ユーフォルビアは、世界中に生息するユーフォルビア属(トウダイグサ属)の総称です。一年草や多年草、低木や多肉植物など、色んなタイプの植物が含まれているため、育て方も一通りではないのが悩みの種…。自分が育てているユーフォルビアがどんなタイプなのか、知らずにいる方は心配になりますよね。そこで今回は、そんなユーフォルビアの育て方について、草花や低木、多肉植物やサボテンに分けてご紹介します。
ユーフォルビアの育て方のポイント
草花や低木
高温多湿に弱いので、水はけと風通しのよい環境で育てます。特に春から夏にかけて開花時期を迎えるので、梅雨の時期の管理がポイントになります。雨が当たる外にはおかず、西日を避けた管理を心がけてください。
また、気温が5度以下の環境や霜が当たる場所では、枯れてしまいます。冬の寒い時期は、マルチングをするか、暖かい室内に移動させておくと安心です。
多肉植物やサボテン
日のよく当たる場所で乾燥気味に育てるのがポイント。水を蓄えておく力が強いので、水やりは、土が乾燥して数日たってからでも遅くはありません。水不足は水を与えればすぐに回復しますが、水の与えすぎは、時間をかけた乾燥を待つしかないので気をつけてくださいね。
ユーフォルビアの苗植えの時期と方法とは?
土や鉢の大きさは株によって変わりますが、草花や低木、多肉植物、サボテンいずれのタイプであってもユーフォルビアの植え方は基本的に同じです。また、植え付け時期は、5月のみ、3〜5月、9〜10月など、種類によって異なるので、購入時に店員さんに聞くか、本やインターネットで調べるようにしましょう。
鉢植え
- 植え替えの2週間前ほど前から水を控える
- 鉢から株を取り出し、古い土と腐った根を落とす
- 苗よりも1回りほど大きな鉢を用意して、鉢底に軽石や鉢底石をしいてから土を入れる
- 株を植え付けて、隙間がないようにつつきながら植え付ける
- 水やりをしてへこんだ分土を追加して、再度水を与える
地植え
- 庭に穴を掘り、土に肥料や腐葉土を混ぜて耕しておく
- 数週間後、植え付ける部分が少し高くなるように土を盛り上げ、浅植えにする
- 株元を砂利やバークチップで覆う
ユーフォルビアの植え替えの時期と方法は?
ユーフォルビアは、根が弱く植え替えのダメージで枯れることがあるため、あまり植え替えはおすすめできません。しかし、根詰まりを起こして放っておくと必ず枯れてしまうので、植え替えをしてください。
鉢底から根が出ていたり、水の吸収や水はけがあまりにも悪かったり、およそ2~3年ごとが土や鉢の入れ替え目安です。地植えは、数年間植えたままでかまいません。植え替え時期は、植え付け時期と同じで、種類によって全く異なるので事前に調べておきましょう。古い土を落として、植え替えていきます。
植え替えのポイント
品種によっては寒さに強いものもあって氷点下にも耐え、霜に当たらなければ越冬するものもあります。必ず花鉢についているラベルを確認し、残しておきましょう。
ユーフォルビアの土作り、水やり、肥料の時期と方法とは?
■ 草花や低木
土作り
植え付ける4週間前、腐葉土を庭土に混ぜて寝かせておき、2週間後に地植えなら1平方メートルあたり1握り(100~150g)ほどの苦土石灰を混ぜてさらに寝かせます。外に放置するときは、雨が当たらないようにブルーシートを被せておくと安心です。
草花や低木系のユーフォルビアは、赤玉土(小粒)7:腐葉土3か、赤玉土(小粒)6:腐葉土3:パーライト1の割合で混ぜあわせた土がおすすめです。庭土の3割ほど腐葉土を混ぜるだけでもかまいません。腐葉土だけで水はけが悪い場合は、山砂やパーライトを1〜2割混ぜあわせましょう。
水やり
蒸れに弱いので、土が乾いてからたっぷりと水を与えるようにします。真夏は水切れを起こしやすいので毎日水やりをしますが、土がまだ濡れているようだったら与えないようにすると失敗しませんよ。
肥料
化成肥料を10月頃と3~5月頃の年2回少量施しましょう。液体肥料なら、その期間に1週間1回のペースで与えます。肥料が切れてしまうと葉が黄色く変色するので注意してください。また、気温が高いときに肥料を与えると弱るので、夏に肥料分が残らないように気をつけます。
■ 多肉植物やサボテン
土作り
多肉植物やサボテンのユーフォルビアには、山野草向けの土を使います。市販のサボテン用や多肉植物用の培養土を利用すると簡単。自分で作るときは、赤玉土3:鹿沼土3:軽石3:腐葉土1の割合で混ぜた土など、水はけのよいものが適しています。
水やり
春や夏は、2〜3日に1回ほど土の表面が乾いて少ししてから水やりをします。冬は、さらに土が乾燥してからの期間を長くしましょう。
肥料
肥料を与えすぎると、茎だけが伸びて間延びした姿になるので、生育期でも2〜3ヶ月に1回ほど緩行性の化成肥料を与えるか、液体肥料であれば1ヶ月に1回与えます。冬などの生長がおとろえるときは、肥料は与えなくても大丈夫です。
ユーフォルビアの剪定!時期や方法とは?
草花や低木の場合、伸びすぎた茎や咲き終わった花、枯れた花があればすぐに切り取ります。多肉植物やサボテンであれば、基本的に剪定は不要ですが、1〜2年に1回ほど樹形を整えたいときに、伸びすぎた茎や枝を切り取っていきましょう。
ユーフォルビアの増やし方!挿し木の時期や方法とは?
ユーフォルビアの増やし方は、基本的に種まきか挿し木です。今回は簡単な挿し木のやり方ついてご紹介します。
挿し木、挿し芽
草花や低木のユーフォルビアは、切り口から白い樹液が出るので、切り取った枝の樹液を水でよく洗い流して、赤玉土などに挿して育てます。十分に発根するまでは、土を乾燥させないように気をつけて、明るい日陰か半日陰で管理しましょう。
多肉植物やサボテンの場合は、挿し木から発根まで1〜2ヶ月ほどかかるので、ゆっくり見守るのがポイント。十分に根が生えたら、1回り大きな鉢に植え替えましょう。
土は、赤玉土以外にパーライトや鹿沼土を使っても問題ありません。乾かさないよう頻繁に霧吹きで葉っぱに水を与え、直射日光や風の当たらないところで育ててください。
ユーフォルビアの育て方で注意する病気や害虫は?
ユーフォルビアは、特に梅雨や湿度が高いときはサビ病などの病気にかかりやすくなります。土の水はけと風通しをよくすることが一番の予防です。
病気にかかったときはすぐにその部分を切り取って処分し、殺菌剤を散布します。また、まれにカイガラムシがつくことがあるので、幼虫のときは殺虫剤で退治して、成虫はブラシでこすり落としましょう。
ユーフォルビアを楽しく育てよう
種類によって姿形や生態もさまざまなユーフォルビア。珍しい植物や変わったサボテンを育ててみたい方は、ぜひガーデニングに取り入れてみてください。多少の育て方や性質に違いはありますが、同じ属の仲間であれば寄せ植えの相性もよく、まとめて元気に育てられますよ。
更新日: 2020年11月04日
初回公開日: 2016年04月10日