真夏の暑い時期に、独特の姿の花を咲かせるトケイソウ。種類がたくさんあり、その花姿は様々で、中には実を付けるものもあります。また、つる性のものが多いですが、低木に育つものもあります。今回は、そんなトケイソウの花言葉や種類、品種についてご紹介します。
トケイソウ(時計草/パッションフラワー)の花言葉は?
『聖なる愛』『信仰』『宗教的熱情』『情熱的に生きる』
トケイソウは、イエス・キリストの処刑を象徴する花とされています。そのことから、「聖なる愛」「信仰」など宗教的な花言葉がいくつも付けられています。
トケイソウ(時計草/パッションフラワー)の学名・原産国・英語
- 学名
- Passiflora
- 科・属名
- トケイソウ科・トケイソウ属
- 英名
- Passion flower
Blue crown
- 原産地
- 熱帯アメリカ、オーストラリア、アジア
- 開花期
- 5~10月 ※種類によって異なる
- 花の色
- 紫、白、赤、ピンク、黄色
- 別名
- パッションフラワー
梵論葛(ボロンカズラ)
蛇の目草(ジャノメソウ)
トケイソウ(時計草/パッションフラワー)とは?どんな植物?
トケイソウは、トケイソウ科・トケイソウ属に分類される植物の総称です。水平に開いた花びらが文字盤、3つに分かれた雄しべが時計の針に見えることから、「時計草」という和名が付けられました。
アメリカの熱帯地域を中心に400~500種ほどが分布しており、そのほとんどがつる性です。草丈は30~80cmで、長く伸ばしたつるの先に、独特の花を咲かせます。花びらの内側に、糸状や短いヒゲのような「副花冠」が付くのが特徴です。花は1日でかれてしまいますが、次々に違う花が咲くことから、長期間花を楽しむことができます。また、結実した実は「パッションフルーツ」と呼ばれ、食べることができます。
名前の由来
パッションというと「情熱」という意味を思い浮かべますが、トケイソウの別名「パッション」の場合は、「キリストの受難」を意味します。これは、16世紀のローマ・カトリックの司祭たちが、トケイソウの花姿をイエス・キリストが十字架にかけられた姿に見立てたことに由来します。5枚の萼と花びらがキリストの忠実な10人の使徒、副花冠がいばらの冠、5本の雄しべと3本の花柱が十字架を背負ったキリストの姿を表しています。
トケイソウ(時計草/パッションフラワー)の効能は?
トケイソウは、ペルーでスペイン人医師が先住民に聞いた利用法をヨーロッパに持ち帰ったことで、欧米でハーブとして利用されるようになりました。今でも、葉っぱは沈静効果の高いハーブティーとして広く普及し、痙攣抑制作用や不安解消、高血圧の緩和への有効性が臨床研究によって明らかになっています。
これは、葉っぱに含まれるアルカロイド類とフラボノイド類が神経伝達物質の分解を阻み、鎮静作用をもたらすためとされています。ただ、大量に服用してしまうと、アルカロイドによって肝臓や腎臓に機能障害が起こり、めまいや運動失調を起こす危険性があります。また、子宮を刺激する成分が含まれており、妊婦が摂取すると早産などのリスクを伴います。
トケイソウ(時計草/パッションフラワー)の種類や品種は?
パッシフローラ・カエルレア
トケイソウといえば、一般的にはこの品種を指します。花びらは淡い紅色や青色で、副花冠は紫色で、中心だけ白くなっています。アルゼンチン、ブラジル、パラグアイが原産です。
パッシフローラ・エドゥリス(クダモノトケイソウ)
赤く熟した実がパッションフルーツとして食べられる品種です。花は白か淡い紫色をしており、副花冠が長く垂れ下がっているように見えます。ブラジル、パラグアイ、アルゼンチン北部が原産です。
パッシフローラ・インカルナタ(チャボトケイソウ)
-15度までの寒さに耐えられる、耐寒性の高い品種です。花には香りがあり、鎮静作用のあるハーブとして知られています。北アメリカの南東部原産で、結実した実を食べることもできます。
パッシフローラ・インセンス
インカルナタ種とキンニカータ種が掛け合わされて作られた品種です。生長が早く、-8度ほどの寒さに耐えられることから園芸用に広く利用されます。長く伸びた副花冠のある紫色の花を夏に咲かせます。
トケイソウ(時計草/パッションフラワー)の花は緑のカーテンにもおすすめ
トケイソウの葉は大きくツヤツヤしていて、いつまでも美しいグリーンを保つことができます。この特性と、環境に対する意識の高まりから、緑のカーテンとして活用する方も増えていますよ。アサガオやゴーヤには飽きてしまったという方には、トケイソウの栽培がおすすめです。
更新日: 2015年12月19日
初回公開日: 2015年12月19日