コンポストとはガーデニングに使われる「堆肥」を意味する言葉。ガーデニングを楽しんでいる方なら、一度は堆肥作りにチャレンジしたいと思ったことがあるのではないでしょうか。今回はそんな方に向けた、初心者におすすめの堆肥作りの方法「段ボールコンポスト」について、作り方や手順、注意点などをご紹介します。
段ボールコンポストとは?
段ボールコンポストとは、段ボールを使ってコンポスト(堆肥)を作ることです。
堆肥は、植物や動物の死骸などを微生物が分解して土になったもので、ガーデニングや園芸でよく利用されています。
果物や野菜の皮、食用油、肉、魚、コーヒーのカスや米ぬかなど、いわゆる「生ゴミ」といわれるモノが材料になるので、段ボールのような身近なものを活用したエコ活動の一貫として知られるようになりました。
段ボールコンポストのメリットは?
段ボールコンポストのメリットは2つあります。メリットの1つは「生ゴミの処理が低コスト」で行えること、2つ目のメリットは「安全な堆肥」が自分で作れることです。
通常、堆肥を作るにはコンポスターや電動生ゴミ処理機といったグッズを購入してから行いますが、段ボールコンポストは段ボールと土など、低価格で堆肥作りが開始できます。
また、ホームセンターや通販で購入できる市販の堆肥の中には、十分に発酵がすすんでいない粗悪品も存在します。
その点、段ボールコンポストでは完全に発酵した堆肥が手に入れられメリットがあり、安心・安全な堆肥が欲しい方にとっては、嬉しい方法なのです。
段ボールコンポストの作り方は?
段ボールコンポストの作り方のポイントは、段ボールに足をつけるなどして中に浮いた状態を作ることです。以下に作り方をご紹介します。
■ 用意するもの
- 段ボール箱
- 段ボールの底に敷く板(強度を増すため)
- 段ボールの足(ブロック、ガムテープ等)
- ピートモス
- もみがらくん炭
- 布や毛布など段ボールを覆えるもの
- 温度計、計量器、スコップ
■ 手順
- 段ボールの底やすき間をガムテープでとめる
- 取っ手になる穴をガムテープで塞ぐ
- 段ボールの底に同じサイズの段ボール1枚を敷いて底を二重にする
- 段ボールの四隅に足をつけるか、足の代わりの台を床に置く
- 壁から少し離れたところに設置
- ピートモスともみがらくん炭を段ボールに入れて完成
段ボールコンポストを使った堆肥の作り方は?
段ボールコンポストの準備ができたら、早速堆肥作りを開始します。生ゴミなどの原料がたまったら新鮮なうちに段ボールに入れて土を被せ、ふたをしましょう。
定期的にかき混ぜて放置しておけば、堆肥が完成しますよ。
■ 手順
- 水を切った生ゴミを段ボールに入れる
- 土を上から被せて中身を混ぜあわせる
- ふたをして気温が15度を下回るときは毛布などを被せる
- 段ボールが一杯になったら毎日1回かき混ぜる
- 最初に生ゴミを入れてから約3ヶ月後に同じ量の土と一緒に混ぜ合わせる
- 2~3週間後に堆肥の完成
段ボールコンポストの作り方のポイントは?
段ボールコンポストでは、「悪臭」や「堆肥化が進まない」といった失敗がよくあります。これらの失敗は、段ボールコンポスト作りにおける「理想の状態」を知らないことが原因で起こります。
以下に、段ボールコンポストを使ううえで理想の状態や条件をご紹介しますので、参考にしてください。
- 常に約15~20度の気温または室温を維持する
- 一度に入れる生ゴミは約500gを限度にする
- 使用済みのコーヒーかすを少量入れると防臭効果がある
- 発酵が始まると段ボールが約30~60度の熱を持つ
- 毎日一回はかき混ぜて土の中に空気を入れることで発酵が促進される
- 4~5日かき混ぜないとダニが発生する、悪臭につられて小バエが寄ってくる
- 保温のために被せるものはバスタオルか毛布が理想◎
- 通気性が悪いビニールなどは被せない
- ふたを必ず閉める
- 生ゴミはできるだけ早く、細かく、水を切って入れる
- 生ゴミはその日のうちに入れる
- 数日経った生ゴミは虫の卵が産み付けられている可能性があるので使用しない
- 一度に大量の魚やイカの内蔵を入れると強いアンモニア臭がする
- 温度が上がらない場合は、使用済みのてんぷら油や米ぬかを少量入れる
もったいないの精神で段ボールコンポストを使ってみよう
段ボールコンポストは、はじめての堆肥作りにおすすめの方法です。低コストで取り組め、子どもの夏休みの課題などにも向いています。野菜などの生ゴミを捨てるのがもったいないな、と思っていた方は、これを機に段ボールコンポストにチャンレンジしてみてください。
高知県 高知市役所 情報政策課『段ボールコンポストでエコ生活』 参考文献:更新日: 2020年01月13日
初回公開日: 2015年06月01日