吾亦紅(ワレモコウ)という植物をご存知でしょうか?「吾木香」「我毛紅」「我吾紅」などとも漢字表記をすることがある植物です。一説では、「われもこうありたい」という思いを込めて名付けられたといわれています。日本でも一般的な野草として知られる吾亦紅について今回は花言葉や育て方、名前の意味や見頃の季節などをご紹介します。
吾亦紅(ワレモコウ)の花言葉は?
『変化』『移り行く日々』『愛慕』『もの思い』『明日への期待』『あこがれ』『移ろい』
変化を表す様な花言葉は、ワレモコウの花が上から下へ順に咲いていく姿に由来するといわれます。
吾亦紅(ワレモコウ)とは?花の色や学名は?
- 学名
- Sanguisorba officinalis
- 科・属名
- バラ科・ワレモコウ属
- 英名
- Great Burnet
Garden Burnet
- 原産地
- 日本、朝鮮半島、中国、シベリア、ヨーロッパ
- 開花期
- 7~10月
- 花の色
- 赤、紫色
- 別名
- 吾亦紅(ワレモコウ)
吾木香(ワレモコウ)
我毛紅(ワレモコウ)
ワレモコウは、バラ科ワレモコウ属の多年草です。日本、朝鮮半島、中国大陸、シベリア等に分布しています。
夏から秋にかけて、細い茎の先に小さな花が卵形に集まって咲くのが特徴です。
花の色は渋い赤色や紫色で、小花が集まって咲いているように見える部分は、花びらではなく葉っぱが変化した萼(がく)と呼ばれる部位になります。
吾亦紅はどんな花を咲かせる?開花時期と見頃の季節は?
吾亦紅は6~10月頃に花が咲きます。夏から秋にかけて、赤い花を咲かせ、山野などに自生しています。
冬には地上に出ている部分は枯れてなくなりますが、多年草なので翌春にはまた元気に茎が生長してきます。
吾亦紅(ワレモコウ)の種類は?
吾亦紅には通常種の他に矮性種があります。また、同じワレモコウ属の別種にオランダワレモコウ(サラダバーネット)があり、こちらは観賞用として栽培されるほか食用にもなります。
今回はいくつか代表品種や仲間の種類をご紹介します。
ヤクシマワレモコウ
ヤクシマという名がついていますが、「屋久島」原産かどうかは確認されていません。小型の品種で、夏に淡紅色や赤色の小さな花穂をつます。
花が間延びしないので、切り花として使われることも。暑さや寒さに比較的強く、山野草の中でも比較的育てやすいので、初心者の方におすすめの品種です。
タンナワレモコウ(ヒメワレモコウ)
別名「ヒメワレモコウ」とも呼ばれる小型の品種です。タンナワ(耽羅)は原産地である済州島での呼び名で、草丈は大きくても30cm程度しかありません。
花期は夏で、花穂は小さく、花の色は桃から渋い赤色をしています。
園芸品種では葉にしろの斑が入った種類も販売されていて、コンパクトに育てることができるので、寄せ植えにも適しています。
オランダワレモコウ(サラダバーネット)
ヨーロッパから西アジア、北アフリカ原産で、同じワレモコウ属の植物です。草丈は40~90cmで、5~6月に緑から薄茶色の花穂をつます。若い葉は食用になり、サラダ等に利用されます。
カライトソウ
本州中部に分布する、同じワレモコウ属の植物です。草丈は、50~100cmでとやや大型です。花期は夏で、房状の花は尻尾が下がった様な姿です。
花の色は濃い桃色で、花の様に見える部分は1cm程度あるおしべです。このおしべが「唐糸(からいと、絹のこと)」の様に美しいことから、「カライトソウ」という名前がつられました。
ナガボノワレモコウ
ロシアからモンゴル、中国東北部、朝鮮半島、日本に分布します。花期は9月から11月で、花穂は白と薄茶色の2種類があります。
吾亦紅の育て方のポイントは?
吾亦紅を上手に育てる一番のポイントは、乾燥させすぎないこと、日当たりのよい場所で育てることです。
花期に極端に乾燥すると花がそのまま枯れてしまうので注意してください。また、日照不足では花が咲かないことがあるので、日当たりのよい場所で管理するのもポイントです。
ワレモコウ(吾亦紅)の種まきや苗植えの方法は?
吾亦紅は乾燥が苦手なので、赤玉土7:腐葉土2:ピートモス1か、赤玉土(小粒)3:鹿沼土3:腐葉土3の割合で混ぜた土などがおすすめです。もしくは、市販の草花用培養土でも構いません。
種まき
2~3月に行います。種まきをした年は花が咲くことが少なく、通常、翌年花を咲かせます。秋に種を収穫した後は、冷蔵庫で保存しておきます。
苗植え
3~5月頃に苗を植えます。鉢植えの場合は、鉢底石と土を入れて苗を植え付けます。地植えの場合は、事前に土を耕しておき、苗を植え付けましょう。日当たりのよいところか、半日陰の場所が理想です。
吾亦紅(ワレモコウ)の育て方!水やりの仕方や肥料の与え方は?
水やりの仕方
土の表面が乾いたら十分に与えましょう。夏は土が乾きやすいので、1日1~2回の水やりが必要なこともあります。
肥料の与え方
肥料を好むため、芽が出てから枯れるまでの間は10日に1日程度液体肥料を与えます。化成肥料を使う場合は、1ヶ月に1度程度与えましょう。
発育が旺盛で草丈が高く育ちすぎる場合は、肥料を少なめにして調節します。
吾亦紅(ワレモコウ)の剪定の時期と方法は?
吾亦紅は6月頃、草丈を3分の1程度に刈り込むと低い草丈で花を咲かせられます。花が咲いた後、伸び過ぎたら3分の1ほどに刈り込み、枯れた花は取り除くようにしましょう。
吾亦紅(ワレモコウ)の植え替えの時期や方法は?
吾亦紅は毎年の植え替えが必要になります。時期は植え付けと同じく2〜3月が適期です。
地下茎で増えるので、このときに株分けをして増やせます。鉢から苗を取り出して根っこを手で2つに分割しましょう。あとはそれぞれを別の鉢に植え直せば完成です。
吾亦紅(ワレモコウ)の増やし方!株分けの時期と方法は?
吾亦紅は種まきと株分けで増やすことができます。種まきは上述した通りです。植え替えと合わせて行うと効率的に行えますよ。
2月下旬~3月頃十分に育った株を取り出して丁寧に土を古い落とし、3~4株に分けて植え付けます。地下茎は硬いので、剪定ばさみなどで切り分けましょう。
吾亦紅(ワレモコウ)の寄せ植えのコツは?
吾亦紅は日本に自生する山野草なので、野草との寄せ植えが適しています。また、草丈が高く育つタイプよりも、草丈の短い矮性種の方が管理しやすいのでおすすめです。
根を傷つけないように鉢から苗を取り出し、土を入れておいた新しい鉢に植え直します。苗の周りのすき間をうめるように土を加え、最後に水やりをしたら完成です。
吾亦紅(ワレモコウ)の育て方で注意する病気や害虫は?
吾亦紅は病害虫に強いため、ほとんど心配ありません。ただ、まれにうどんこ病やハダニの被害にあうことがあります。風通しがよい環境で育て、ハダニがいたときは霧吹きで水を吹きかけるか、殺虫剤を散布しましょう。
うどんこ病は回復できないので、病気になった部分を切り取って処分して、薬剤を散布してください。
吾亦紅(ワレモコウ)の花言葉や育て方を知って園芸を楽しもう
吾亦紅は、山野で自然に育つほど生命力が強いので、とても育てやすい植物です。あまり目立たず、派手さはありませんが、素朴な姿や卵形に集まってかわいらしい花の姿をしていますよ。
コンパクトに育てることのできる矮性種もあるので、庭の一角や寄せ植えをして楽しんでみてはいかがでしょうか。
更新日: 2023年06月11日
初回公開日: 2015年10月18日