甘い香りの花を咲かせるロウバイ。多くの植物が枯れる冬に、庭やベランダに彩りを添えてくれる花木です。蝋のような質感と梅を思わせる小さな花がその名の由来で、古くから日本で栽培されてきました。今回は、そんなロウバイの育て方について、剪定や挿し木の時期と方法などをご紹介します。
ロウバイ(蝋梅)の育て方のポイントは?
日当たりと水はけのよい場所で育て、11~3月に剪定をして姿を整えていくことがポイントです。ロウバイは耐寒性が高く、初心者でも育てやすい樹木です。ただ、花芽を6月に付けるので、間違った時期に剪定をしていると花が咲かなくなってしまうので注意してください。
ロウバイ(蝋梅)の苗植えの時期と方法は?
植え付けは真冬を除く落葉期である11〜12月または2月中旬〜3月に行います。関東より西の温かい地域であれば、11月〜3月のいつでもかまいません。半日陰から日なたの場所が育てるのに適しています。
鉢植え
低木とはいえ2mほどに生長するので、深さが30cm以上ある10号鉢に植えていきます。土は、赤玉土(小粒)6~7:腐葉土3~4の割合で混ぜた水はけのよいものがおすすめです。
- 鉢底石を入れる
- 鉢の1/3ほど土を入れる
- 根に付いた土を軽くほぐしながら苗を置く
- 周りに土を入れて株を安定させる
- たっぷりと水やりをする
- 土を棒でつつき、根となじませる
- ぐらつくようなら支柱を立てて支える
地植え
日当たりと水はけのよい場所を選んで、幅と深さが苗の2倍くらいの植え穴を掘ります。そして、鉢植えと同じ手順で植えていきます。土の水はけが気になるようなら、腐葉土や完熟堆肥を掘りあげた土に混ぜ込んでおくとよいですよ。
ロウバイ(蝋梅)の水やり、肥料の与え方
水やり
土が常に湿った状態だと、根腐れを起こしてしまいます。地植えは特別に水やりをすることはありません。鉢植えは、土の表面が乾いたら水やりをしてください。ただ、根付くまでは乾燥させない方がよいので、植え付けから2週間の間は、ワラや不織布などで株元を覆っておくと安心です。
肥料の与え方
毎年、花が咲き終わった2~3月、生長期の8~9月に緩効性化成肥料や固形の油かすなどの有機肥料を株元に施します。窒素分の多い肥料は、枝葉ばかりが茂り、間延びした姿になるので、施す前に肥料成分はチェックしておきます。
ロウバイ(蝋梅)の剪定の時期と方法は?
ロウバイは、樹齢があがるにつれて自然と樹形が整っていきます。若木のときは強い剪定をしていきますが、その後は枝を間引くくらいの剪定でかまいません。また、その年に伸びた枝へ、6月頃花芽を付けるので、11~3月の間に剪定はすませておきます。
基本的に、枯れた枝や伸びすぎた枝を切り揃えていきます。また、幹に日が当たるよう内向きの枝を剪定すると、生育がよくなります。
ロウバイ(蝋梅)の植え替えの時期と方法は?
ロウバイは植え替えを嫌うので、一度植え付けた場所から移動しないようにします。ただ、鉢植えは鉢の中が根でいっぱいになってしまうので、毎年11~12月か2~3月の間に1周り大きな鉢へ植え替えます。
このとき、根を切り揃えてから植え直す「根回し」をすると、新しい土でも根付きやすくなりますよ。生長が早く、鉢に収まらなくなってきたら、地植えも検討してみてください。
ロウバイ(蝋梅)の増やし方!挿し木や種まきの時期と方法は?
ロウバイは、挿し木や種まきで株の数を増やすことができます。ただ、挿し木は発根する確率が低く、むずかしいです。そのため、じっくり育てるのが好きな方なら、種まきの方が簡単です。
挿し木
6月にやわらかい枝を選んで10~15cmの長さに切り取ります。そして、切り口に発根促進剤を塗ってから、赤玉土(小粒)など清潔な土に挿していきます。根が生えるまでは、土が乾かないよう管理してください。
種まき
夏~秋に付いた果実から種を採取して育てていきます。赤玉土(小粒)や市販の種まき用培養土を使います。
- 育苗ポットに土を入れる
- 指で種の3倍くらいの深さがある穴を土に空ける
- 種を上、土を被せる
- 土が乾かないよう水やりをして発芽をまつ
- 春に発芽し、本葉が3~5枚生えたら1周り大きな鉢に植え替える
- 2~3年で30~60cmに生長する
ロウバイ(蝋梅)は栽培の簡単な花木
ロウバイは、特に病気や害虫の心配がない、丈夫で育てやすい花木です。他に花の咲かない時期に、鮮やかな黄色い花を咲かせて見ている人を楽しませてくれます。また、豊かな甘い香りも魅力的。手軽に育てられる花木を探している方は、ぜひロウバイをチョイスしてみてくださいね。
更新日: 2022年02月16日
初回公開日: 2016年07月08日