野菜を広い畑で育てるとき、ちょっと高く土が盛られている様子を見たことはありませんか?これは、畝(うね)と呼ばれるもので、畑の土作りの基本となる作業の1つです。最初はむずかしく感じるかもしれませんが、一度作り方のコツをつかめば、様々な野菜の畑に応用できますよ。今回は、作り方や幅の決め方など畝を立てることについて詳しくまとめました。
畝とは?立てる意味やメリットは?
畝とは、作物のベッドとなる場所で、高く土が盛り上げられた所をいいます。その土の上面に野菜の種をまいたり、苗を植え付けたりします。
畝を立てる意味やメリット
- 作物を育てるスペースと通路などそうでないスペースとの区切りがはっきりする
- 植え付ける作物を畝単位で決められるため、日当たりや肥料など栽培管理が楽になる
- 土地が盛り上がっている分排水される水が増え、水はけがよくなって湿度も下がる
- 根付きやすく、生長しやすい環境になる
畝の種類は?
畝はその高さによって「平畝」と「高畝」の2種類があります。これら2つに明確な定義があるわけではありませんが、高さ5~15cmのものが平畝、高さ20~30cmのものが高畝と呼ばれることが多いです。畝を高くすればするほど、排水される表面積が増えるので水はけはよくなりますが、その分作るのが大変になってきます。
畝を立てる!作り方のポイントは?
畝を作るポイントは、事前に東西に長く伸ばせる場所を選び、しっかりと土を耕してから作りはじめることです。
畝を東西に伸ばすことで、東から西へ動く太陽から作物がまんべんなく光を受けることができるようになります。これなら、背丈の違う作物でも日光の量を心配せずにすみます。また、しっかりと土を耕しておくことでふかふかになり、根をはりやすくなります。
畝の作り方は?
道具
- スコップ(パイプショベル)
- 鋤
- 鍬
- メジャー
- 紐
- カッターかハサミ
- アメリカンレーキや角材
- 支柱か割り箸
- ガーデニング用手袋
畝の立て方
- 作る畝の幅と高さを決める
- 畝を作る場所の四方に支柱や割り箸を立て、周囲に紐を張る
- 紐の内側の土を鋤やスコップ、鍬を使って作る畝の高さと同じ深さに掘って耕す
- 掘り起こした土にある雑草の根や石など余計なものは手で取り除く
- 苦土石灰や堆肥、腐葉土、肥料などを土に適切なタイミングで加え、よく混ぜあわせておく
- 畝の幅を意識しながら、紐の両端から中心へと土を盛っていく
- 土が必要な高さまで盛り上がったら、アメリカンレーキや角材で表面を平らにする
※畝の断面がかまぼこのように丸みがあると水はけがよくなる - 畝の表面に凸凹がないか確認できたら、周囲の紐を外して完成
畝を作るときの幅の決め方は?
畝の幅は、育てる作物の幅に合わせて変えていくのが基本です。例えば、1つの株に対して60cm前後の幅が植え付けるために必要で、株同士の間隔も60cmくらい必要な場合、2列で作物を育てるための畝の幅は、最低でも120cmはなくてはならないことになります。育てる作物に必要な幅は、事前に調べておくと安心です。だいたい畝の幅が1m前後、高さ10~15cm、通路幅30cm以上であれば、多くの作物を栽培できる汎用的な畝になりますよ。また、マルチをするときは表面にマルチをかけることが多いです。そのため、マルチにおさまるように畝の幅を決めてしまうのも1つの方法です。
畝を何度も立てて作り方をマスターしよう
畝を作るのは野菜作りの醍醐味ではありますが、はじめのうちは道具の扱い方も不慣れで、畝を立てるだけ疲れてしまうこともあるくらい大変。ただ、一度慣れてしまえば、それぞれの作物が育ちやすい畝を作れるようになります。ふかふかな土なら、収穫した作物の味わいも増していきますよ。ぜひ、家庭菜園を楽しまれる人なら、一度は畝作りにチャレンジしてみてください。
更新日: 2016年05月11日
初回公開日: 2016年05月11日