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アロエの種類|食用と薬用の違いは?効果・効能は?

アロエは古くから世界各地の家庭で利用され、身近な薬草として親しまれてきました。日本人にとっても見慣れた多肉植物で、一般の家庭でも栽培されています。今回は、そんなアロエの種類や効能、花言葉などについてまとめました。

アロエの花言葉

アロエの画像

『健康』『信頼』『万能』

「健康」「万能」という花言葉は、アロエが民間薬として古くから用いられてきた効果・効能に由来します。その昔、クレオパトラは若さと美貌を保つために、アロエの絞り汁を化粧水として愛用し、コロンブスは長い航海で乗組員たちの健康を守るために船に積んでいたといわれています。

アロエの花の色や別名は?

アロエ 花
学名
Aloe
科・属名
ススノキ科アロエ属
英名
Aloe
原産地
南アフリカ・マダガスカルなど
開花期
12~2月 ※不定期
花の色
赤、オレンジ、黄色、複色
別名
蘆薈(ロカイ/ルーホエ)

アロエは、トゲのある肉厚の葉をつける多肉植物です。南アフリカを中心に、砂漠や草原などに400種ほどが分布しています。暑さや寒さに耐えられる強い性質をもつことから、植物をはじめて扱う方でも育てやすいですよ。一般的には、薬に用いられるキダチアロエや、食用として用いられるアロエ・ベラが知られています。

アロエという名前は、アラビア語で苦味を意味する「alloeh(アロッホ)」に由来し、食べると舌がしびれるような感覚があります。

アロエの種類は?

アロエ 鉢

アロエは大きく分けて「食用・薬用に適した品種」と、「美しい斑のある鑑賞用の品種」が存在します。前者は太い葉をもつ大型種で、後者は家でも育てやすい小型種を指します。中には、変わった和名や流通名のついたものがたくさんありますよ。

アロエ・ベラ

食用にするのは本種で、ベラはラテン語で「真の」という意味があることから、「本アロエ」「本蘆薈」とも呼ばれています。

キダチアロエ(アロエ・アルボレッセンス)

「医者いらず」の別名で古くから日本でも民間薬として親しまれてきた種類です。茎が伸びて立ち上がることが名前の由来です。アロエ・ベラと並んで日本で最も栽培されている種類の1つですが、現在はワシントン条約によって輸出入が制限されています。

アロエ・ノビリス/不夜城

「不夜城」という流通名の怖いイメージとは裏腹に、濃緑の葉と黄斑、そのふちをぐるりと囲むように生えた白いトゲのコントラストが美しい斑入り品種です。緑の部分が多いもの、幅の広い縞斑の入ったものとバリエーションがたくさんあります。

アロエ ヴァリエガク/千代田錦(ちよだにしき)

観賞用アロエの中で特に人気の高い種類です。すっと上を向いた葉と、点状の白斑が特徴で、春になると薄紅色の愛らしい花をつけます。茎に近い部分は白っぽく、葉先にいくほど緑色を増すグラデーションが美しいですよ。

アロエ・スノーホワイト

深緑をベースに、淡黄斑の入った白系交配種です。光の粒が流れた斑は、ずっと眺めていても飽きることがありません。「スノーフレーク」「スーパースノーフレーク」「スノーフォックス」とも呼ばれます。

アロエ・アリスタータ/綾錦(あやにしき)

みずみずしい緑の葉表皮に散った小さな白斑が特長です。耐寒性、耐暑性ともに優れ、初心者でも育てやすい種類です。

アロエ・サポナリア/明鱗錦(めいりんにしき)

すりつぶした葉に水を加えると石鹸のように泡立つことから、「シャボンアロエ」という別名をもっています。扁平で大きな葉は薬用として利用できるだけでなく、食用できます。

アロエ ストリアータ/慈光錦(じこうにしき)

トゲのないふっくらとした葉が特長の、全体的に丸みを帯びた種類です。「アロエの女王」「くちびるアロエ」とも呼ばれ、春になるとサンゴ色をした花を咲かせます。

アロエ・クラビフローラ/雪女

「ステンレスアロエ」という別名をもつほど硬く、トゲのまばらな肉厚の葉が特徴です。葉はおしろいをはたいたように白っぽく、その涼しげな雰囲気から「雪女」の流通名をもっています。

アロエ・ジュクンダ

「ユクンダ」ともいわれる小型種です。ツヤのある表皮には白斑があり、放射線状に葉を広げます。地植えにすると群生し、小鉢に植えるとパイナップルのヘタのような姿を楽しませてくれますよ。

アロエの食用と薬用の種類と、効果・効能は?

キダチアロエ

キダチアロエは、紀元前の頃から薬用に用いられ、エジプトでは「不滅の植物」と呼ばれ重用されていました。また、日本でも「蘆薈(ロカイ)」の名で、生薬として漢方医に用いられてきました。現代でもその薬効に関しては研究が続けられており、苦味の元となるアロインには健胃作用や便秘解消などの働きがあることがわかっています。

また、アロエに含まれるアントラキノン系成分や多糖体、糖タンパクなどの作用によって、保湿や抗菌、消炎効果があるとされ、傷や火傷、虫さされの外用薬としても使われます。ただし、全てのアロエにこの効果があるわけではなく、観賞用の種類にはほぼ薬効はないとされているので注意してください。

また、食用とされるのはアロエ・ベラという種類です。皮をむくと、中にゼラチン質の葉肉があり、シロップ漬けやヨーグルトに加えて食べられます。苦味はなく、皮膚の健康を維持するビタミンC、E、B12、ベータカロテンといった栄養素を豊富に含んでいます。

アロエは種類が豊富な多肉植物

多肉植物アロエの画像

この他にも、葉先の丸い「月明かり」、こげ茶色の「チョコレート」、砂糖をまぶしたような「黒砂糖」など、アロエは個性豊かな種類が多い多肉植物です。それぞれの特徴をうまくとらえた流通名も面白いですよね。

育てるのも簡単なので、気に入った見た目の種類を選んで、お部屋に1つ飾ってみてください。

更新日: 2021年01月20日

初回公開日: 2015年08月08日

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