独特な香りと風味をもつ春菊は、すき焼きやなべ料理の定番として親しまれるキク科の野菜です。食べるイメージの方が強いですが、きれいな黄色い花を咲かせることから、ヨーロッパでは観賞の対象とされてきたんですよ。
今回は、そんな春菊の栽培について、育て方のポイントや種まき、苗植えの方法などをご紹介します。
シュンギク(春菊)の栽培!種まきの時期と方法は?
3~5月中旬か8月下旬~10月上旬が種まきの適期です。秋に種をまくときは、早めに取り掛かるようにするとうまくいきますよ。
鉢・プランター
10号以上の鉢で3~5株、60cmプランターで8~10株ほどが最終的に栽培する株の目安です。種まき後は3回間引きがあるので苗が混みあわないよう気をつけましょう。また、間引いた芽も捨てず、ベビーリーフとして味噌汁やサラダにくわえるとおいしくいただけます。
- 鉢底石を3cmほど敷く
- 市販の野菜の培養土か赤玉土(小粒)6:腐葉土2:バーミキュライトの割合で混ぜた用土を容器に入れる
- 底から流れるくらい水をかけて湿らせる
- 10~15cm幅で2列、深さ5~8mmのまき溝を土に作る
- 1~2cm間隔で種を筋まきにする
- 薄く覆土する
※風のない場所なら土をかけなくてもよい - 芽が出るまでは土が乾かないように管理する
- 本葉が1~2枚になったら3cm間隔で間引いて生育のよい株を残す
- 本葉が4~5枚になったら5~6cm間隔でよい状態の株を残して間引く
- 草丈が8cmほどになったら、株同士の間隔が6~10cmとれるように間引く
- 間引いた後に、株元に土を寄せておく
地植え
日当たりのよい場所を選び、種まきの4週間前には苦土石灰を入れてよく耕しておきます。そして2週間前になったらと堆肥や油粕、化成肥料を入れて畝を立てましょう。
1列での栽培なら幅30cmの畝の中央に、2列での栽培なら幅60cmの畝を作り、列の間隔は30cmほどとっておきましょう。そして、深さ5mm程度のまき溝を作ったら1cm間隔で種をまきます。
土が乾燥しないようにこまめに水やりをしたら、2~5日で発芽します。
シュンギク(春菊)の育て方!水やり、肥料の与え方は?
水やり
春菊は、乾燥に弱いので土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えましょう。午前や夕方などの涼しい時間帯に行うと、株が蒸れず安心です。
肥料の与え方
2回目の間引きの後に、野菜用の化成肥料を施します。その後、2週間に1回ほど化成肥料を与えるか、水やりを兼ねて週1回ほど液体肥料を施すとよく育ちます。
このとき、株元がぐらついていたり、土が減っていたりするときは土を足してくださいね。
シュンギク(春菊)の収穫の時期と方法は?
春菊の草丈が、20~25cmになったら収穫の適期です。収穫方法には抜き取りタイプと摘み取りタイプの2種があるので、種の袋を確認しておいてください。
抜き取りタイプ
草丈が20~25cmほどになったら、根ごと株を土から引き抜いていきます。
摘み取りタイプ
草丈が20~30cmに生長したら、株元から4~5cmほど残してその先を摘み取りましょう。その後わき芽が伸びてきたら、葉っぱが6~7枚の頃に2~3枚ほど残して何度も収穫を楽しめます。収穫後に肥料を与えると、株の再生を促すことができますよ。
シュンギク(春菊)の栽培で注意する病気や害虫は?
春菊は病気や害虫の被害を受けにくく、無農薬での栽培も可能な野菜です。ただ、寒さには弱く、5度以下になると葉っぱが傷んで生育が悪くなります。
秋に種まきをするときは、ビニールハウスやトンネルなどを作って防寒すると安心です。
シュンギク(春菊)の育て方のポイントは?
種まきのときに土はあまり被せず、育ちやすい気温を保つことが大切です。春菊の生育適温は15~20度で、真冬・真夏を除けば1年中栽培できます。
初めて栽培にチャレンジするときは、春か秋の種まきがおすすめ。また、好光性種子という発芽に光を必要とする種類なので、土をたくさん被せると芽が生えてこないので注意してください。
シュンギク(春菊)は栄養豊富な野菜
春菊は、β-カロテンやビタミンCが豊富に含まれており、ウイルスの侵入を防ぐ働きがある野菜です。「食べる風邪薬」といわれるほど栄養豊富で、風邪の予防にもぴったりです。
注意したい季節に収穫ができるので、栽培を楽しみながら健康的な体作りにも役立てることができそうですね。1~2本だけ収穫せずに株を残しておいて、マーガレットのようなかわいい黄色い
お花を楽しむのもおすすめですよ。
更新日: 2022年05月18日
初回公開日: 2016年05月17日