キウイフルーツは、中国原産のつる性落葉果樹です。日本には、1960年代にニュージーランドで改良されたものが輸入されてきました。ニュージーランドの国鳥キーウィに似ていることから名付けられたキウイフルーツは、健康や美容に効果的でビタミンCなどの栄養素が豊富な果物の1つ。
今回は、そんなキウイフルーツの栽培方法について、剪定や育て方のポイントなどをご紹介します。
キウイフルーツの苗植えの時期と方法は?
関東よりも西の地域では、10〜12月頃が苗植えの適期です。東北など気温が低い地域では、2〜3月の冬を乗り越えたあたりに苗を植えましょう。苗を植えてから3年ほどで果実を収穫できるようになりますよ。
地植え
- 雌株と雄株を用意する
- 日当たりと水はけのよい場所を探す
- 植え付けの4週間前から土作りをする
- 株同士は3m以上の間隔をとって植え付ける
- 支柱や支柱の天井を繋いで「棚仕立て」を作り、つるを絡ませる
鉢植え
- 植え替えができないので10号鉢以上の鉢を用意する
- 鉢底に鉢底ネット、軽石をしき土を1/3ほど入れる
- 苗を取り出して鉢に植え、たっぷり水やりをする
人工授粉
自然受粉がうまくいきにくため、人工授粉させる必要があります。雄花を直接雌花にくっつけてください。うまく受粉ができていたら果実が生長します。
たくさん成らせると全体の実が小さくなってしまうので、受粉から1か月後の6月下旬〜7月頃、枝1本に4〜5個の実を残して残りを取り除きましょう。最終的には、1m四方に15個前後の果実を残すように、実を少しずつ摘みとっていきます。
キウイフルーツの育て方!土作り、水やり、肥料の時期と方法は?
土作り
鉢植えは、市販の果樹用の土か、赤玉土6:腐葉土4の割合で混ぜた土がおすすめです。地植えは、苗植えの4週間前から土作りを始めます。まずは、1つの株に対して直径・深さ30〜40cm程度の穴を掘ります。
掘り上げた土には、1㎡あたりコップ1杯分の苦土石灰を混ぜて、土の酸性度を弱めておくのがポイントです。苦土石灰を混ぜてから2週間ほど土を寝かせ、さらに腐葉土を3割ほど混ぜ込んで、さらに2週間ほど寝かせば閑静です。
水やり
鉢植えは土の表面が乾いたらたっぷりと水やりをします。地植えは特に水やりの必要はありません。
肥料
植え付けのとき、腐葉土と一緒に肥料を混ぜます。乾燥鶏ふん、パーク堆積などを1割ほど使うのがおすすめです。あとは、年間2〜3回肥料を追肥しましょう。庭植えは12月に有機質肥料または、粒状肥料を株元に与えましょう。
2月と6月も同じように追加で肥料を与えますが、順調に大きくなっているなら特に肥料は与えなくても大丈夫です。
キウイフルーツの剪定の時期と方法は?
キウイフルーツの剪定は、1〜2月頃、果実がついたつるに3〜4芽を残して先から切り詰めましょう。それまでに2mぐらいの支柱を立てて苗木をまっすぐに誘引しましょう。植えてから3〜4年は実を付けさせずにつるを生長させるのがしっかりした果実を実らせるコツです。
誘引の方法は、生長が早くしっかりとした枝2本を互いに反対の横方向へ伸ばしてTの字に生長させる「Tバー仕立て」か、1本の枝だけを生長させる「棚仕立て」があります。
どちらも、強い枝を残してそこからつるを40〜50cm間隔で生長させます。十分生長するまでは、剪定のたびにつるを誘引していきましょう。
キウイフルーツの栽培!収穫の時期と方法は?
収穫
一般的には、果皮の地色が茶色になったころが収穫の目安です。霜害を受ける前の11月までに収穫するのがよいでしょう。天気予報で、最低気温が4〜5度以下になったら霜が降りるので、すぐに収穫します。茎のところから、花ばさみなどで切り取って収穫してください。
保存
収穫から2週間ほどは、追熟させる必要があります。追熟は、常温でリンゴと一緒にビニール袋に入れて10日ほど寝かせておくのが一般的です。キウイフルーツ4〜5個に対して、リンゴ1個を入れて口をしばり、果皮を軽く押して少し凹むぐらいが食べごろです。
キウイフルーツの育て方のポイントは?
キウイフルーツは、暖かい気温でしっかり受粉させることがおいしい果実を収穫するためのポイントです。冬に-10度以下になる土地や霜が降りやす場所での栽培は難しいので注意してください。
また、キウイフルーツは雌雄異株といって、最低でも雄株と雌株の2株がなければ、果実をつけません。いくつかある品種によって、開花時期が異なるので、受粉を上手にさせるためには開花期が同じ品種を植えるようにしましょう。
品種選びのポイント
- 果実の味や収穫時期を基準に雌株は選ぶ
- 霜が降りる前に収穫できる品種を選ぶ
- 雄と雌の花はよく似ているので、植えたら名札をつける
キウイフルーツの栽培で注意する病害虫は?
かいよう病は、発芽直前の3〜4月ごろ芽のまわりに発生します。細菌が原因で、植物の傷口から侵入して伝染するので、枝に傷をつけないように注意してください。枝の切り口に殺菌剤を塗っておくと安心です。若い果実が腐って落ちる、果実柔腐病は、見つけたら殺菌剤を散布しましょう。
害虫は、キイロマイコガ、キイロヒメヨコバイ、カメムシ、コガネムシが発生することがあります。大量発生するようであれば、薬剤を散布して退治しましょう。
キウイフルーツを栽培して剪定してみよう
キウイは機能性果実としても注目されているように、ビタミンCはレモン8個分、食物繊維はバナナ3本分もの高い栄養素を誇ります。
まさに自然界のサプリメントといわんばかりの果物が自宅で採れるなんて考えただけでもうれしくなりますね。庭にスペースがあるかたは、ぜひキウイを育て、自分で剪定・収穫するのを楽しんでみてください。
更新日: 2021年07月07日
初回公開日: 2016年05月08日