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リンゴ(林檎)を栽培!育て方や花の咲かせ方、種まきや剪定の方法は?

シャリシャリとした食感とさわやかな甘みが特徴のリンゴ。すりおろしてジャムにしたり、薄く切ってパイに加えたりと、スイーツに加えて楽しむこともできます。そんな果物の代表的な存在でありながら、育てるのがむずかしいことでも知られています。今回は、そんなリンゴの栽培方法について、育て方のポイントや種まき、剪定の方法などをご紹介します。

リンゴ(林檎)の育て方のポイントは?

家庭でも栽培しやすい品種を選び、涼しい環境を維持することが大切です。リンゴは、基本的に1本では結実せず、相性のよい2品種以上を近くに植えて育てていきます。ただ、樹高も2m以上と高くなるので、広いスペースを用意するのは大変ですよね。そんなときは、「バレリーナツリー」や「アルプス乙女」といった1本でも実を付ける可能性がある品種を選んでみてください。また、観賞用ということであれば、姫リンゴもおすすめです。2本以上植え付けるときは、授粉の相性を調べてから品種を選ぶようにしましょう。

リンゴ(林檎)の種まきの時期と方法は?

果実から採取した種は、まいて育てることができます。寒さに当てないと発芽しない性質なので、採取したらすぐにはまかず、湿らせた水苔に包んで冷蔵庫で保管してください。そして、2~5月あたりに取り出して、まいていきます。セルトレーに種まき用の土を入れたら、種を1区画に1粒ずつ植えて薄く土を被せます。そして、土が乾かないよう水やりをして管理し、発芽を待ちます。ただ、リンゴは大きな木になるまでに時間がかかるので、接ぎ木に使うか、じっくり育てたい人におすすめです。

リンゴ(林檎)の苗植えの時期と方法は?

リンゴ 林檎

リンゴは、苗から育てはじめるのが一般的です。植え付けの適期は11~3月ですが、真冬は避けたほうが株を傷めず安心です。西日や直射日光に弱いので、やわらかな光が入る場所で育てていきます。

鉢植え

深さが30cm以上ある7~8号鉢に1苗を目安に植え付けていきます。土は、水はけと水もちのよいものなら土質を選びません。赤玉土(小粒)7~8:腐葉土2~3の割合で混ぜた土か、市販の果樹用培養土を使ってください。

  1. 鉢底石を入れる
  2. 鉢の底から1/3~1/2ほどのところまで土を入れる
  3. 苗木を中心に置き、周りに土を入れて株を固定する
  4. 接ぎ木部分が土に隠れて深植えにならないよう注意する
  5. 樹高を70cmくらいに切り戻す
  6. 支柱を苗の横に立て、麻ひもなどで固定する
  7. 鉢の底から流れ出るくらいたっぷりと水を与える

地植え

株同士の間隔が2m以上とれる広いスペースで、水はけと日当たりのよい場所を選んで植え付けていきます。植え穴の大きさは、直径、深さともに50cmくらいが適当です。掘り起こした土5に対して、腐葉土3、赤玉土2の割合で混ぜ合わせ苗木とともに埋め戻していきます。鉢植えと同じように、深植えにならないよう接ぎ木部分が地上に出るようにし、植え付けられたら支柱を立てて支えます。最後はたっぷりと水やりをして植え付け完了です。

リンゴ(林檎)の水やり、肥料の与え方

水やり

地植えは、厳しい暑さが続いたときを除いて、水やりの必要はありません。鉢植えは、土の表面が乾いたら水やりをしていきます。

肥料の与え方

植え付けるタイミングで、土にゆっくりと効く緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。そして、地植えは11~2月の間と9月の年2回に植え付け時と同じ肥料か、有機質肥料を与えます。鉢植えは、さらに5月にも肥料を与えると生育がよくなりますよ。

リンゴ(林檎)の剪定の時期と方法は?

リンゴは、垂れ下がる枝によい実がつきます。また、枝が仕立てやすく、美しい樹形が作れることから、観賞価値が高い果樹でもあります。

植え付けてから2年目の冬、新しく伸びた枝を1/3ほどの長さに切り詰めます。その後は、ひもなどを使って地面と水平になるように枝を生やす「側枝水平仕立て」にしていきましょう。切り戻して樹形を仕立てるなら7~8月、間引きなど軽い剪定は1~2月が適期です。

リンゴ(林檎)の人工授粉の時期と方法は?

リンゴ 林檎

4月中旬頃に花が咲いたら、綿棒や耳かきのふわふわしている部分などを受粉棒として、相性のよい品種同士を授粉させていきます。花粉を受粉棒に付けたら、他の木の花にこすり当てていきます。

花粉は採取してから数日は室温で保存でき、冷蔵庫ならもっと長い間保存がきくので、開花期が違う品種同士も人工授粉させられます。

リンゴ(林檎)の摘果や収穫の時期と方法は?

摘果

花が咲いてから3週間ほどたつと、果実が少しずつ膨らんできます。このときに余分な実を摘み取ることで、残した実に十分栄養が行き渡るようになります。1ヶ所に数個の実が付くので、中心にあるきれいな果実以外はすべて摘み取ってしまいましょう。

収穫

果実がある程度大きくなってきたら、害虫の被害を防ぐために実に袋をかけていきます。かけないときは、殺虫剤を散布して害虫を予防でしていきます。そして、実全体が赤くなってきたら、つけ根をハサミで切り取って収穫してください。収穫した実を食べきれないときは、薄いポリ袋や新聞紙に包んで冷蔵庫で保存すると長持ちします。

リンゴ(林檎)の植え替えの時期と方法は?

リンゴの鉢植えは、2~3年で鉢いっぱいに根が広がってしまうので、植え替えが必要です。11~3月に。1回り大きな鉢に植え替えていきます。鉢から抜き出した株の根に付いた土はよくほぐし、古い根は切り落としてから新しい鉢に移します。

リンゴ(林檎)の栽培で注意する病気や害虫は?

リンゴは、腐らん病、黒星病、ウドンコ病、モニリア病、斑点落葉病などさまざまな病気にかかるほか、シンクイムシの被害にあいやすいです。一度病気にかかった部分は回復しないので、こまめに株をチェックして病気にかかっている部分を見つけたら適時切り取って処分していきます。そして、定期的に薬剤を散布して予防してください。

シンクイムシは、果実や新しく生えた枝に侵入して、食害してしまう害虫です。摘果が終わった実に袋をかけて侵入を防ぐほか、こちらも薬をまいて予防していきます。

リンゴ(林檎)の栽培にチャレンジしよう

リンゴ 実 収穫 木

リンゴは、寒さには強い半面、暑さにはとても弱い果樹です。そのため、風通しのよい環境を準備してあげるほか、日当たりや気温をこまめに管理してあげる必要があります。また、きちんと薬剤を散布しないと、病害虫の被害を受けやすくなっています。初心者にはちょっとハードルが高いです果樹ではありますが、手間暇がかかる分、果実を収穫できたときの喜びは大きいかもしれませんね。家庭菜園や果樹の栽培に慣れてきたら、チャレンジしてみてください。

更新日: 2016年06月15日

初回公開日: 2016年06月15日

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