最近、テレビや雑誌などのメディアでも紹介されている健康フルーツのアロニア。その実には栄養がたっぷりと含まれており、脂肪を燃焼させるなど様々な効果・効能があると聞きますよね。今回は、そんなアロニアの効果・効能や育て方をご紹介します。
アロニア(アローニャ)の学名・原産国・英語
- 学名
- Aronia
- 科・属名
- バラ科・アロニア属
- 英名
- Aronia
- 原産地
- 北アメリカ
- 開花期
- 4~5月
- 花の色
- 白、淡い紅色
- 別名
- セイヨウカマツカ
チョコベリー
アローニャ
アロニア(アローニャ)とは?
アロニアは北アメリカ東部原産のバラ科アロニア属の落葉低木で、果樹または観賞用として栽培されています。アロニアの実は、熟すと赤くなるものと黒くなるものがあり、赤い品種は観賞用、黒い品種は食用として使い分けられているんです。
黒いアロニアは「ブラックチョークベリー」とも呼ばれ、果実にはポリフェノールやアントシアニン、カロテン、食物繊維等が多く含まれることから、近年健康食品として注目を集めています。アロニアは耐寒性、耐暑性とも高く、また1本でも受粉し多く結実するため、家庭菜園で栽培する果樹として初心者でも簡単に育てることができます。
アロニア(アローニャ)の花の特徴は?開花時期と見頃の季節は?
アロニアの花期は春で、ナシの花に似た白か淡い紅色の花を咲かせます。果実は秋に熟し、大きさは直径0.5~1cmほどと小粒。葉は楕円形で、秋に寒さに当たると美しく紅葉し、その後落葉します。
アロニアの花は、小さくあまり目立たない花なので、観賞用としての人気はありません。ただ、秋に紅葉した葉っぱはとてもきれいですよ。岩手県盛岡市では果実用のアロニアの栽培に力を入れており、約800本が栽培されてます。
アロニア(アローニャ)の花や実の特徴は?
黒い果実を実らせる品種のブラックチョークベリーは、生で食べたり、ジャムや果実酒、ミックスジュースなど、加工して利用するのが一般的です。このチョークベリーという英名は「のどが締め付けられる(ほど渋い)ベリー」という話が由来といわれています。
赤い果実を付けるタイプは食用には適さず、観賞用として利用されます。耐寒性が高く、品種によっては-30度にも耐えるといわれているため、寒冷地での栽培も可能です。
アロニアの種類や品種は?
アロニア・メラノカルパ(ブラックチョークベリー)
アロニア・メラノカルパは、一般的に流通しているアロニアのことを指します。別名、ブラックチョークベリー、ロシアでは、黒いナナカマドと呼ばれています。熟すと黒く色づき、食用としてジャム、果実酒やミックスジュースなどに利用されます。
アロニア・アルブティフォリア
アロニア・アルブティフォリアは、果実は熟すと赤くなり、黒くはなりません。「西洋カマツカ」とも呼ばれます。食用としては利用されず、観賞用として栽培されます。
アロニア・プルニフォリア
上記2種の交雑種で、果実は熟すと暗紫色になります。
アロニアの効果・効能は?
1. ダイエット効果
アロニアに含まれるカロテノイドは脂肪の代謝を促進する作用があり、ダイエット効果があると考えられています。また、アロニアに含まれる成分が、脂肪の分解を促進する効果もあるのではないかと研究が進められています。
2. 目の疲労回復、老化防止
ブルーベリーの2倍以上のアントシアニンを含んでいるため、目の疲労回復効果が期待できます。また、アントシアニンは、肌の乾燥や肌荒れを防ぐほか、抗酸化作用もあるので若々しい肌を保つ働きをしてくれます。
3. 便秘の解消
アロニアにはバナナの約6倍の食物繊維が含まれていると言われています。この豊富な食物繊維は、お通じを快適にし、便秘の解消に効果があります。また、便秘を解消することによって、肌荒れの予防にもなるのもうれしい効能ですね。
アロニア(アローニャ)の育て方のポイントは?
アロニアは、風の強いところに植えず、少し湿り気のある土で育てるのがポイントです。乾燥に弱いので、高温で風あたりが強い場所はさけましょう。
アロニア(アローニャ)の苗植え!鉢植えや地植えの時期と方法は?
アロニアの種は通常販売されていないので、苗から育てていきます。また、樹高が2m以上に育つので、鉢植えよりも地植えがおすすめです。
11〜3月頃、半日陰で風通しのよい庭に、苗よりも1回り大きな穴を掘っていきます。苗を穴に置いて、隙間を土で埋めて固定したらたっぷり水を与えれば植え付け完了です。土は植え付ける2週間前に掘リあげておき、腐葉土や肥料を混ぜて寝かせておいたものを使います。
植え替え
鉢植えの場合は、根詰まりすると発育が悪くなったり、実が落ちやすくなります。できれば3年に1回は植え替えをするとよいですよ。11〜3月頃、植え付けと同じ手順で1回り大きな鉢に植え替えましょう。
アロニア(アローニャ)の土作り、水やり、肥料の時期と方法
土作り
水はけと水もちのバランスを好みます。地植えなら、腐葉土やピートモスなどを2〜3割土に混ぜ込んで、2週間ほど寝かせておくとよいですよ。鉢植えは、地植えと同じ土か、市販の花と野菜の土を使うのもおすすめです。
水やり
庭植えは、植え付けの2年後くらいまでは完全に乾燥する前に水やりをしましょう。その後しっかりと根が張れば、雨水だけで十分生長します。鉢植えは、土の表面が乾いたら鉢底から流れ出るくらい、たっぷりと水を与えてください。夏場は地植えや鉢植えともに乾燥しやすいので、土の状態をよく観察しておくようにすると安心です。
肥料
植え付け時の土に、腐葉土と有機肥料を混ぜ込んでおきましょう。そして、果実を収穫した後に、1回だけ有機肥料を施すと、翌年の実付きがよくなりますよ。
アロニア(アローニャ)の剪定や挿し木での時期と方法は?
アロニアは、基本的には剪定をしなくても大丈夫な果樹です。もし、樹形の乱れが気になるなら、12〜3月頃に内向きの枝や伸びすぎた枝を切り落としましょう。また、樹高を低めに育てたい場合は、毎年枝先を少しずつ切ると高さを調節できます。
5〜8月頃であれば、剪定した枝を土に挿しておけば、挿し木で数が増やせます。挿し木は土が乾燥しないように水やりを続けると、根を生やしますよ。
アロニア(アローニャ)の栽培中に注意する病気や害虫は?
アロニアは病害虫に強いことが特徴です。風通しがよければ、ほとんど被害にはあいません。ただ、ごくまれに、蛾の幼虫やオウトウナメクジバチの幼虫によって、葉が食害されます。大量発生することはないので、見つけたときに手で取り除くか付いているところを切り取ってしまいましょう。
アロニア(アローニャ)の栽培を楽しもう
アロニアの生の果実は、市販されることが少ないので、自分で栽培して収穫するの楽しみがありますよね。収穫した実は、ジャムやジュースなど、色々な方法に加工して味わえるのもうれしいポイントです。秋には、紅葉した姿も楽しめるので、庭にスペースのある方はアロニアを育ててみてください。
更新日: 2016年04月27日
初回公開日: 2016年04月27日