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菜の花の育て方|種まきの時期や栽培のコツは?

黄色い花を咲かせる菜の花は、春の到来を感じさせる、日本人に古くから親しまれている植物です。観賞用としてだけでなく、料理の材料や油の原料としても使われ、江戸時代以前は私たちの生活に欠かせないものでした。そんな菜の花は、自宅で簡単に育てることができますよ。今回は、種まきや栽培のコツなど、菜の花の育て方についてまとめました。

菜の花ってどんな花を咲かせる植物?

菜の花 ナノハナ

菜の花は、元は「チリメンハクサイ」を改良した品種だといわれている野菜の花です。小ぶりの花をたくさん咲かせ、花色が鮮やかな黄色であることが特徴。寒さと乾燥に強く、とても丈夫な植物で育てやすいため、初めての方にもおすすめです。

菜の花の育て方!種まきの時期と方法は?

菜の花 苗 ナノハナ

種からでも簡単に育てられることから、苗はあまり市販されていません。種類や品種によって異なりますが、9~10月が種まきの適期です。鉢植えやプランター、地面に種を植えて育てていきます。

鉢植えでの種まき

1. 直径20cm以上、深さ20cmほどの鉢を準備し、土を入れる
2. 鉢の中心に1ヶ所指で穴を空け、3~5粒種をまく
3. 薄く土をかけ、水を与える
4. 土が乾かないように水やりをして、日陰で管理する
5. 発芽したら、日当たりのよい場所へ移す
6. 本葉が2~3枚になったら、元気のよい苗を2~3本残して他を間引く
7. 本葉が4~5枚になったら、1本だけ残して他を間引く

プランターでの種まき

1. 幅600cm以上、深さ20cmほどのプランターを準備し、土を入れる
2. 10~20cm間隔に指で穴を空け、それぞれに種を3~5粒まく
3. 以降の手順は、鉢植えの3~7の手順と同様

地植えでの種まき

1. 日当たりのよい場所を選んで、種をまく2週間以上前に土を耕す
2. 耕した土に苦土石灰を混ぜる
3. 種まきの1週間前に土作りをする
4. 土を高さ10cmほど盛り、スジを作る
5. スジを複数作る場合は、60cmほど間を空ける
6. 15~30cm間隔に指で穴を空け、それぞれに種を3~5粒まく
7. 土を軽く被せ、たっぷりと水を与える
8. 本葉が5~6枚になったら、株同士の間隔が15~30cmになるよう間引く

菜の花の育て方!土作り・水やり・肥料の与え方

ナノハナ 菜の花

土作り

水はけと水もちのバランスがよい土を好みます。鉢やプランターで育てるときは、赤玉土(小粒)7:腐葉土3の割合で混ぜたものか、市販の草花用培養土を使います。地植えは、植え付け2週間前に苦土石灰を混ぜ込み、1週間前に腐葉土や堆肥を庭土に混ぜておきましょう。

水やり

鉢植えやプランターは、土の表面が乾いたら、たっぷりと水を与えます。地植えは、特に水やりの必要はありません。

肥料の与え方

植え付ける前に、ゆっくりと効く緩効性化成肥料を土に混ぜておきます。そして、2月に1回同じ肥料を与えるか、1週間に1回液体肥料を施すと生育がよくなります。

HORTI編集部
初めての方は地植えでの種まきがおすすめ。植えつけた後は水やりも追肥もさほど必要がないので、以降の育て方が簡単ですよ。

菜の花の育て方!剪定や植え替えは必要?

苗を間引くときにきちんと株同士の間隔をとっておけば、剪定の必要はありません。株の間が狭く混み合っているようなら、早めに株を抜き取って間隔を調節しましょう。また、一年草もしくはニ年草で、花が咲いた後に枯れてしまうので、植え替えの必要もありません。

菜の花の育て方のコツは?

菜の花 ナノハナ

日光のよく当たる場所で、冬は寒さに当てて栽培するのが、元気に育てるコツです。寒さに強く、霜に当たっていることがなく、寒さに当てないと花つきがむしろ悪くなってしまいます。

菜の花の育て方!収穫時期と方法は?

菜の花は、花が咲く前の、草丈が20~30cmほどに生長したタイミングで収穫すると、食用にして楽しむことができます。

先端から12~15cmのところで茎をカットしましょう。収穫の際に茎を切ると、そこから新しい芽がでて、収穫量が増えますよ。花が開いてしまうと風味が落ちるので、収穫から2~3日以内に食べるようにしてください。

菜の花の増やし方!種を採取する時期と方法は?

黄色い菜の花の画像

2~5月まで花を楽しんだ後、菜の花は実をつけます。実の色が薄茶色に変わる5~6月は、種が熟し、採取のタイミングです。種は一度洗って乾かして、茶封筒など通気性のよい袋に入れて保存します。秋頃、春の植え付け時と同じ手順で育てていきます。

菜の花の栽培で注意する病害虫は?

アブラムシ

新芽や茎葉に針を突き刺し、栄養を吸い取る害虫です。また、排泄物は「すす病」という病気を誘発します。見つけたらすぐに殺虫剤を散布してください。食用するときは、殺虫剤の成分をよく確認しておきましょう。

アオムシ

モンシロチョウの幼虫で、アブラナ科の植物によく寄生します。放っておくと、葉っぱや茎を食べて、植物を枯らします。数が少ないときはピンセットなどで株から引きはがし、薬剤を散布して駆除してください。

ヨトウムシ

ヨトウガの幼虫で、葉脈以外を食い荒らす強力な害虫です。葉っぱの裏に卵を産み付けているのを見つけたら、切り取って処分し、殺虫剤をまいて駆除していきます。

菜の花は育て方が簡単なので初心者にもおすすめ

葉の花

菜の花などアブラナ科の植物は、害虫の被害が心配ですが、それ以外は日当たりのよい場所に植えさえすれば、丈夫に育ってくれます。発芽率が高く、種からの栽培にチャレンジしたい方におすすめのですよ。

また、植え替えや剪定の手入れがいらないこともうれしいですよね。ガーデニング初心者でもきれいに花を咲かせることができるので、庭にスペースがある方はぜひ、菜の花を育ててみてくださいね。

更新日: 2023年03月15日

初回公開日: 2015年10月19日

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