トレニアは、夏から秋の長期間にわたって花を咲かせ続けることから、夏の花壇に人気の草花です。スミレに似た小さな花は可憐な印象ですが、暑さや乾燥に強く育てやすいことから、初心者でも手をつけやすいですよ。今回は、切り戻しや種まき、苗植えの時期と方法など、トレニアの育て方についてご紹介します。
トレニア(夏菫)の育て方のポイントは?
日当たりのよい場所で、水切れを起こさないように管理するのがポイントです。日当たりがよくないところでも育ちますが、花付きが悪くなってしまいます。また、湿り気のある土を好むことから、水が足りないとしおれてしまいます。夏の日照りが続いたときは特に水切れに注意してください。
トレニア(夏菫)の種まき、苗植えの時期と方法は?
種まき
発芽適温が20~25度なことから、4月下旬~6月上旬が種まきの適期です。
1. 底の浅い箱に赤玉土(小粒)など清潔な土を入れる
2. 種を土にばらまきにする
3. 土は被せず、乾燥しないよう霧吹きで土に水を与えて管理する
4. 10~15日ほどで発芽し、本葉が3~4枚に生長したら、生育のよいものを選んで育苗ポットに植え替える
5. 土の表面が乾いたら水を与えて管理する
6. 本葉が8~10枚に生長したら、鉢や地面に植え替える
苗植え
4月下旬~8月上旬に、鉢か地面に植え付けていきます。多年草は、冬の寒さに弱いので、移動させやすい鉢植えにした方が安心です。
鉢植えは、苗よりも1回り大きな鉢に植えていきます。地植えは、日当たりと水はけのよい場所を選び、株同士の間隔を20~25cm空けて植え付けましょう。
トレニア(夏菫)の土作り、水やり、肥料の時期と方法
土作り
水はけがよく、肥えた土を好みます。鉢植えは、赤玉土(小粒)7:腐葉土3の割合で混ぜた土か、市販の草花用培養土がおすすめです。地植えは、植え付けの2週間前に植え穴を掘った土に苦土石灰を混ぜて酸性度合いを中和します。そして、植え付ける1週間前に腐葉土や堆肥を2~3割混ぜ込んで寝かせておきます。
水やり
やや湿り気のある土を好みます。ただ、水を与え過ぎると根腐れを起こしてしまいます。鉢植えは、土の表面が乾いてきたらたっぷりと水を与えます。地植えは、乾燥している夏は水やりをして、水切れを防ぎましょう。
肥料の与え方
植え付けるとき、ゆっくりと効く緩効性化成肥料を土に混ぜておきます。そして、花が咲きはじめたら7~15日に1回液体肥料を施します。頻繁に肥料を与えるのが面倒なときは、4月と10月に1回ずつ緩効性化成肥料を与えるだけでもかまいません。
トレニア(夏菫)の寄せ植えの時期とおすすめの花は?
トレニアは丈夫で育てやすく、日陰にも比較的強い植物です。そのため、どんな花と寄せ植えにしてもかまいません。同じように夏に花を咲かせるペチュニアとは相性がよいですよ。
トレニア(夏菫)の剪定!切り戻しや摘心の時期と方法は?
切り戻し
花が一通り咲き終わった6~8月に、草丈が1/3~1/2になるよう株全体を切り戻します。これによって新しい芽が出て、秋に再び花を咲かせるようになります。ただ、茎を切り過ぎると株が枯れてしまうので注意してください。
摘心
植え付けから2週間ほどたち、草丈が10cm以上に生長したら、先端から2節目ほどのところを摘み取ります。これによって、左右に脇芽が生え、こんもりとした株を作ることができ、花数も増えます。
花がら摘み
枯れた花をそのままにしておくと、種ができ、栄養が奪われてしまいます。また、株が蒸れて病気が害虫を引き寄せてしまうことも。しぼんだ花は早めに花首から摘み取ってしまいます。
トレニア(夏菫)の植え替えの時期と方法は?
コンカラーなど多年草の品種は、霜に当たると枯れてしまいます。そのため、地植えで育てているものは、鉢に植え替えて室内に取り込みましょう。鉢植えにしている場合は、1~2年に1回、4~8月の間に1回り大きな鉢に植え替えます。植え替えの手順は、植え付け時と同じです。
トレニア(夏菫)の増やし方!挿し木の時期と方法は?
トレニアは、種まきと挿し木で数を増やすことができます。種まきは、植え付け時でご紹介した豊富と同じです。挿し木は、6~9月が適期です。茎を8~10cmほどの長さに切り取り、土の上に置くか軽く土をかけておくだけで簡単に根を生やしますよ。
トレニア(夏菫)の栽培で注意する病気や害虫は?
アブラムシ
新芽や蕾を中心に、茎葉に寄生する害虫です。針を突き刺し、栄養を吸い取って株を弱らせます。大量に発生するので、見つけたらすぐに殺虫剤を散布しましょう。
灰色カビ病
水が染みたような模様が徐々に株全体へと広がり、植物を枯らしてしまうと病気です。高温多湿の環境で発生しやすく、病気にかかった場所は回復しません。発生した箇所は早めに切り落とし、薬剤を散布して感染の拡大を防ぎましょう。
トレニア(夏菫)は初心者でも育てやすい花
トレニアは、パンジーのようなかわいらしさのある草花です。見た目は繊細そうですが、丈夫で育てやすく、ガーデニング初心者でも簡単に育てることができますよ。
中でも地面をはうように生長するほふく性の品種は、草丈が低いので寄せ植えの前面におすすめです。花色が豊富なので、一緒に植える植物とバランスが取りやすいですよ。ぜひ、夏の花壇の仲間にトレニアを加えてみてください。
更新日: 2021年11月24日
初回公開日: 2015年12月28日