ガーデニングの楽しみの1つといえば生垣。針葉樹や広葉樹を植え、庭を囲んだり、目隠しになったり、ガーデニングの背景を飾るなどの役割が生垣にはあります。庭の雰囲気に合わせて、樹木の高さや雰囲気などを考えて選ぶのがおすすめですよ。
今回は、人気の高い生垣の種類について、低木や目隠し、洋風や和風などの特徴別に10種をご紹介します。
色々な生垣の種類を楽しもう!
生垣には、防風に役立つもの、日陰や半日陰に向くもの、潮風に耐えられるものなど、用途や目的に合わせた樹木は数多くあります。
植えるとき、樹木の好む環境を調べておくと、長い間育てて楽しむことができますよ。
1. アカバメギ/低木
アカバメギは、メギ科メギ属の落葉低木です。
葉っぱは紅紫色で、秋にはオレンジや赤に紅葉します。カラフルな生垣の樹木として人気があり、「コトリトマラズ」という別名でも親しまれています。
枝には、細くて鋭いトゲがあるので、敷地への侵入防止効果も期待できます。
刈り込みを5月下旬~7月上旬か9~10月頃に行いますが、生長速度は遅いので、伸びすぎた部分を軽く刈り込む程度で十分と手入れが楽なことが特徴です。
病害虫に強く、被害の心配がないことも安心ですよ。
2. ロニセラ・ニティダ/低木
ロニセラ・ニティダは、グランドカバーとして用いられることも多い落葉性の低木です。特徴は、15~40cmと樹高が低いこと。
高さがないので、生垣の縁取りや低い生垣を作りたいときに活用しやすいですよ。また、葉っぱが細かく、刈り込みやすいので、自分好みの生垣に仕立てられます。
5月下旬~7月上旬か、9月~10月が刈り込み適期です。特に気をつける病害虫はありませんが、品種によっては、強い日差しでは葉焼けを起こすことがあるので注意してください。
3. サンゴジュ/目隠し
サンゴジュは、ガマズミ属に分類される広葉樹です。常緑で光沢のある葉っぱが密生させ、樹高は7~8mに生長することから、目隠し用の生垣に最適です。
また、秋には葉の間にたくさんの赤い実をつける姿も美しいですよ。
栽培するときは、サンゴジュハムシに注意が必要です。幼虫は葉っぱに穴を開け、成虫は丸坊主になるほど葉っぱを食い荒らしてしまいます。
5月と7月の年2回発生しやすいので、薬剤を散布して、予防と駆除をしてください。
4. コノテガシワ・エレガンティシマ/目隠し
コノテガシワ・エレガンティシマは、コニファーのような見た目の樹高3~5mに生長するヒノキ科の常緑針葉樹です。
樹高の割に横に広がらず、比較的コンパクトなことから、数本を横並びに植えるとまとまりのある生垣になりますよ。
上に伸びる性質が強いので、十分な高さに生長したら、摘心をして樹高を止めてしますことがきれいに育てるポイント。
5月下旬~7月上旬か9月中旬~10月に軽く枝を刈り込めば、それほど樹形は乱れずにすみます。
5. カロライナジャスミン/洋風
カロライナジャスミンは、春に咲かせる黄色の花からジャスミンのようなやさしい香りがする樹木です。
つる性なので、フェンスやトレリスなどに巻き付きながら生長し、密に枝葉を茂らせるので、目隠し効果が高く、洋風のおしゃれな庭を作ることができますよ。
放っておくとつるが伸びすぎ、樹形が乱れてしまいます。適宜伸びすぎたつるを切り戻していきましょう。1/2~2/3ほどまで切り詰めてしまっても、生育が旺盛なのでどんどんつるを伸ばします。
また、摘心をして脇芽を生やすと、きれいに株が茂ります。
6. シルバープリペット/洋風
シルバープリペットは、モクセイ科に分類される低木です。気温の高い地域ではあまり葉っぱを落とさないことから、常緑樹として扱われます。
枝先にたくさんの白い斑の入った葉っぱを茂らせている姿が上品で、洋風な庭をやさしい雰囲気にしてくれます。また、春には香りのよい白い小花を穂状につけ、美しい姿を楽しむことも可能です。
冬の寒さや夏の暑さに強く、水も降雨だけでかまわないことから、初心者でも簡単に育てられる庭木となっています。軽めの刈り込みで、自然な樹形に仕立てていきましょう。
7. 寒椿(カンツバキ)/和風
寒椿は、ツバキ科に分類される常緑性の低木です。
横に広がる性質があり、樹高は1~3mに生長します。冬になると山茶花に似たピンク色の花を咲かせ、寂しくなった庭を上品に彩ってくれます。
また、ツヤのある鮮やかな緑色の葉っぱも和の雰囲気があり、垣根におすすめです。花が枝先につくので、花が咲き終わった後に軽く刈り込むくらいの剪定で手入れは十分ですよ。
ツバキ同様、チャドクガやモチ病に注意してくださいね。
8. チャノキ/和風
チャノキは、元々はお茶を収穫するため栽培されていましたが、刈り込むと枝葉が密生する特徴を生かして、垣根にして楽しむことができる常緑性の広葉樹です。
芽吹く力が強いので、自由な形に仕立てて楽しむことができます。
刈り込みに耐え、萌芽力が大きいので、自由な形に仕立てることができます。春の芽吹く前に、好みの樹形にしておけば、それほど手間はかかりません。
9. チャイニーズホーリー/寒冷地
チャイニーズホーリーは、寒い場所でも無理なく育つ常緑性の中木です。
11~3月頃まで赤い実をつけ、園芸上は同じモチノキ科のセイヨウヒイラギとともに、「クリスマスホーリー」という名前でよく流通しています。
生長が遅いので、低い生垣を作りたいときに最適です。雌雄異株で、雌株にしか実はつきません。実を観賞したいなら、雌株を選ぶようにしましょう。
また、日光が足りないと実つきが悪くなるので、日当たりのよい場所で育ててください。
10. ニッコウヒバ(オウゴンシノブヒバ)/寒冷地
ニッコウヒバは、葉っぱが金色に見えることから、「オウゴンシノブヒバ」とも呼ばれる常緑性の針葉樹です。幹をまっすぐ上に伸ばし、大きいものだと樹高12mほどに生長します。
寒さに強く、北海道以南であればどんな環境でも元気に育ってくれますよ。
強く刈り込みすぎると、枝枯れを起こすことがあります。日当たりがよいほど、葉っぱが黄金色になるので、明るい場所に植え付けましょう。
他にも生垣にも映えるおしゃれな庭木に注目!
庭木は何年もかけて少しずつ大きくなるので、植えたら完成というものではありません。
今回ご紹介した以外にも、洋風の庭に似合うユーカリやシマトネリコ、葉がスパイスとしても使える月桂樹も人気が高い種類です。
長く付き合う植物だからお気に入りを見つけましょう。
更新日: 2021年09月29日
初回公開日: 2016年01月01日