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【バラの種類】オールドローズ・モダンローズ・ミニバラ・つるバラの人気品種とは?

香り豊かなバラは、古くから世界中で愛されてきました。現在でも女性にとって一度は、男性から贈られてみたい花の1つですよね。今回は、そんなバラの花の咲き方や色、樹形といった様々な種類の違いについてまとめました。

バラの花の歴史

人とバラの歴史は古く、約4,000年前には園芸や食用、香水の原料として栽培されていました。

ヨーロッパでは、ガリカ、ダマスク、アルバ、センティフォーリアなど、一季咲きのオールドローズを基本に、15~16世紀にオランダで育種交配が盛んに行われ、18世紀にはフランスやイギリス、ドイツなどで新品種が次々と生み出されました。

四季咲きローズの誕生

中国ではチャイナローズと呼ばれる野生の四季咲き性の原種が発見され、この品種をヨーロッパに持ち帰り、品種改良が進められ、ヨーロッパのバラと交わって、四季咲き性の品種が次々と生み出されていきました。

ミニバラの誕生

ミニチュアローズの先祖である、中国で発見された「ロサ・キネンシス・ミニマ」はミニバラの元祖になったバラです。フランスで1900年代に発見されたオールドローズの「ポリアンサ・ローズ」との交配により、様々なミニバラが生み出されました。

それにより、現代の花が小さくかわいいミニバラがたくさん増えてきたことは、とてもうれしい喜ばしいことです。

バラの種類・品種はどれくらいあるの?

現在、バラの品種は25,000を超える種類が生み出されたとされ、今現在も品種改良が進められています。

歴史的な経緯を踏まえて、バラの種類は1867年につくられた「ラ・フランス」という品種の誕生を境に、以前を「オールドローズ」、以降を「モダンローズ」と大別することができます。現在一般的に生み出されているバラの品種のほとんどはモダンローズ(現代バラ)です。

バラの種類① オールドローズの人気品種

1867年に発表されたハイブリッド・ティー・ローズ「ラ・フランス」以前につくられたバラの品種を指します。優雅な花姿と豊かな香りが特徴で、一季咲きのものが多いのが特徴です。

カーディナル・ド・リシュリュー

ガリカローズを代表する一季咲きの品種で、春に開花します。深みのある赤紫から、灰色を帯びた青紫へと花色が変化し、花弁が球形に反り、トゲが少ないことが特徴の一季咲き品種です。

ラ・レーヌ・ヴィクトリア

ブルボンローズを代表する品種で、春から夏にかけて繰り返しよく咲く品種です。ピンクのふんわりと丸いカップ咲きの花の咲く姿が美しく、園芸雑誌の表紙に取り上げられることが多い品種でもあります。

ジャック・カルチェ

ポーランドローズの中でも、花の大きい中輪で、ピンクのクォーター・ロゼット咲きが特徴となる品種です。春から秋にかけて連続的に開花し、香りが強く、四季咲きのため、とても人気がある品種です。

バラの種類② モダンローズの人気品種

バラ 芳純 ピンク色

「ラ・フランス」が発表された以降につくられたバラのことをモダンローズといいます。オールドローズを品種改良したバラのことで、現在の花屋さんで販売されているほとんどはモダンローズに属しています。

モダンローズはオールドローズには、少ない四季咲き性のものが多く存在しています。また、オールドローズの優雅な花姿と豊かな香りにモダンローズの四季咲き性を兼ね備えた「イングリッシュ・ローズ」もモダンローズに分類されます。

今回はバラの樹形から、木立性、つる性、半つる性(半木立性)の3グループに分けて、人気の品種をご紹介します。

1)木立性のバラ

ラ・フランス

前述にもある通り、「ラ・フランス」はモダンローズ第1号として登場したバラです。大輪の四季咲き品種で、その花弁は45枚にもなるともいわれていて、見た目はとても華やか。香りもフルーティーで、全バラの中でも人気が非常に高いです。

マリア・カラス

バラ マリア・カラス

伝説の歌姫「マリアカラス」に捧げられたバラです。四季咲き大輪で、濃いピンクの大輪を咲きかせます。花形は半剣弁高芯咲きで、花つきも香りもよい品種です。

プリンセス・ドゥ・モナコ

バラ プリンセス・ドゥ・モナコ

四季咲き大輪で、白地にピンクの覆輪が入った半剣弁高芯咲きのとても人気のあるバラです。王妃となった女優「グレース・ケリー」に捧げられたバラで、上品な花色が美しい品種です。

アイスバーグ

バラ アイスバーグ

四季咲き中輪で、真っ白な花色が美しい丸弁平咲きの品種です。別名「白雪姫」と呼ばれ、柔らかい雰囲気の花が人気です。「世界バラの殿堂入り」を冠した品種で、枝変わりに薄いピンクの「ブラッシング・アイスバーグ」濃いピンクの「ブラッシング・アイスバーグ」濃い赤紫の「バーガンディー・アイスバーグ」があります。

スイートムーン

四季咲き中輪で、淡い青紫の半剣弁高芯咲きのバラです。花持ちがよく、青系の花色で人気です。ただし、うどんこ病に若干弱い性質がありますので病害虫防除はしっかりとおこなうようにします。

ストロベリーアイス

四季咲き中輪で、白地に濃いピンクの覆輪が入る八重平咲き品種です。四季咲き性で、枝を大きく伸ばすためつるバラ仕立てにもすることができます。黒星病には非常に強い品種ですので初心者にもお勧めです。

2)つる性のバラ
つるバラ

スパニッシュビューティー

ピンクの花がフリルのように波打つ姿がかわいらしい、半八重の丸弁平咲きのつるバラ品種です。香りもよく、早咲きで、どのバラよりも早く咲く一季咲きの超人気品種です。

アルティシモ

赤い一重の大輪を咲きかせる数少ない珍しい品種です。5~11月に開花し、花形は平咲きです。花がらをしっかりと切ることにより強い四季咲きになる品種です。

つるサマースノー

真っ白で八重平咲きの波打つ花弁の花を咲かせます。枝にトゲがなく、とても使いやすいつるバラです。このバラは基本的に一季咲で春しか咲きませんが、まれに、秋から冬にかけて狂い咲きをすることがあります。枝替わりに完全四季咲きの「ブッシュ・サマースノー」があります。

つるゴールドバニー

四季咲き中輪の木立性「ゴールドバニー」の枝変わりです。花色は気品のある濃い黄色で、丸弁盃状咲きです。とても強健ですぐ枝が太るため、とても生育が早くアーチやフェンス等はすぐに花いっぱいにする事ができます。春から秋まで良く返り咲きします。

ピエール ドゥ ロンサール

中心に向けてピンクが濃くなるカップ咲きの大輪の花を咲きかせる品種です。返り咲きはほとんどなく、春に見事なぐらい目立つ勢いでで開花します。このバラは「世界バラの殿堂入り」を冠した品種で、日本は勿論の事、世界中で一番人気の高いつるバラです。初心者の方からプロまで幅広く人気がある品種となります。

フラウ カール ドルシュキ

多花性のため花がよく付き、また返り咲くタイプです。「白のつるバラを使うならこの品種真」と言われ、昔からとても人気が高い品種でした。花の形がきれいな剣弁高芯で、四季咲き性が高く、花保ちが良い品種です。日本では「不二(ふじ)」と呼ばれ初心者からプロまで幅広く使われた銘花です。

カクテル

鮮やかな赤で、中心が黄色になっている華やかな色合いの品種です。一重の赤いつるバラを代表する品種で、花形は丸弁平咲き、春から秋までに開花し返り咲きします。

このバラはとてもとても人気が高く、「世界バラの殿堂入り」を冠しました。日本ではカクテルの名前で販売されていますが、フランスでは女優「ロミー・シュナイダー」に捧げられたバラでもあります。正式名は「コクテール」です。

ローゼンドルフ・シュパリス・ホープ

やや深みのあるピンクの半八重咲きの花が咲きます。花形はカップ咲き~平咲きでややフリル状になり、咲きがらをしっかりと摘んであげることで春から秋まで連続的にに開花を返りします。

つるバラの中でも高い四季咲き性を誇るこのバラは、とても人気があり、関東南部では暖冬のお正月過まで良く花を咲かせ続ける品種です。名前の由来は「シュパリースホップ村のバラ」に由来します。

3)半木立性のバラ(シュラブローズ)

春風

故・鈴木省三作出の代表的なシュラブローズです。花弁の裏と表で色が異なり、裏は黄色・表はローズレッドのコントラストが美しい丸弁抱え咲きの花をつけます。枝が柔軟で誘引しやすく、トゲがほとんどない品種です。基本的には一季咲きですが秋から冬にかけて、まれに狂い咲きします。

アルキミスト

淡いアプリコットカラーの花がクラシカルで美しいバラです。昔からとても人気が高く花形はロゼッタ咲きで、春に開花する一季咲きの品種です。

プリンセス・ミチコ

バラ プリンセス・ミチコ

当時の美智子皇太子妃殿下(現皇后陛下)に捧げられたバラです。花は半八重の四季咲きで、花色は黄色から徐々にオレンジ色に変化していきます。ほのかに良い香りがする、とても上品な品種のバラです。

ゴールデンウィングス

白地で、中心に向けてやや淡黄色の花を咲かせます。花形は一重平咲きで、春~秋にかけて良く返り咲きします。

ジョン・F・ケネディ

バラ ジョン・F・ケネディ

第35代アメリカ大統領の名前を冠した、四季咲きのバラです。花色は白ですが、わずかに緑がかっているように見えます。枝は赤くならない品種なので、花色はより一層引き立ちます。

バラの種類③ ミニバラの人気品種

木立性のミニバラは、花も小さく株もコンパクトで、寄せ植えなどにも人気のバラです。花色や香り、開花時期については、品種によって異なります。ここでは、人気のミニバラの品種をいくつかご紹介します。

ミニバラ ミニ薔薇 四季咲き

マジック キャローセル

白地にローズピンクの覆輪が入り、半剣弁高芯咲きの花が咲きます。ミニバラで初めて覆輪の花を咲かせる品種として発表されて以来、根強い人気を誇ります。花持ちがよく、四季咲き性が特徴です。

スカーレッタ

樹形が整いやすく、鮮やかな赤一色の丸弁盃状咲きのミニバラとして人気の品種です。四季咲き性でピンクや白の花とも合わせやすい花色をしています。

ななこばら

江戸時代より日本で栽培されている品種で、桜のような淡いピンクが花弁先端に色づくかわいらしい品種です。花形は平咲きで四季咲き性があります。

スタリナ

赤とピンクの花色があり、ミニバラ初の剣弁高芯咲きとして愛されている品種です。交配の親としても利用される美しいバラで、四季咲き性です。

イエロードール

ポンポン咲きの明るい黄色の花が咲く人気のある品種です。四季咲き性で、垂れ気味に茂る傾向があります。

バラの種類、品種は25,000種以上!

ピンク色のバラ咲きプリムラの画像

今回紹介した品種は、バラの中でもほんの一部分に過ぎません。品種によって香りの強さや色の濃さなど細かい違いがあり、中には紅茶のような香りのする品種もあります。近くの植物園などでお気に入りの種類を探してみてはいかがでしょうか?

更新日: 2021年06月23日

初回公開日: 2015年07月21日

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