ムクゲは、古くから日本で栽培されてきた花木で、初心者でも簡単に育てることができます。品種によって様々な色や形の花を咲かせることから、自分好みのものを選べるのも嬉しいポイント。美しい花の姿を見ると、夏の暑さも少し和らぐかもしれませんよ。今回は、挿し木や剪定の時期と方法など、ムクゲの育て方をご紹介します。
ムクゲとは?どんな花?
ムクゲとはアオイ科フヨウ属に分類される植物です。寒さに弱いため日本では夏や秋の花木として知られています。
古くから人々に愛されてきたムクゲは、韓国の国花として認定されています。土質を選ばないので、園芸では育てやすい花木として有名です。
ムクゲの育て方のポイントは?
ムクゲは、日当たりと水はけのよい環境に植え、剪定の時期に気をつけることが元気に育てるポイントです。
日当たりが悪いと花つきが悪くなります。また、春に伸びた枝につく新しい花芽を切り落とさないために、葉っぱが落ちる11~3月に剪定をしましょう。
水はけがよければどんな土でも元気に育ちます。赤玉土(小粒)7:腐葉土3の土か、市販の花木用培養土がおすすめです。
ムクゲの苗植え!鉢植えの時期と方法は?
12~3月に、鉢や地面に植え付けていきます。鉢植えは、苗よりも1~2回り大きな鉢を準備し、根についた土を崩さずに植え付けます。
地植えは、日当たりと水はけのよい場所を選び、苗よりも1回り大きな植え穴を掘ります。鉢植え同様、根についた土は崩さず、丁寧に植えてください。
ムクゲのお手入れ!水やりの仕方や肥料の与え方は?
水やりの仕方
鉢植えは、土が乾いたらたっぷりと水を与えます。
肥料の与え方
植え付け時に、ゆっくりと効く緩効性化成肥料を土に混ぜ込んでおき、7~9月に1回、同様のものを与えて花つきをよくします。そして、12~1月には、骨粉と油かすを混ぜたものを施します。
ムクゲの剪定の時期と方法は?
ムクゲは、春に伸ばした枝に花芽をつけることから、葉っぱが落ちているときに剪定をすることで、花が咲かないという失敗を防ぐことができます。剪定は、11~3月が適期です。
芽吹く力が強いので、どこの枝を切ってもかまいません。樹形のバランスを考え、伸びすぎている枝や混み合っている枝を選んで元から切り落としていきましょう。
また、株元から出てくる若い枝は、樹形を乱すので切り落とします。
ムクゲの植え替えの時期と方法は?
根がよく生え、根詰まりを起こすことから、鉢植えは1~2年に1回、1回り大きな鉢に植え替えます。
植え替えの時期や手順は、植え付け時と同じです。根が傷つくと、生育が悪くなるので、根についた土は崩さないようにしてください。
ムクゲの増やし方!挿し木の時期と方法は?
ムクゲは種まきと挿し木で増やすことができます。種まきは植え付け時と同様の時期と手順で行います。
挿し木は葉っぱが出る前の3~4月が適期です。また、その年に伸びた枝を利用して、5~6月か9~10月にも行えます。
挿し木の方法
- 10~15cm枝を切り取る
- 先端の葉を2~3枚残し、他の葉は切り落とす
- 切り口にルートンなどの植物成長調整剤を塗る
- 赤玉土(小粒)や挿し木用の土を鉢に入れ、枝を挿す
- たっぷりと水を与える
- 土が乾かないよう水やりをし、風の当たらない日陰で管理する
- 1ヶ月ほどで発根し、苗が十分に育ったら、地面や鉢に植え替える
種まきの仕方
花が咲き終わった後についた実から種を採取して、すぐにまくか、涼しい環境で保管し翌年の3~4月にまきます。
- 育苗箱など薄い容器に赤玉土(小粒)を入れる
- 土に種が重ならないようにばらまく
- 軽く土をかぶせ、土が乾かないように水やりをしながら、半日陰で管理する
- 発芽したら、元気のよい苗以外を間引く
- 本葉が4~5枚になったら育苗ポットに移す
- 樹高が10~20cmになったら、鉢や地面に植え替える
ムクゲの育て方で注意する病害虫は?
アブラムシ
春につく新芽につきやすい害虫で、栄養をすいとって植物を弱らせるだけでなく、排泄物がすす病を誘発します。見つけたらすぐに、殺虫剤を散布して駆除していきましょう。
ハダニ
葉っぱに寄生して、かすり状の傷をつけて弱らせる害虫です。水に弱いので、鉢植えは霧吹きで葉っぱに水を吹きかけて予防することができます。見つけたら、薬剤を散布して駆除していきましょう。
大きなムクゲの花を咲かせよう
ムクゲは古くから日本で栽培されていることから、初心者でも扱いやすい花木です。日当たりのよい場所であれば、すくすくと育ちますよ。
また、病気や害虫の心配もありません。庭に花の咲く樹木を植えたいという方は、ムクゲがおすすめです。
更新日: 2021年09月27日
初回公開日: 2015年10月15日