ルピナスは、藤の花を逆さにしたような独特な花穂が特徴の植物です。別名は文字通り「逆さ藤(サカサフジ)」かと思いきや、立ち上がって咲く様から「昇り藤(ノボリフジ)」といいます。春~初夏にかけて、色とりどりの花色で見ている人を楽しませてくれます。また、ワンシーズンに2~3回花を咲かせるのも魅力です。今回は、そんなルピナスの育て方をご紹介します。
ルピナスってどんな花?育て方は簡単?
ルピナスは、地中海沿岸地方と南北アメリカ、南アフリカ等に200種類以上が分布し、春から初夏に長い花穂に蝶のような形の花をたくさん付けます。花色も赤、ピンク、青など豊富で、その個性的な姿から、花壇に植えるだけでなく切り花としても人気です。
耐寒性に優れている植物ですが、多湿を嫌い暑さに弱い性質をもっています。また、美しい見た目に魅力を感じる方が多い花です。
開花時期 | 4月下旬〜6月頃 |
増やし方 | 種を採取 |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 弱い |
ルピナスの育て方!種や苗の植え付け方法・時期は?
ルピナスは、種や苗から育てることができます。種が大きく、扱いやすいことから、種から育てるのが一般的です。苗ポットは、春頃に出回ります。また、直根性で根がデリケートなことから移植を嫌います。特にマメ科には共通したことなので、その他マメ科の植物を扱うときも気を付けてください。
そのため、たくさん育てる場合は地植えがおすすめで、植え替えの必要がないようにしてあげましょう。
種まき
ルピナスの種の発芽温度は、15~20度なので、9~10月頃にまいていきましょう。ただ、種類によって発芽温度が若干違い、カサバルピナスは20~25度でよく発芽するので、8月下旬~9月末くらいにまくといいですよ。また、多年草タイプのラッセルルピナスは6月が種まきの適期です。
種の表面は硬いので、一晩水につけて柔らかくしておいたものを使用します。9cmポッドかジフィーセブンを用意し、1cmほどの深さの穴を開け、そこへ種を2~3粒まいていきます。
そして乾燥しないように水を与えながら日陰で管理し、発芽するのを待ちます。2週間ほどで発芽し、本葉が2~3枚になったら間引き、本葉が6~7枚になったら鉢か地面に植えつけていきます。
苗植え
種から育てるのが不安という方は、春に出回る苗から育てるのがおすすめです。植え付け方法は種まきと変わりません。ただ、根が傷みやすいので、傷つけないよう慎重に植えていくのがポイントです。また、夏を越しやすいように、鉢植えにするのがおすすめです。
鉢植え
苗の二回りほど大きい鉢を準備します。用土は、市販の草花培養土に軽石を加えたものか、赤球土6:腐葉土3:軽石1を混ぜあわせたものを使い、根を傷つけないように植え付けていきましょう。植え付けたらたっぷりと水を与え、日向で管理します。
地植え
植え付ける場所と土の酸性度合いをチェックしておくのがポイントです。基本的に日本の土壌は弱酸性でルピナスが好む酸性値は中性ですが、植付け前は有機石灰や苦土石灰などで弱アルカリ性〜中性へ寄せておきましょう。
降雨や植物が養分を吸うと自然に中性寄りの弱酸性へ落ち着きます。ルピナスは耐寒性は-5度程度まではありますが、凍ると枯れてしまいます。また、25度以上になると成長しなくなるので、日当たりがよく、風通しのいい場所を選んであげましょう。
用土に関しては、庭土を掘り起こしたものに植える場合は、土壌の酸性度合いを植え付ける前に確認し、高い場合は土に苦土石灰を混ぜ込み、1週間ほど置いておいたものを使用するようにしてください。環境が整ったら、株間を30cmほど空けて苗を植え付けていきます。
ルピナスの水やりの方法、肥料の与え方は?
水やりの方法
ルピナスは過度な湿気によって根腐れを起こしてしまうので、乾燥気味に管理することがポイント。ただし、乾燥しすぎると葉が傷む原因となるので、鉢に根がよく張っている株では水不足にならない様に気をつけてください。
鉢植えの場合は、土の表面が乾いてからたっぷりと水を与えるようにしましょう。地植えの場合は特に水やりは必要ありません。
肥料の与え方
肥料は元肥として緩効性の化学肥料を用土に混ぜ込んでおきます。また、生育期間には肥料を必要とすることから地植えの場合は春に緩効性化学肥料を、鉢植えの場合は液肥を週に1回程度施していきましょう。
ただし、マメ科に共通する点ですが、根粒菌と呼ばれる微生物が窒素分を集めてくれるので、窒素分が低い肥料を与えましょう。
ルピナスの育て方で注意が必要な病害虫は?
ルピナスは病害虫の心配がほとんどないほど丈夫な植物です。しかし、過度の湿気によって根腐れを起こす可能性があるので、水の与えすぎには気をつけてください。
ルピナスの花後の管理は?切り戻しの方法と時期は?
花が全部咲き終わったら、花穂の下の当たりを切り取りましょう。そうすることで、脇芽が伸びて2番花、3番花を楽しむことができます。種ができると株の養分が種を育てることに回ってしまい、弱ってしまうので、種を付け始める前に切り取るようにしましょう。
ルピナスに植え替えは必要?
ルピナスは日本では一年草として扱われるため、植え替えの必要はありません。ただ、環境や種類によっては何年も楽しむことができます。しかし、直根性で根が傷みやすいことから植え替えを嫌います。どうしても植え替えが必要な場合は、根を慎重に扱いながら行うようにしてください。
ルピナスの増やし方!種の取り方は?
ルピナスは種で増やすことができます。花が終わると枝豆のようなさやが実るので、乾燥するまで待ちましょう。乾燥して茶色くなったら種を採取するタイミングです。
花の根元から茎を切り取り、さやから取り出した種は、日陰でよく乾燥させます。そして、茶封筒など風通しのいい入れ物に乾燥剤とともに入れ、日陰で保存しておきましょう。
植え付け期になったら、植え付け方でご紹介した手順で育てていきます。
ルピナスを育てるときのポイントは?
ルピナスは、気温が25度以上になると生育が止まって枯れてしまうことから、日本の夏を過ごすことができません。そのため、元々は多年草ですが、日本では一年草として扱われます。
また、根がまっすぐに伸びる直根性であることから、酸性の土壌を嫌うので、植え付ける土壌の環境はしっかりと整えてあげましょう。
ルピナスを種まきで育ててみよう
初心者にはちょっと管理の難しいルピナスですが、独特な姿に魅力を感じる方も多い花です。種から育てるのはたしかに手間がかかりますが花を咲かせたときは感動しますよ。また、上手に育てると2番花、3番花も楽しむこともできます。ぜひ種まきからの育生にチャレンジしてみてください。
更新日: 2023年10月11日
初回公開日: 2015年07月12日