「有機栽培された野菜」と聞くと、同じ野菜も安全に見えてきませんか?ただ、よく耳にするからこそ、意味が曖昧になっていることもよくあります。そこで今回は。有機栽培でガーデニングをもっと楽しむために、無農薬との違いややり方などについてご紹介します。
有機栽培(有機農業)とは?
有機栽培は、農薬や化学肥料を使わずに、自然の力をいかして野菜などを育てる農業形態の1つです。「有機農業」や「オーガニック農法」ともいわれます。
私たちが購入する野菜や果物に「有機農産物」と表記するためには、平成18年度に定められた「有機農業の推進に関する法律」によって定められたいくつかの条件を満たす必要があります。「種まきをする2年以上前から原則として化学的に合成された農薬や化学合成肥料を使わない」「遺伝子組み換えの種を使わない」などが主だった決まりです。ただし、JASによって定められた31種類の農薬は使ってもいいことになっています。この他にも、近くの畑や使用する水をとる川の上流で農薬が使われていると影響が出ることから、影響を受けないようにある程度の距離をとることや、別の水を取り込む工夫が必要になります。このように様々な条件をクリアし、認定を受けると販売の際に「有機栽培」と表記できるようになります。
有機栽培(有機農業)と無農薬の違いは?
「有機栽培」と「無農薬」は同義だと思っている人も少なくありませんが、実際は大きく違います。無農薬とは、栽培期間中に農薬や化学肥料を使わないことをいいます。つまり、種まきをする2年前からでも土へ農薬が使われている可能性や、遺伝子組み換えの種を使っているといった可能性はあります。そのため、無農薬栽培をうたっていても、有機栽培で作られたというわけではない食品も多くあるんですよ。
有機栽培(有機農業)のむずかしさは?
有機栽培で収穫できた野菜や果物は、健康で安心ですが、どのような点が栽培でむずかしいのでしょうか?まず、日本の気候は高温多湿で、病害虫が発生しやすいことがあげられます。また広大な土地で野菜を育てるためには、雑草の駆除は欠かせません。この2点から、農薬を使ったほうが効率的に作物を栽培できるので、あえて有機栽培をする農家は大変貴重な存在となっています。
有機栽培(有機農業)のメリット、デメリット
メリット
- 農薬や化学合成肥料を浸かっていないので安全性が高い
- 自然に近い状態で栽培されているのでおいしい
デメリット
- 栽培に手間がかかるので、流通しているものが高価
- 農薬を使わないので形が悪いものが多い
有機栽培(有機農業)をするときの 注意点は?
有機栽培では基本的には農薬を使いません。そのため通常の栽培よりも害虫が付きやすくなります。害虫はできるだけ早めに発見して駆除するか、有機栽培に適した自然な殺虫剤をうまく利用していきましょう。また、厳密にいうと近隣の畑で農薬が使われていないことも有機栽培にとっては必要ですが、個人で行うときは神経質にならないことも大切なポイントになってきます。
家庭菜園で有機栽培(有機農業)にチャレンジしてみよう
有機栽培というと、自宅で行うのはハードルが高いイメージがあるかもしれません。ただ、有機栽培は、健康な土で健康に植物を育てる方法でもあります。ご家庭でペットを飼っていたり、小さな子供がいたりするときは、無農薬で野菜を栽培すれば、食卓に出すのも安全安心ですよね。最初からすべてを無農薬、有機肥料で管理するのはむずかしいので、自分のペースでチャレンジしていけたらよいですね。
更新日: 2016年04月29日
初回公開日: 2016年04月29日