ワイルドストロベリーは、野いちごの一種です。育てると恋人ができる「幸せを呼ぶハーブ」として一時期話題にもなったことから、名前は聞いたことがあるという人も多いかもしれません。育て方は簡単で、一年中花が咲く性質があることから、室内の観葉植物にするのもよいですよ。また、収穫できる実は、果実酒やジャムに利用できます。今回は、そんなワイルドストロベリーの育て方について、植え替えの方法などをご紹介します。
ワイルドストロベリーの育て方のポイントは?室内でも育つ?
植え付ける場所を制限し、余分なランナーを切りながら肥料をきちんと与えることが、ワイルドストロベリーを栽培するポイントです。ノイバラのようなかわいらしい花を咲かせる反面、暑さにも寒さにも強いと性質は丈夫。横に広がる性質から、グランドカバーに利用することもできます。
ただ、丈夫な分、広がり過ぎることもあるので、植え付ける場所はきちんと選び、広がり過ぎないように管理していくとよいですよ。
室内で育てるときは日当たりの良い場所に置くようにしてください。
ワイルドストロベリー(四季なりイチゴ)の種まきの時期と方法は?
ワイルドストロベリーは、発芽適温が18~25度なので、4~6月上旬か、9~10月が種まきの適期です。3号の育苗ポットで苗まで育ててから、鉢や地面に植え替えていきましょう。
- 育苗ポットに赤玉土(小粒)や市販の培養土など、種まき用の土を入れる
- 土の上に種をばらまく
- 発芽には光が必要なので、土を薄く被せたら、容器の底から土に吸水させる
- 発芽まで土が乾かないよう水やりをして、明るい場所で管理する
- 本場が2~3枚生えたら、生育のよいものをそれぞれ育苗ポットに移す
- 土が乾いたら水やりをして、引き続き明るい場所で管理する
- 本葉が5~6枚に生長したら、鉢やプランター、地面に植え替える
ワイルドストロベリー(四季なりイチゴ)の苗植えの時期と方法は?
生育適温が15~25度なので、3~6月か9~10月が苗植えの適期です。10号鉢に1~2株、60cmプランターで2~3株が植え付けの目安です。
地植えにするときは、株同士の間隔を30cm以上空けて植え付けていきます。植えるとき、株元からランナーと呼ばれる茎が生えてくるので、土の中に埋まらないよう気をつけてください。また、すずしい場所を好むので、風通しのよい場所を選んであげます。
ワイルドストロベリーの土作り、水やり、肥料の与え方
土作り
水はけと水もちのバランスがよい土を好みます。ただ、根が浅くはるので、乾燥には少し弱い傾向にあります。土は、市販の花と野菜用培養土や、苺専用培養土を使うのがおすすめです。
自分で配合するときは、赤玉土(小粒)6:腐葉土4の割合で混ぜた土でもかまいません。地植えは、植え付ける場所の土を耕し、2~3割腐葉土を混ぜ込んでおくとよいですよ。
水やり
土が少し湿っているのがワイルドストロベリーにとってベストな状態です。植え付け場所にかかわらず、土の表面が乾いてきたら水やりをすると生育がよくなりますよ。
ただ、花や葉っぱに水がかかると、株が傷んだり腐ったりしてしまうので、水は株元に注いで与えてください。また、株が蒸れないよう、朝や夕方など、気温が高くない時期に水やりをすることもポイントです。
室内で育てるときも、乾燥しすぎないように、表面が乾いてきたら少し湿らせるようにしましょう。
肥料の与え方
実付きをよくするために、肥料を定期的に与えていきます。液体肥料なら、3~6月と9~10月の間、10~15日に1回のタイミングが最適です。
ゆっくり効く緩効性化成肥料なら、同時期に1ヶ月に1回くらい与えるとよいです。窒素分の多い肥料は、茎葉ばかりが茂ってしまうので、リン酸やカリウムの割合が多い肥料を選ぶようにしてください。
ワイルドストロベリーの剪定の時期と方法は?
ワイルドストロベリーの葉っぱは、徐々に枯れていきます。枯れた葉をそのまま放っておくと、カビの原因になり病気を引き起こしてしまうので、見つけたら早めに取り除いてください。
また、熟した果実も、忘れずに収穫していきましょう。実付きをよくしたいときは、余分なランナーをこまめに切り落としていくことも大切です。
ワイルドストロベリーの収穫の時期と方法は?
ワイルドストロベリーは、普通のイチゴよりもかなり小さく、早く熟します。また、「四季なりイチゴ」という名前でも呼ばれる通り、真夏と真冬を除いて花が咲き、実を付けます。実が色付きはじめたらこまめにチェックして、全体が真っ赤になったらつけ根から切り取りましょう。種をとるときは、実がしわしわになるまで待ちます。
ワイルドストロベリーの植え替えの時期と方法は?
ワイルドストロベリーは生育旺盛なので、ほうっておくとすぐに鉢の中は根でいっぱいになってしまいます。1~2年に1回、1回り大きな鉢に植え替えていきましょう。3~6月か9~10月が適期です。
ワイルドストロベリーの増やし方。株分けの時期と方法は?
ワイルドストロベリーは、種まきか株分けで数を増やすことができます。果実から収穫した種は、上記でご紹介した方法で種まきをしていきます。
株分けは、葉っぱが3〜4枚出てくる9~10月頃が適期です。子株が出ていることを確認したらを切り離してそれぞれ植えなおしましょう。
ワイルドストロベリーの育て方で注意する病害虫は?
葉や茎が、小麦粉を吹きかけたように白くなることがあります。これはうどんこ病と呼ばれるカビが原因の病気です。
日当たりや風通しが悪いと起こりやすいので、株同士の間隔はきちんと空け、枯れた葉っぱや果実はこまめに取り除いていきましょう。また、病気にかかった葉っぱ早めに切り落として処分してください。
ワイルドストロベリーは幸せを運ぶ草花
幸せを運んでくれるというジンクスが魅力的なワイルドストロベリー。実の栄養成分も高く、葉もハーブティーに利用できる便利な植物でもあります。野生種で、暑さにも寒さにも強いことから、栽培の手間がかからないことも人気の理由。かわいらしい植物からガーデニングをはじめてみたい!と思う方におすすめです。
更新日: 2021年12月08日
初回公開日: 2016年05月22日