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みかんの育て方|栽培ポイント、肥料の与え方は?注意すべき病気は?

柑橘類の中で最もポピュラーな存在といえる「みかん(蜜柑)」。ビタミンCを豊富に含み、風邪やガンなど幅広い病気の予防効果が期待できます。また、収穫するだけでなく庭木としてもおすすめできる果樹です。今回はそんなみかんの木の育て方について、詳しくご紹介します。

みかんの木の育て方!苗木の植え付け(植え方・時期)

みかんの苗木は、3~4月頃に鉢や地面に植え付けていきます。元々鉢植えにされているものは、そのまま次の植え替えまで育てましょう。その翌年、あるいは土が固くなり詰まっている様子が見られ鉢穴から根が出てくるようになったら、植え替えるようにします。

もし、3〜4月の植え付け時期を逃したら、6月の梅雨時期や9月の秋雨の頃にも植え付けができます。

また、売られている苗は株元を見るとこぶのような部分があるカラタチの台木に接木した接木苗であることが多いので、必ず、この接木部が土で隠れないように、この部分を地上部に出して植えます。

苗木を植え付ける前に、苗木は根を水につけて十分に濡らしておきましょう。特に地植えの場合には、根を放射線状に広げて植え付けるとのちの生育が良くなリます。

鉢植えの場合

鉢植えは、苗よりも1回り大きな鉢に、赤玉土(小粒)7~8:腐葉土2~3の割合で混ぜた土を入れて植え付けていきます。市販の果樹用培養土を使ってもよいですよ。

  1. 鉢底ネットを敷き、鉢底石を入れていく。
  2. 鉢の底から1/3~1/2のあたりまで土を入れる。
  3. 鉢の中心に苗を置く。
  4. 苗の周りに土を入れ、鉢の縁から下2~3cmくらいまで土で埋まるようにする。
  5. 箸などでつついて、根と土をなじませていく。
  6. たっぷりと水を与える。
  7. 風で倒れないように横に支柱を立て、あさひもなどでやさしく結びつけて支える。

地植えの場合

  1. 日当たりと水はけのよい場所を選んで、深さと幅が約50cmの植え穴を掘る。
  2. 掘りあげた土5:腐葉土3:赤玉土(小粒)2の割合で土を混ぜあわせる。
  3. 肥料を土に加える。
  4. 植え穴の深さ1/2~2/3くらいの高さまで土を戻す。
  5. 苗を植え穴の中心に置き、残りの土を入れる。
  6. たっぷりと水を与えて根と土をなじませる。
  7. 風で倒れないように、横に80cmくらいの支柱を立て、あさひもなどでやさしく結びつけて支える。

みかんの木の育て方!水やりの時期、頻度

みかんの木へは、春~夏の実が生長する時期はたっぷりと水を与え、実が成熟する晩秋~冬にかけては乾燥気味に育てます。鉢植えは、土の表面が乾いたらたっぷりと水やりをしてください。

中でも温州みかんは、段々畑のような急斜面の畑で育てることが多く、どちらかといえば水はけのよい環境を好み、葉が巻く程度に乾燥することで帰って品質が良くなるといわれています。ただし、ポンカン、不知火、はるみなどの品種によっては乾燥しすぎないように注意が必要です。

果実を大きくしたい中晩生の柑橘類には、十分に水やりをします。特に真夏の水切れに十分に注意が必要となります。

地植えのみかんへは、基本的に水やりの必要はありませんが、夏の乾燥した日が続いたときは早朝と夕方に水を与えると元気になるでしょう。また鉢植えの場合には乾くのも早いので、たっぷりと水やりをし、水が鉢穴から出るまで灌水をしましょう。

秋になり涼しくなってきたら、少しずつ水やりの回数を減らしていくと、甘く美味しいみかんが収穫できるようになりますよ。

みかんの木の育て方!肥料の与え方、時期

みかんの苗木を植え付けるタイミングで、土に緩効性の化成肥料を施します。

地植えの場合は3月、6月、9月に1回ずつ同じ緩効性肥料を株元に施していきます。鉢植えの場合は、さらに11月にも同じ肥料を与えましょう。ただし多く与えすぎると、樹勢が強くなり木も大きくなりますが、着色が悪くなったり、酸味の高い果実になったりするので注意が必要です。

葉が全体に黄色くなったり、衰弱してきた、隔年結果するという場合は、肥料不足のことが多いです。この場合は、速効性の液体肥料を施すと良いでしょう。

また秋芽が多数でたり、果実の着色が遅くなったりした場合には、肥料過多と考えられます。異常な落葉や葉色が部分的に薄くなったり、変な模様が出た場合には、微量要素の過剰化または欠乏しているかもしれません。土壌改良をし、堆肥などの有機質の補給をすると良いでしょう。

みかんの木の育て方!剪定方法、時期

みかんの木の剪定時期は、2月下旬~3月頃が目安です。4月下旬には新芽がつくられるので、できるだけ3月上旬にすませておくと、実付きを心配する必要がなくなります。

前年に実を付けた枝にはもう実が付かないので、1/3ほどに切り詰めます。反対に、前の年に実が付かなかった枝には花が咲いて結実する可能性があるので、できるだけ残しておきます。

このほかには、伸びすぎた枝や枯れた枝、内向きの枝などを付け根から切り落としていきます。最終的には開心自然形に仕立てるとよいです。


みかんの木の育て方!植え替え方法、時期

みかんを鉢植えで栽培している場合は、生長度合いを見ながら1~2年に1回植え替えをして育てていきます。時期や手順は、植え付け時と同じです。最終的には2mくらいまで育つので、ある程度の大きさになったら地植えに切り替えるのも1つの方法です。

みかんの木の手入れ!摘果の方法、コツ

株に実がつきすぎてしまうと、株に負担がかかってしまい、みかんの味が落ちてしまいます。そのため、まだ熟していない実を摘み取って熟す数を制限し、株の栄養がうまくめぐるようにします。

7~8月頃に、まだ青い実を手やハサミを使って摘み取ります。一度に行わず、生理落下後に1回、果実がある程度大きくなってから仕上げの摘果、と何回かに分けて行うと良いでしょう。

鉢植え栽培の場合は、枝に1~2個、地植えなら葉っぱ20~30枚に1個の割合で、色ツヤがよく、ほどよい大きさのものを選んで残していきます。

みかんの収穫方法、時期

品種によって収穫の時期は違いますが、温州みかんは11月頃から実を収穫して楽しめるようになります。実全体がオレンジ色に染まったら、収穫のタイミングです。

みかんの木の栽培で注意する病気・害虫は?

つきやすい害虫

みかんの木は病気や害虫の心配の少ない果樹です。ただし、まれにエカキムシやカイガラムシ、ゴマダラカミキリムシの被害にあいます。

特に幹から木くずが出ていたら、ゴマダラカミキリムシが木の中で卵を産みつけた証拠です。穴に針金を刺したり、ノズル式の殺虫剤を散布したりして駆除します。

かかりやすい病気

病気では、黒点病、灰色かび病など主に被害が果実の外観を損ねるものについては、予防をしなくても基本的には枯れたり、衰弱したりすることはありません。

ただし、ウイルスによる病気は果実への影響があるだけではなく木を衰弱させて枯らすなどの症状が現れます。その場合には、柑橘類に適用のある農薬を散布する必要があります。アブラムシなどは、ウイルスを媒介する可能性があるので初期段階で見つけたら駆除するようにしましょう。

みかんの木の育て方ポイント

日当たりのよい場所で育て、摘果をして実の数を制限するのがおいしいみかんを栽培するコツです。摘果をしないと、株の栄養が分散してしまい、実が甘く熟さなくなります。

また、みかんの木は霜に当たると弱ってしまうので、基本的に冬越しは難しいです。みかんの木を地植え栽培するなら、関東以南の地域がよいでしょう。

みかんの栽培にチャレンジしよう!

みかんは、日本を代表する果樹の1つで、古くから栽培されてきています。そのため育てやすく、果樹の中では難易度は低め。また、病気や害虫の心配が少ないのも、果樹の入門編にぴったりの理由です。

肉厚で濃い緑色をした葉っぱは常緑なので、庭のシンボルツリーと育てても楽しめますよ。また、果実は収穫して食べることもできるので一石二鳥。こたつに入って皮をむき、甘酸っぱい味わいを楽しむ時間は、冬を感じさせてくれることでしょう。

更新日: 2021年02月08日

初回公開日: 2016年05月14日

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