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アザミの育て方|種まきの時期や方法、栽培のコツは?

触るととげが刺さって痛いアザミ。しかし濃いピンクで野山でも見つけやすく美しい色をした花です。今回はアザミの育て方についてご紹介します。アーティチョークやアゲラタムなどアザミ属の園芸品種も多数出回っており、それらの育て方も参考にしながら土づくりや種まき、施肥などをおこないましょう。

アザミとは?

アザミ

アザミは北アメリカおよび東アジア、地中海沿岸暖地から寒帯まで幅広く生育しているキク科の植物です。日当たりのよい畑や草原、乾燥地帯、海岸などでよく見かけられますが、湿気の多い森林内ではあまり見られません。

その種類は多く世界中で約250種、日本だけでも70~80種以上が海岸から高山帯にかけて幅広い地域に生育しています。花の特徴としては、葉や茎に鋭いとげを持っていることです。

「アザミ」という名前は、傷つける意味の「欺(あざむ)く」などが元になっており、花を無理に折ろうとするととげに刺されて驚くという意味が由来しているともいわれています。

アザミは頭花と呼ばれる茎のてっぺんに咲く花は、多数の小花が集まり一つの花になっています。春に咲くノアザミを除いては、すべて秋に咲きます。葉は深い切れ込みのあるものが多く、とげもあるので、素手で触ると刺さって痛いです。

アザミの育て方!土づくりのコツは?

アザミ属の園芸品種の一つに「アーティチョーク」があります。その植物の生育方法と同じように栽培環境を整えていくとよいでしょう。

まずは土づくりからですが、アザミ属の植物の多くは有機質がたっぷり含まれた肥沃な土を好みます。お庭に地植えする場合は、腐葉土を混ぜた庭土に植え付けるとよいでしょう。鉢植えの場合は、花や庭木用の培養土を用いるか、腐葉土に赤玉土の小粒を半量ほど混ぜたもの、もしくは赤玉土(小粒)6:腐葉土3:川砂1などに緩効性化成肥料を少量混ぜたものを用いて植え付けます。

アザミの育て方!種まきの方法は?

アザミの種は春、もしくは秋にまきます。ノアザミは春から秋にかけて種まきしますが、「フジアザミ」や「ナンブアザミ」など品種によっては7月以降から9月、10月頃にかけて種まきをします。

秋まきの場合の注意点は、霜が降りるまでに十分に根を張らすこと。まき時期が遅くならないようにしましょう。春播きの場合は3月下旬~4月頃にかけて播きます。

種まきの方法としては、直にそのまま蒔くよりも、育苗箱やポットを用いて、種まきします。

種は1か所に3~4粒まき、種まき後は5mm程土を被せます。種まきの直後に水やりをすると種が急激に吸水して発芽が悪くなることがありますので、あらかじめ用土を少し湿らせておいて、種まきした翌日に水やりをするとよいです。発芽してきたら、混み合った部分は間引きしながら、本葉5枚ぐらいになってから植え付けましょう。

苗があまり大きくなりすぎると根つきにくくなるので、植え付けのタイミングを逃さないようにしましょう。

アザミの育て方!日当たりや置き場所は?

アゲラタム カッコウアザミ

1年を通して日当たりや風通しのよい場所に置きましょう。冬の寒さには強いほうなので、冬場0度を下回るような寒冷地を除いては、冬越しは比較的しやすいです。

場合によっては、地面が凍ったり霜にあたって株が傷むことがありますので、厳寒期には腐葉土や敷きワラなどを株元に敷くなどして、まわりの土を株元に寄せて土が凍結しないように防寒しましょう。

アザミの育て方!水やりのコツは?

生育期に土が乾燥しすぎると、生育が衰えたり、途中で枯れてしまったりすることがありますので、株元の土をさわって乾いている場合は、たっぷりと水やりをしましょう。

鉢植えの場合は、鉢底から水が滴れるまでやります。しかし反対に水をやりすぎると過湿状態になり、根腐れを起こしてしまうこともありますので注意しましょう。春~夏にかけてはアザミの成長期ですので、しっかりと水やりします。乾燥に強い植物ですが、乾燥しすぎもよくありません。

また秋以降は気温も下がるので、水やりの頻度を減らし、乾燥気味で管理するとよいでしょう。ところでアザミの品種の中でも「キセルアザミ」については、湿地性のアザミで、水を好み乾燥に弱い性質ありますので、水をしっかりとやり、腰水にするなどして常に乾燥を防ぐようにします。

アザミの育て方!肥料の与え方は?

アザミの植え付け前に、培養土に堆肥と油かすを適量混ぜ込んでおきます。リン酸とカリ肥料を元肥として与える程度で、チッソ肥料は与えすぎると徒長しやすくなりますので控えめにします。

植え付け後は追肥として5月~6月に化成肥料を月に1回ずつ与えます(2か月で2回)。生育を見て順調そうであれば、追肥時期であっても、無理に追肥する必要はありません。鉢植えの場合は、生育期に液体肥料を2週間に1回の割合で与えるとよいでしょう。

アザミの育て方!注意すべき病害虫と対策法は?

アザミ

アザミは、病害虫があまり発生するほうではありませんが、まれにウドン粉病にかかることがあります。ウドン粉病は、日照不足や風通しが悪いのが原因です。そのままにしておくと、植物全体が弱ってしまうので、見つけたら早めに殺虫剤をまいて発生を抑えましょう。

また害虫では、アブラムシが茎や葉から汁を吸ったり、ナメクジに葉を食べられてしまうことがあります。殺虫剤を散布したり、誘引剤を株元に置いたりするなど見つけ次第駆除したりするなど早めの対策を取りましょう。

アザミの植え替え方法は?

アザミ 植え替え

アザミについては特に植え替えは必要ありません。ただ生育中に大きくなりますので、鉢植えの場合は5号~6号鉢(直径15cm~18cm)の鉢に1株を目安に植え付けます。

アザミの増やし方は?

チョウセンアザミ

基本的には種まきで増やします。花が咲いたあとに採種し、乾燥させてから適期に蒔くと増やせます。

アザミの育て方のポイント?

アゲラタム カッコウアザミ

アザミの日常の手入れや育て方ポイントとしては、茎が伸びてきたら支柱をして倒れにくくすることや、摘芯して高さを抑え、枝数を増やしながら花数も増やすなどの作業が必要になります。

アザミを育ててみよう

アザミ

乾燥にも比較的強く、病害虫の被害も少ないアザミ。花色が濃いめなのでで秋の花壇やお庭の色だしにもピッタリです。他の山野草と一緒に鉢植えで育ててみてはいかがでしょうか?

更新日: 2021年09月29日

初回公開日: 2020年07月07日

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