月桂樹は、「勝利」や「栄光」といった力強い花言葉をもつ植物です。オリンピックのメダリストが、頭につけているのは月桂樹の葉で作られた冠なんですよ。また、その葉はローリエという香辛料として、煮込み料理などに利用することができます。今回は、月桂樹の育て方について、苗の鉢植え、剪定、挿し木の時期や方法などを紹介します。
月桂樹(ローリエ)とは?どんな樹木?
月桂樹は、地中海沿岸に広く分布する常緑性の小高木です。大きくなると、樹高は10m以上にもなります。
雄と雌の木があり、雄であれば黄色い花が、雌であれば白い花が咲きます。
日本には雄株が多いため交配する機会は少ないですが、秋になると雌は暗紫色の果実をつけるのです。葉は、やや先端がとがった楕円形をしており、革質で濃い緑色をしています。
月桂樹(ローリエ)の育て方!苗を鉢植えできる?
土作り
土質を選ばない植物なので、自作する場合は、赤玉土(小粒)6:腐葉土4の割合で混ぜた土を用意します。
鉢植え
4月中旬~5月に苗を植えましょう。苗よりも一回り大きい鉢へ植え付けます。あまり大きい鉢を選んでしまうと、土の量に対して根が少なく、過湿になってしまうので注意してください。鉢の底から鉢底石、土の順に入れ、苗の根は表面をほぐしてから植え付けていきます。
月桂樹(ローリエ)のお手入れ!水やり・肥料の与え方は?
水やり
鉢植えの土の表面が乾いて少したってから水やりをしてください。あまり水を与えすぎると根腐れしてしまうので、水やりは控えめに行うのがポイントです。
肥料
地植えは、2月に油かすなどの有機質肥料を根元から少し離れた場所に施します。鉢植えの場合は、1~2月、8~9月に1回ずつ、効果が長続きする緩効性化成肥料を施しましょう。
月桂樹は、肥料が少ないと元気がなくなるので注意してくださいね。
月桂樹(ローリエ)の育て方で気をつける害虫や病気は?
月桂樹は害虫がつきやすく、カイガラムシやハマキムシ、テッポウムシなどの被害を受けます。見つけたらすぐに殺虫剤を散布するか、歯ブラシでこすり落としてください。
特に、カイガラムシを放っておくと、甘い排泄物引き寄せられて菌が集まり、すす病を併発する恐れがあります。
月桂樹(ローリエ)の剪定の時期と方法は?
枝葉をよく茂らせるので、定期的に枝を切り落として樹形を整えます。4月と10~11月頃に1年に2回、重なり合った枝や弱った枝、枯れた枝などを根元から切り落としましょう。
また、枝が細かく分かれているところは、間引いて風通しをよくします。多少短く切ってしまっても、枝がどんどん伸びてくるので安心してください。
全体のシルエットを細長く、もしくは少し丸みが出るように仕立てるといいですよ。
月桂樹(ローリエ)の植え替え時期と方法は?
鉢植えは、鉢の中が根でいっぱいになったら植え替えをします。4~5月頃に、根を傷つけないように一回り大きな鉢に植え替えていきましょう。
月桂樹(ローリエ)の増やし方!挿し木の時期と方法は?
月桂樹は、挿し木で数を増やすことができます。6~8月頃に、今年生えてきた枝を10~15cmの長さに切りとりましょう。再度、切り口の面積が大きくなるようにできるだけ斜めに切り、1~2時間ほど切り口を水につけておきます。
その後、赤玉土だけを入れた小鉢やポットに穴を空けてから挿し穂を植え、風通しのいい日陰で根が出るのを待ちます。土が乾燥しないように管理しながら、十分に根が育ってきたら新しい鉢や庭に植え替えてください。
月桂樹(ローリエ)の育て方のポイントは?
月桂樹は、水はけと日当たりのいい土地に植え付ければ、土質を選ばずに育ちます。また、上にまっすぐ伸びるので、育てるスペースもそれほど必要としません。
ただ、どんどん枝が茂っていくので、定期的に枝を切って風通しをよくする必要があります。剪定を行うことで過湿にならず、病害虫の繁殖を抑えて、健康に育てることができます。
月桂樹(ローリエ)の育て方を覚えて剪定も楽しもう
月桂樹は、どんどん枝を伸ばして育つ生命力の強い樹木です。どんな土でも日当たりがよければ育つので、初心者でも安心ですよ。
また、大きくなると剪定などの作業を楽しめるのも魅力です。樹木を植えたい、木を育ててみたいという方は、月桂樹からはじめてみてはいかがですか?
更新日: 2023年03月15日
初回公開日: 2015年08月26日