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アスプレニウム(オオタニワタリ)の育て方|室内で育てるコツは?

フラワーアレンジメントの花材として利用されることも多いアスプレニウム。シダ植物の仲間で種類が多く、大小さまざまなサイズがあります。観葉植物としてお部屋の彩りに加えると、一風変わった雰囲気になりますよ。今回は、そんなアスプレニウムの育て方についてご紹介します。

アスプレニウム(オオタニワタリ)とはどんな観葉植物?

アスプレニウム プリカツム
学名
Asplenium
科・属名
チャセンシダ科・チャセンシダ属
英名
Asplenium
原産地
世界中の熱帯〜寒帯
開花期
花の色
別名
アビス
オオタニワタリ
ニドゥス
シマタニワタリ

アスプレニウムとは、チャセンシダ科チャセンシダ属に分類される常緑性のシダ植物です。世界中に700を越す種類が分布しています。中には、日本に自生している種類もあり、観葉植物や花材として楽しまれます。

背丈は0.05〜1.5mと種類によってさまざまです。また、葉っぱの裏につく細い胞子嚢が、葉脈の左右に整列しているという共通点以外は、見た目や生体も種類によってことなります。

観葉植物として育てられるものは、縁が波打っている葉っぱを放射状に生やすものが多く、熱帯の雰囲気を演出してくれます。

アスプレニウム(オオタニワタリ)の観葉植物として知られる種類や品種は?

オオタニワタリ

日本南部から台湾を原産とするアスプレニウムの1種で、木の幹に着生して育ちます。波打った昆布のような形の葉を、放射状に豪快に広げます。

台湾では、オオタニワタリを食べる習慣があり、市場で野菜として売られています。沖縄や石垣島でもやわらかい新芽の部分が食べられているんですよ。

シマオオタニワタリ(ニドゥス)

オオタニワタリとともに日本を原産とするアスプレニウムの1種です。観葉植物としては、「アビス」という園芸品種がよく出回っています。葉っぱは幅3cmと他のものよりも広いですが、長さが1m前後にしかならず、扱いやすいと人気です。

アスプレニウム・ブルビフェルム

オーストラリアとニュージーランドを原産とする品種です。「マザーファーン」という別名でも流通しています。細い葉っぱを茎にたくさん生やす姿がシダ植物らしく、繊細な雰囲気を帯びています。

アスプレニウム・ダウキフォリウム

モーリシャス諸島が原産の種類です。見た目も似ていることから、ブルビフェルムとともに「マザーファーン」の愛称で親しまれています。

アスプレニウム(オオタニワタリ)の鉢を購入したときの置き場所は?

アスプレニウム プリカツム

観葉植物として販売されているアスプレニウムは、すでにちょうどよい鉢に植えられていることが多いです。そのため、購入したらすぐに飾って楽しめます。

アスプレニウムはシダ植物なので、強い日差しが苦手です。室内ならレースのカーテン越しの窓辺、室外なら午前中だけ日差しの当たる場所に置いてあげましょう。

アスプレニウムの育て方!水やりや肥料の与え方は?

水やり

アスプレニウムは湿度の高い環境を好みます。そのため、4〜10月の成長期は、土の表面が乾いたら鉢の底から流れ出るくらい水やりをしていきましょう。エアコンの風が直接あたり、乾燥すると生長が止まるので注意してください。

一方、11〜3月の気温が低い時期は生長がにぶる休眠期になり、水やりの頻度は下がります。土の表面が乾いて2〜3日空けてから水やりをするくらいでかまいません。土は乾いていないけれど、葉っぱが乾燥しているときは、霧吹きで葉っぱに水を吹きかけると元気になりますよ。

肥料の与え方

4〜10月の生長期の間は、定期的に肥料を施します。粒状の化成肥料であれば2ヶ月に1回、液体肥料なら10〜15日に1回のペースで与えていきましょう。

アスプレニウム(オオタニワタリ)の栽培で注意する病気や害虫は?

シダ植物は湿度の高い環境を好むことから、その環境を好むカイガラムシやハダニ、ナメクジといった害虫の被害にあうことがあります。ハダニは、葉っぱに霧吹きで水を吹きかけるだけでも予防できます。

ナメクジは、屋外に鉢を置いていると被害にあうことが多いです。心配な場合は室内で育てるようにし、葉や根を食べられてしまったときはナメクジ用の殺虫剤で駆除していきましょう。

カイガラムシは、薬剤がききにくいので、見つけたら歯ブラシなどで株から引き剥がしてください。

アスプレニウム(オオタニワタリ)はどうやって冬を越せばよいの?

アスプレニウムは、もともと熱帯に自生しているものが多いので、冬の寒さは苦手です。気温が5度以下になってしまうと、弱ってしまいます。

10月末になり、冷たい風が吹いてきたら、屋外で管理しているものは室内に取り込みましょう。

室内に置いているものであっても、朝晩の窓辺は冷たい空気が流れ込んでくる可能性があります。日当たりの確保を意識しながら、お部屋の内側に置いてあげると安心です。

アスプレニウム(オオタニワタリ)の植え替えの時期と準備するものは?

アスプレニウム プリカツム

アスプレニウムは、1年中緑の葉っぱを茂らせているので変化がわかりづらいものですが、少しずつ生長しています。同じ鉢で2〜3年育て続けていると、鉢の中は根がいっぱいになってきます。鉢の底を見て、根が飛び出しているなら植え替えのサインなので、5〜7月に植え替えをしましょう。

このときに準備するのは、「株よりも一回り大きな鉢」「鉢底ネット」「鉢底石」「観葉植物用の土」の4点です。自分で土を配合するときは、赤玉土(小粒)5:腐葉土3:川砂2の割合で混ぜ合わせたものを使ってください。

アスプレニウム(オオタニワタリ)の植え替えの手順

  1. 枯れていたり、多すぎるしたの方の葉っぱを2割ほど切り落とす
  2. 鉢からアスプレニウムの株を抜き出す
  3. 根に付いた土をほぐす
  4. 土が硬いときは、割り箸やマイナスドライバーなどで砕く
  5. 鉢の底穴に鉢底ネットを敷く
  6. 鉢の底面に鉢底石を敷き詰める
  7. 鉢の1/3ほど入れる
  8. 鉢の中心に株を置く
  9. 鉢の縁から下2〜3cmのところに土を入れて株を安定させる
  10. たっぷりと水やりをする

アスプレニウムをもっと楽しむ増やし方は?

アスプレニウムは本来胞子を飛ばして数を増やしますが、一般家庭ではむずかしいものです。そのため、株分けで数を増やしていきます。植え替えるとき、株が大きいようなら株分けに以下の手順でチャレンジしてみてください。

  1. 土から株を抜き出す
  2. 均等に葉っぱがつくよう、根を2〜4分間する
  3. それぞれを植え替えで準備したのと同じ土に植える
  4. たっぷりと水やりをする
  5. 鉢ごとポリ袋で多い、明るい日陰で管理する
  6. 2〜3ヶ月たち、新しい根と芽が生えてきたらポリ袋を取り除いて通常通り育てる

アスプレニウム(オオタニワタリ)は観葉植物のような育て方が楽しめる

オオタニワタリ ハンギング

アスプレニウムは大きく雄大に育つ姿がユニークな植物です。水やりの頻度には少し違いがありますが、管理は観葉植物とほぼ同じ。剪定などの手間がかからない分、おうちにはじめて取り入れる植物にも向いています。

フサフサの葉っぱを生やす種類であれば、ハンギング仕立てにできるなど、楽しみ方の幅も広いです。自分好みのアレンジでお部屋に取り入れてみてくださいね。

更新日: 2020年12月01日

初回公開日: 2020年12月01日

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