花言葉と聞くと、甘くやさしい言葉ばかりが思い浮かびませんか?中には、楽しい気持ちや喜びを表すものだけでなく、悲しみや別れの意味を持った花言葉もあります。はかない恋やかなわぬ恋の神話や伝説、歴史上の悲しい出来事が由来となっていることが多く、調べていくうちに花言葉の奥深さに気づけるかもしれませんね。
今回は裏切りや別れ、復習など悲しい花言葉を持った花を11種ご紹介します。
1. アネモネ
「はかない恋」「見捨てられた」「恋の苦しみ」「薄れゆく希望」「嫉妬のための無実の犠牲」
アネモネは、冬から春にかけて赤やオレンジ色、紫色などの花を咲かせる球根植物です。ネガティブな花言葉を多く持つ花として知られています。
三角関係や嫉妬、禁断の恋など、けして幸せとはいえない物語ばかりが由来となっているのが、嫉妬や復讐、別れを連想させる花言葉が多い理由なんですよ。
2. ヒガンバナ(彼岸花)
「悲しき思い出」「あきらめ」
墓地やお寺に咲いていることが多いヒガンバナ。お墓の周りに咲いている姿が「死」を連想させることにちなんで、「悲しき思い出」「あきらめ」などの花言葉がつけられました。
また、有毒なアルカロイドを含んでいることもネガティブな印象の理由と考えられます。
3. マツムシソウ(スカビオサ)
「失恋」「私はすべてを失った」「不幸な愛情」
マツムシソウは、淡い紫色の小花を咲かせる1年草または多年草です。別名「スカビオサ」と呼ばれ、中央が盛り上がったように咲くなど、独特の花姿をしていることでも有名です。
日本では高貴な印象を与える紫色の花びらですが、ヨーロッパでは悲しみを表す色とされているんですよ。花言葉自体がヨーロッパでつけられたものが多いので、悲しい意味がつけられました。
4. ハナニラ
「悲しい別れ」
花や茎からニラのような香りを放つことから名付けられたハナニラ。星形のかわいらしい花を冬から春先に咲かせる球根植物です。
ほんのりと青みをおびた白い花が、どこか物悲しい印象を与えるので、「悲しい別れ」という花言葉がつけられました。
花言葉は少し寂しいですが、草丈も高くなく、多年草なので、花を楽しめるグランドカバーに人気です。
5. キンセンカ(金盞花)
「別れの悲しみ」「悲嘆」「寂しさ」「失望」
キンセンカは、春から初夏にかけてオレンジや黄色の花を咲かせる植物です。地中海が原産で、暖かい場所を好んでどんどん生長します。
「別れの悲しみ」や「失望」といった花言葉は、太陽を待ち焦がれて亡くなった妖精(話によっては少年)の神話に由来します。
その妖精をキンセンカに変えたため、キンセンカは太陽に向かって花を咲かせるようになったそうですよ。
6. シオン
「追憶」「遠方にある人を思う」「君を忘れない」「さよなら」
シオンは、草丈が1.8mほどまでに伸びるキク科の植物です。平安時代の説話集「今昔物語」に登場するように、シオンは安時代から人々とのつながりのあった古いお花でもあります。
今昔物語には、父の死を悼む兄弟の物語があり、この物語にちなんで「追悼」や「さようなら」など別れを連想させる花言葉が生まれました。
父の死後、「紫苑という草は、見た人の心にあるものを決して忘れさせないと聞く」といって、兄弟は、墓前にシオンの花を植えて毎日墓参りを続けました。
墓参りの姿に感心した鬼から「未来を予知する力」を授かったおかげで、兄弟は幸せに暮らしたといいます。この話にちなんで「別れ」に関する花言葉がついています。
7. アリウム・ギガンチウム
「深い悲しみ」「無限の悲しみ」
アリウムは、春から初夏にかけて、紫色で大きなボール状の花を咲かせる球根植物です。紫色が、ヨーロッパでは悲しみを表し、死者を悼む色として知られているため、「深い悲しみ」といった花言葉がつけられました。
すっきりと伸びた茎の上にボールのような丸い花を咲かせるアリウムの姿は、悲しみたたずむ人を連想させるので、「無限の悲しみ」という花言葉も生まれたようです。
8. ダリア
「移り気」「裏切り」
ダリアは、フランス皇帝ナポレオンの最初の妻ジョセフィーヌ皇后が愛した花です。「移り気」「裏切り」という花言葉は、このジョセフィーヌの物語にちなんでいます。
独占的に栽培するくらいダリアを愛していたジョセフィーヌ。しかし、とある貴族の女性にダリアの球根が盗まれてしまい、自分の家でダリアを育ててしまいました。
それを知ったジョセフィーヌは、ダリアに飽きてしまい、もう以前のようにダリアを愛でることはなくなりました。このエピソードが由来となって「裏切り」「移り気」という花言葉がつけられたといいます。
9. エリカ
「孤独」「寂しさ」
エリカは、ヨーロッパの荒野に自生している植物です。種類ごとに開花期が違うので、1年中見られることも。
イギリスでは「荒野」を意味する「ヒース(Heath)」という名で呼ばれています。過酷な環境の荒野に自生するエリカの姿が「寂しさ」「孤独」に見えたことから花言葉がつけられたようです。
10. 都忘れ(ミヤコワスレ)
「別れ」「別離の悲哀」
都忘れは、春から初夏にかけて紫や白、ピンク色の花を咲かせる多年草です。
1221年、承久の乱に敗れて佐渡に島流しにされた順徳上皇が、庭に咲いたミヤコワスレの花を見て、その可憐さに心が慰められ「恋しい都も忘れられる花」といったことが、「別れ」がという花言葉の由来になりました。
11. シロツメクサ(クローバー/四つ葉のクローバー)
『復讐』
シロツメクサは、別名クローバーと呼ばれて親しまれている葉っぱを持つ、春から初夏に花を咲かせる多年草です。
「復讐」という花言葉は、「約束」といった別の花言葉の願いがかなわなかったときに待っているのが「復讐」という意味を表しているといわれています。
裏切り、別れ、復讐の花言葉の由来は悲しい話が多い
花言葉には、良い意味と悪い意味、もしくは両方の意味のものがつけられることもあり、花色によって意味が変わることもよくあります。そのため、それほど神経質になる必要はありませんよ。
自由に好きなお花を飾ったり、プレゼントしたりして、花と接する機会が増えていったら、気持ちも豊になりそうですね。
更新日: 2022年07月13日
初回公開日: 2016年04月22日