うなぎ料理や七味唐辛子でおなじみの山椒。独特の清涼感と辛味は、料理の名脇役ですよね。縄文時代の土器から山椒が発見されたことから、日本最古の香辛料ともいえます。今回は、剪定や植え替えの時期と方法など、山椒の育て方をご紹介します。
山椒(サンショウ)の木とは?
山椒は、日本から朝鮮半島を原産とする落葉低木です。樹高は2~5mほどに生長し、枝にはトゲがあり、4~5月に黄色い5mmほどの小さな花を咲かせます。
花や芽、実、若葉、蕾、果実が食用され、舌が痺れるような辛味と、独特のツンとした香りが特徴です。
山椒(サンショウ)の木の苗植え!鉢植えの時期と方法は?
山椒の苗は、鉢植えか地植えで育てます。葉っぱが落ちて休眠期に入った12~3月が苗を植えるの適期です。根が弱いので、一度植えたら植え替えはできないので注意してください。
鉢植えは、7号鉢以上で深さのある鉢を準備し、鉢底石を敷いてから苗を植えます。根についた土は崩さないようにしましょう。
地植えは、直射日光の当たらない半日陰を選んで、大きめに植え穴を掘って苗を植えます。
山椒(サンショウ)の木の土作り・水やり・肥料の与え方は?
土作り
栄養が多く、水はけのよい土を好みます。鉢植えは、赤玉土(小粒)5:腐葉土4:川砂もしくはパーライト1を混ぜあわせた土がおすすめです。市販の草花用培養土を使ってもかまいません。
地植えは、掘りあげた土に腐葉土や堆肥を2~3割混ぜ込んでおきます。
水やり
鉢植えは、土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えます。山椒の根ははり方が浅く、水が不足しやすいので、土の状態はよく観察しておきましょう。特に夏は注意が必要です。
地植えは、特に水やりの必要はありませんが、夏は根元にワラを敷いて乾燥対策をしましょう。
肥料
1~2月に油かすを与えます。後は、葉や実を収穫した後で、株が弱っているようなら油カスを適宜与えてください。
山椒(サンショウ)の木の育て方で注意する病気や害虫は?
白絹病
湿度が高い環境で発生しやすいカビの病気で、根元が白い絹のようなもので覆われます。感染すると治療ができないので、株は掘りあげて処分しましょう。日頃から湿度の高い環境を作らないよう注意してください。
アゲハチョウの幼虫
葉っぱを食べて株を弱らせる害虫です。一晩で葉っぱが食い尽くされるほど食用旺盛なので、見つけたらすぐに株から取り除きましょう。大きいので、すぐに見つけられますよ。また、防虫ネットで木を覆うと、卵を産みつけないようにすることができます。
山椒(サンショウ)の木の剪定!時期と方法は?
山椒は、放っておいても樹形はまとまりますが、伸びすぎている枝や混み合っている枝があれば、葉っぱが散っている12~3月に剪定をします。
生長期に伸びた枝の中でも短いものに花がつくので、枝は切り過ぎないように注意しましょう。
山椒(サンショウ)の木の植え替え!時期と方法は?
根が弱く、環境の変化に耐えられないことから、植え替えの回数は少なくすむようにします。地植えはスペースが十分であれば、植え替えの必要はありません。
鉢植えは、2~3年に1回、根詰まりを防ぐために1~2回り大きな鉢に植え替えをしましょう。手順や時期は、苗植え時と同様で、鉢についた土は崩さないようていねいに扱います。
山椒(サンショウ)の木の増やし方!挿し木の時期と方法は?
山椒の木は、挿し木か種まきで増やすことができます。種まきは、苗植え時の時期や手順と同様です。挿し木は、6月頃か、9~10月が適期です。
1. 前年に伸びた若い枝を10~15cm切り取る
2. 上の方の葉を2~3枚残し、他を切り落とす
3. 切り口を、発根剤を混ぜた水に1時間ほど浸す
4. 赤玉土(小粒)やバーミキュライトに枝を挿す
5. 土が乾かないようにしながら、日陰で管理する
6. 新芽が出たら、5~6号鉢に植え替え、徐々に日向に移動させる
山椒(サンショウ)の木の育て方のポイントは?
品種選びと剪定のタイミングが、山椒を実の収穫まで楽しむコツです。
山椒は、雄株と雌株があり、両方を植えることで実をつけます。ただ、朝倉山椒(アサクラサンショウ)は例外で、雌雄同株なので1本でも実をつけることができます。
また、生長期に伸びた枝の中でも短いものに花がつきます。そのため、落葉してから枝を切らないとどの枝に実がつくのかわからなくなってしまいます。
山椒(サンショウ)の木の栽培は難易度が高い
山椒は植え替えや管理などがむずかしく、手間もかかります。ただ、香りのよい実は、採取して楽しむことができる魅力があります。
ガーデニングに慣れてきたら、次のステップとして山椒を育ててみるのもよいかもしれませんね。
更新日: 2022年07月20日
初回公開日: 2015年10月20日