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草木灰とは?作り方や肥料成分、使い方は?カリウムとリン酸を含む?

土に含まれる養分は、茎葉を茂らせたり、花を咲かせたりするために使われます。窒素、リン酸、カリウムなど様々な栄養があり、成分を調節してあげると、植物は元気に育ってくれますよ。草木灰は、そんな土の状態を整えてくれる肥料の1つです。今回は、草木灰とはどんな肥料なのか、成分や効果的な使い方についてご紹介します。

草木灰(そうもくばい)とは?

草木灰 (4)

草木灰とは、ワラや落ち葉、枯れ草などを燃やして作る「灰」のことです。白色~灰色で、粒状もしくは粉末状をしています。簡単に自作できる肥料として、古くから農家を中心に広く用いられてきました。

植物の栽培のときに草木灰を土に混ぜ込むことで、生育を促します。ただ、現代では化学肥料の普及や、原料となるワラの不足から、使用量は減ってきています。

草木灰は肥料として使える?成分や効果は?

草木灰 (2)

草木灰の主な成分は、石灰、リン酸、ケイ酸、カリウムです。石灰分が多いことから、苦土石灰のように土をアルカリ性に傾ける効果があり、草木灰が白いほどアルカリ性が強くなります。また、カリウムは水に溶けやすいことから、速効性がある肥料の1つとして利用します。

果実や球根を太らせる効果

原料になる草木によって成分の割合は異なりますが、多くはリン酸を3~4%、カリウムを4~9%含んでいます。リン酸は、花や果実の生育を促し、カリウムは根や球根を太らせる働きがあります。

防虫効果

土がアルカリ性になると、微生物の活動が活発になり、病原菌が寄り付きにくくなります。さらに、灰の臭いや粉は、害虫予防にも効果的です。

草木灰の使い方は?

草木灰 使い方 肥料 キャベツ

植え付けるときに使う(元肥)

植え付けるときにうちに混ぜておくと、カリウムが補給され、根が生育しやすくなります。また、土を固くしにくく、アルカリ性に傾ける効果から、苦土石灰の代わりに使われることも。土1:草木灰1の割合で加えるのがおすすめです。

ただし、肥料効果は苦土石灰や石灰に比べて弱いので、あくまでも補助的に使うようにしましょう。また、窒素分の多い化成肥料を同時に施すと、アンモニアガスを発生してしまう恐れがあるので、植物を植え付ける2週間前に草木灰、1週間前に化成肥料とずらして施すと安心です。

育てている途中で使う(追肥)

カリウムの補給と、虫除けを兼ねて、害虫が発生しやすい春や秋に土の上にかけます。油かすと一緒に施すと、互いが足りない成分を補い合って、肥料効果が高まるとされています。

草木灰の作り方は?

草木灰 焼却 作り方

準備するもの

● 落ち葉や枯れた草、ワラ、枯らした野菜の残りなど
● 火をつけるための新聞紙など
● マッチなどの着火剤

作り方

1. 30cmほどの深さの穴を地面に掘る
2. 穴に新聞紙を入れ、火をつける
3. 新聞紙の上から、草木灰の元になる植物を少しずつ入れる
4. 低温で、いぶすようにじっくり植物を焼く
5. 植物が燃えきったら、水をかけて沈下する
6. 植物を乾かし、上から土を持って蓋をする
7. 数日置いて土をどけ、灰をふるいにかける

注意点

廃棄物処理法によって、一般家庭や事業所で野焼きや焚き火をすることは禁止されています。また、各地域の自治体で、個別に政令を定めていることもあります。

ただ、消化準備をして、住宅から離れた場所であれば野焼きや焚き火は可能とする地域もあります。作る前に、各市区町村の窓口に、草木灰作りが可能かどうかを確かめましょう。

草木灰はph調節に有効な肥料

草木灰 肥料

植物は、生育に適した土壌環境を整えてあげてあげないと、うまく生育させることができず、枯れてしまいます。特に日本は酸性の土壌で、海外生まれの植物を育てるときは、酸度調節は必ず行います。

草木灰は他の石灰系肥料に比べて効果が穏やかで、カリウムを豊富に含んでいる優秀な肥料です。市販もされているので、一度使ってみてはいかがでしょう。

更新日: 2020年07月01日

初回公開日: 2015年11月12日

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