お盆の頃に見かける真っ赤な実が印象的なホオズキ。提灯のような見た目で、死者の霊を導く役目を果たします。日本で古くから親しまれることから育てやすく、初心者でもチャレンジしやすいですよ。今回は種まきや苗植えの時期と方法など、ホオズキの育て方をご紹介します。
ホオズキ(鬼灯)とはどんな植物?
ホオズキとは、ホオズキ属に分類される多年草の総称です。
赤いちょうちんのような姿が特徴的でその名前がついたとされるホオズキは、5〜6月頃になると花を咲かせ、8月頃になるとガクが生長して花や果実を包み込むようになって朱色に色づきます。
ホオズキ(鬼灯)の育て方のポイントは?
ホオズキを上手に育てるには、少し水持ちがよく、栄養のある土を利用するのがポイントです。
反対にナスやピーマン、トマトやペチュニアなどナス科の植物を過去に育てた土で育てると枯れてしまうので注意してください。
ホオズキ(鬼灯)の種まき、苗植えの時期と方法は?
3~4月が苗を植える適期です。市販の草花用培養土を用意して鉢に入れます。鉢は6号鉢にホオズキの苗5~6本ほどが目安で、苗を植えたあとは日当たりのよい場所で管理してください。
発芽適温が25度以上なので、種まきは4月中旬~5月上旬が適期です。実がなるまでに2~3年はかかります。
種まきの手順
1. 赤玉土(小粒)を育苗トレーや平鉢など薄い容器に入れる
2. 重ならないように種をばらまき、薄く土をかぶせる
3. 土が乾かないように水やりを続けて、明るい日陰で管理する
4. 発芽後、混み合っている箇所は芽を間引く
5. 本葉が5~6枚になったら、鉢や地面に植え替える
ホオズキ(鬼灯)の水やりの仕方や肥料の与え方は?
水やりの仕方
乾燥した環境が苦手なので、土の表面が乾きかけたら、水をたっぷり与えましょう。地植えは、乾燥した日が続かないかぎり、水やりの必要はありません。
肥料の与え方
植え付けるときに、ゆっくりと効く緩効性の化成肥料を土に混ぜておきます。そして、生育期の4~6月は、月に1~3回液体肥料か固形肥料を与えます。
ホオズキ(鬼灯)の植え替えの時期と方法は?
同じ土に植えっぱなしにすると、生育が悪くなります。鉢植えなら毎年、地植えなら2~3年に1回、新しい土に植え替えましょう。
鉢植えは、鉢を1回り大きくするとよいですよ。植え替えの時期や手順は、植え付け時と同じです。
ホオズキ(鬼灯)の増やし方!種取りの時期と方法は?
ホオズキは、株分けと種まきで数を増やすことができます。9月頃に、赤く熟した実から種を採取し、よく水洗いしてから翌年まで保管しておきましょう。種まきの時期と方法は上述した通りです。
株分けの手順
3~4月が適期です。植え替えと同時に行うと効率的ですよ。
1. 株を掘り出す
2. 地下茎を3~4節で切り取る
3. 鉢植えなら6号鉢に3~4本、地植えは15~20cm間隔で地下茎を植え付ける
ホオズキ(鬼灯)の育て方で注意する病気や害虫は?
アブラムシ
4~8月に発生しやすい害虫で、特に新芽について栄養を吸って弱らせます。見つけ次第ガムテープで株から引きはがすか、薬剤を散布して駆除します。
カメムシ
6~9月にかねて発生し、茎の部分から栄養を吸い取ってしまいます。大きな虫なので、見つけ次第ピンセットなどで捕まえて駆除しましょう。また、春~秋にかけて殺虫剤を定期的にまいておくと安心です。
白絹病
糸状菌などの病原菌によって引き起こされる病気です。湿度が高いと発生しやすく、感染すると株元や土の表面が白い絹糸のようなもので覆われていきます。
一度病気になると治療はできず、他の株にも感染する恐れがあるので、症状の出ている株はすぐに地面から抜き取って焼却処分しましょう。また、土は殺菌消毒してください。
ホオズキ(鬼灯)は種まきから育てよう
一度種まきをしてしまえば、それほど手間をかけずに育てられるホオズキは、ガーデニング初心者にもおすすめの植物です。
ただ、生育が旺盛なために、思いもしなかった場所まで地下茎が伸びてしまうことが。範囲を制限して育てたいときは、地面にレンガや板を入れ、場所を区切ってあげると安心ですよ。
更新日: 2023年06月11日
初回公開日: 2015年10月05日