にもうれしい効果が満点です。
ローズヒップティーの作り方!
まずはローズヒップを収穫
ローズヒップは、9月中旬頃に収穫の時期を迎えます。最初は緑色だったものが真っ赤に色づいたら、手やハサミで摘み取って水洗いしましょう。
半分に切り、中から種を抜く
水気を拭き取ったローズヒップは輪切りにしていきます。するとワタに包まれた小さな種が見えます。これらは、渋みを生み出す元になってしまうので、ていねいに取り除きます。
日陰で自然乾燥する
種とワタが取れたら、ローズヒップの実を風通しのよい日陰で乾燥させます。完全に乾燥するまでにはおよそ1ヶ月ほどかかります。
完成!ハーブティーにして召し上がれ
完全に水分が抜けきれば完成です。あらかじめお湯であたためておいたポットにローズヒップを入れ、蒸らせばルビー色のハーブティーになります。おいしくいただくコツは、じっくりとローズヒップを蒸らすこと。3~5分おいて、十分蒸らしたらスプーンで果肉をしごくとおいしくなります。
ローズヒップを栽培してみよう
体にも心にもうれしい効果をもたらすローズヒップ。ルビー色に染まるハーブティーは、ほどよい酸味が気分をリフレッシュさせてくれます。ちょっとすっぱいなと感じたら、ハチミツを加えるとマイルドになりますよ。
ほかにも飲んだ後に残った実をヨーグルトやシリアルに加えたり、ハイビスカスやルイボスティー、ドライフルーツと合わせてオリジナルブレンドを作ったりと楽しみ方もいっぱい。ローズヒップを栽培して、さらに楽しんでみるのもいいですね。
更新日: 2022年05月25日
初回公開日: 2016年10月07日