日光を浴びて光合成をしながら生長するのが一般的な植物です。しかし、日陰でも元気に育つ植物がいて、それらを庭に植えて楽しむシェードガーデンというものをご存知でしょうか。
今回は、シェードガーデンにおすすめの植物とその特徴についてご紹介します。
シェードガーデンとは?
シェードガーデンとは、日当たりのよい広い庭に大きな木を植えて、半日陰を作って花を育てることをいいます。
しかし、日本の場合は、日陰や半日陰でも育つ植物を植えることをシェードガーデンと呼ぶこともあります。
シェードガーデンの作り方は?何に注意する?
多年草、一年草同士を寄せ植えにして作るか、1種類だけをたくさん植えてシェードガーデンを作ります。グラウンドカバーと呼ばれる植物など、草丈が低く花壇や土を覆うようにたくさん葉が伸びる植物を植えるのもおすすめです。
自分の作りたいガーデニングに合わせて植物を選んでみてください。植え方は通常の植物と同じです。ただ、酸性やアルカリ性、湿気と乾燥など植物の好む土質や育て方に大きな違いのある植物は寄せ植えの組み合わせとして好ましくないので気をつけてください。
シェードガーデンにおすすめな植物!木陰、半日陰、日陰の違いは?
「日陰」といっても木陰、半日陰、日陰などいろいろなタイプがあります。今回は、それぞれに合う植物をご紹介します。
木陰
木陰とは、文字通り木で影ができる場所のことです。木やその枝葉が日光をさえぎっているやさしい日陰で、時折木漏れ日が差し込むような場所を意味します。木陰で育てるのに向いている植物はアシュガ、ヒューケラ、カレックス、シラーなどがあります。
半日陰
半日陰とは、1日のうち2〜3時間程度日が当たり、それ以外は日陰になるような場所のことをいいます。半日陰に向いている植物は、フウチソウ、モーリス、ティアレラなどがあります。
日陰
日陰とは建物の北側や壁に囲まれた庭など、直射日光がほとんど当たらないような場所のことをいいます。日陰に向いている植物にはホスタ、ヤブラン、ツワブキなどがあります。
シェードガーデンに植えたい!木陰におすすめの植物は?
アジュガ
アジュガは、初夏に青紫やピンクのかわいらしい花を咲かせます。背は低く、這うように広がって行くのでグラウンドカバーにも最適です。ピンクや白斑入り葉、クリーム色の中斑、小型などの様々な色・形の園芸品種があります。
耐寒性が高く0度くらいまで屋外で育てられますが、霜や乾いた寒風に当たると葉が枯れるので寒冷地では霜よけが必要です。
ヒューケラ
ヒューケラは、緑、黄色、赤紫色、斑入りなど、葉の種類が豊富です。春にピンクや白の小さな花が咲きますが、葉っぱを楽しむカラーリーフです。
耐寒性が高く、種類にもよりますが-15~-3度まで耐えられるので雪の下でも大丈夫です。
カレックス
カレックスは、全世界に2000種以上もあり、日本には約200種あります。細い葉のラインがきれいな植物です。
葉っぱは緑、光沢のある銅葉、黄緑色、斑入りなど種類が豊富で、葉っぱの幅も広いものから細いものまで様々です。
耐寒性は高く、暖地では越冬もできますが、霜に当たると枯れてしまうので寒冷地では注意してください。
シラー
シラーは、星形や釣り鐘状の小さな青紫色の花が咲きます。葉っぱは四方に広がり、100種以上の原種があります。
ただ、ほとんどが10月頃に発芽し、春に開花したあと、梅雨時期に地上部が枯れて休眠に入ります。球根は毎年掘り上げなくても植えっぱなしで数年は咲きます。
シェードガーデンに植えたい!半日陰におすすめの植物は?
フウチソウ
葉が密生しても、あるも程度の草姿にはまとまります。丈夫で生育旺盛、数本の茎が株立ちになって垂れ下がり、長さ15cm前後の細長い葉をつけます。
葉は付け根のところでねじ曲がっていて本来裏の面の方が上を向いて、表となる部分が下を向いています。
冬には地上部は枯れてしまいますが、春にはまた新しい芽が出てきます。根で越冬するため、15度でも耐えられます。雪の下でも大丈夫です。
アルケミラ・モリス
Photo by tanpicokunさん@GreenSnap
初夏にカスミソウのように小さな黄色い花が群れて咲きます。
細かい毛の生えた柔らかい葉がこんもりと茂る、イングリッシュガーデンでは定番の花なのですが、高温多湿に弱く、日本での夏越しは難しい花です。耐寒性が高く、-3度ほどまで耐えられます。
ティアレラ
とても丈夫な植物で日本でも元気に育ちます。葉色が豊富で深い切れ込みが入り、多くの品種が葉脈に沿って濃赤の筋が入る特徴があります。初夏に穂状のピンクや白の花を咲かせてくれますよ
シェードガーデンに植えたい!日陰におすすめの植物は?
ホスタ(ギボウシ)
根元にまとまってつく葉っぱが印象的な植物です。初夏から秋にかけて薄紫、白、ピンクの花を咲かせますが、主に葉っぱを鑑賞するカラーリーフです。
葉の幅も種類によって様々で、光沢のあるもの、つや消しのもの、白粉を帯びるもの、しわの目立つものなどがあります。
日本原産の植物なので日本の気候には適していますが、冬に葉が凍るぐらい寒くなってしまうと枯れてしまうことがあります。
ヤブラン
晩夏に穂状に紫やピンク、白の小さな花が咲きます。斑入りや緑の葉のものがあり、固めの葉がすっと伸びこんもりとまとまる植物です。耐寒性が高く、育てやすいためおすすです。
ツワブキ
葉は丸くてつやがあり、斑入りや獅子葉などの種類があります。株の中心から3cm前後の黄色、白、赤などの花を咲かせます。
日本原産の植物なので日本の暑さ寒さには耐えられえます。冬に地上部が枯れてしまっても春には新しい芽が出てきます。
シェードガーデンを楽しもう
シェードガーデンのメリットは、日当たりの悪いところでも育てられるところです。庭が日陰だからと諦めず、自分の庭の日当たりに合った植物を見つけてガーデニングを楽しんでみてくださいね。
更新日: 2022年07月27日
初回公開日: 2015年09月23日