カルーナは、ヨーロッパや北アフリカなどの、地中海周辺に生息している植物です。エリカの記念酒で、初夏から秋にかけて小さな花を枝いっぱいに咲かせる姿が楽しめます。また、冬に紅葉する姿も美しいですよ。
今回は、そんなカルーナの花言葉や育て方について、寄せ植えや剪定の方法などをご紹介します。
カルーナとは?どんな花を咲かせるの?
カルーナとは、ツツジ科・ギョリュウモドキ属に分類される常緑性の低木です。エリカに近い品種で、経にしやすいことから、数え切れないほどたくさんの品種があり、バリエーションが豊富な植物として知られています。
樹高は10~60cmと幅があり、木のように立ち上がるもの、地面をはうもの、クッションのように茂るものなど、育ち方もさまざま。特に地面をはうものはグランドカバーとして利用しやすいですよ。
いずれも、細かい枝をよく生やしながら、たくさんの細かいうろこのような葉っぱを茂らせます。そして、6~9月になると、枝を覆うように白やピンクの花を咲かせます。
寒さに強く丈夫な性質で、開花期が長く花の色が褪せないことから、長期間花を楽しむことができますよ。また、冬に赤や黄色に葉っぱが紅葉する姿も見られ、色々な姿を見せてくれることも魅力となっています。
カルーナの花言葉と名前の由来は?
『自立』『連理の枝』『旅立ち』『誠実』
カルーナは細かく分かれる枝を絡ませ合いながら生い茂ります。その姿が仲睦まじい男女を連想させることから、情愛が深い夫婦をあらわす「連理の枝」という花言葉が付けられました。
カルーナの花の色や別名は?
- 学名
- Calluna vulgaris
- 科・属名
- ツツジ科・ギョリュウモドキ属(カルーナ属)
- 英名
- Heather
- 原産地
- モロッコ、ヨーロッパ北西部、シベリアなど
- 開花期
- 6~9月(一部12~3月の冬咲き品種もある)
- 花の色
- ピンク、紫、白
- 別名
- カルーナ・ブルガリス
御柳疑(ギョリュウモドキ)
カルーナの種類!ガーデンガールズやブルガリスなどの品種は?
ガーデンガールズ
草姿がきちっとまとまり、濃い葉色が人気のガーデン・ガールズは、カルーナの中で最も人気の品種の1つです。花色は白、紫、濃いピンク、淡いピンクの4種類。寄せ植えによく利用されます。
ブルガリス
葉は緑や黄緑色があり、秋には赤やオレンジ色に紅葉します。花の色は白、ピンク、赤紫色などがあり寄せ植えのなかで名脇役になってくれます。
ビューティーレディー
ヨーロッパで特に人気の品種で、白、紫、赤紫、黄色などの花色があります。やや草丈が高く、スラリとした見た目をしており、米粒状の花を密に咲かせます。
ゴールドヘイズ
コニファーを思わせるフサフサとした葉っぱを付ける品種です。黄色を帯びた緑色の葉色をしており、冬になるとくすんできます。花を楽しむというよりは、庭木として楽しむタイプです。
カルーナの苗植えの時期と方法は?植え替えは必要?
3~4月か9月下旬~11月中旬が植え付けの適期です。鉢植えでも地植えでも育てられますが、はじめて栽培するときは環境が変えやすい鉢植えにしたほうが安心です。
鉢植え
カルーナは、水はけのよい酸性の土を好むので、苗よりも1回り大きな鉢と鹿沼土7:ピートモス(もしくは腐葉土)3の割合で混ぜた土を準備します。株に付いた根は下の方を軽くほぐし、傷んだ根を切り落としてから植え付けていきます。
鉢底石を入れ、土を鉢の1/3ほど入れてから苗を入れ、土を上からかけて株を固定していくとうまくいきますよ。その後は、毎年1回り大きな鉢に植え替えをしていきます。
地植え
水はけのよい土で風通しのよい場所を選んで植え付けていきます。苗より1回り大きな植え穴を掘って植え付けましょう。
土の水はけが悪いようなら、植え穴を掘った土にピートモスや腐葉土を2~3割混ぜ込んでおくとよいですよ。また、複数の株を植え付けるときは、株同士の間隔は50~60cm空けるようにしてください。
カルーナの水やり・肥料の与え方は?
水やり
過湿だと株が蒸れて弱ってしまいますが、カルーナは乾燥にも弱い樹木です。鉢植えは、土の表面が乾いたらたっぷりと水やりをするようにしていきましょう。地植えは、雨が降らない日が長く続いてしまったら、水やりをするくらいでかまいません。
肥料の与え方
カルーナは、厳しい環境でも育ってくれる強さをもっています。そのため、肥料を与えすぎると逆効果になってしまいます。
植え付けるとき、土にゆっくりと効く緩効性化成肥料を混ぜ込んだあとは、4~6月の間に1回、緩効性化成肥料か油かすとこ骨粉を等量混ぜ合わせた有機質肥料を少量株元に施してあげるだけで十分です。
また、冬に元気がなければ、薄めた液体肥料を水やり代わりに与えてもよいですよ。
カルーナの寄せ植えの方法は?
カルーナは、ほっそりとした枝を放射状に広げる姿が目立ちすぎず、うまくほかの花を引き立ててくれることから、寄せ植えの材料としても人気があります。
夏に花を咲かせる品種であれば、色違いのカルーナを数株植え付けるのが人気。
一方、冬咲きの品種は、シクラメンやパンジー、葉牡丹など草丈の低い植物と合わせると高低差が出てまとまりますよ。ポインセチアと寄せ植えにすれば、クリスマスのすてきな寄せ植えにもなりますね。
カルーナの剪定の時期と方法は?
カルーナの株を長い年月放っておくと、どんどん枝がからみ合いながら茂って株が蒸れやすくなってしまいます。
そのため、花が咲き終わったら、1/2くらいの高さで株をバッサリと刈り込んでしまいます。花が咲かない種類は、3~4月に剪定するとよいですよ。
カルーナの増やし方!挿し木や株分けの時期と方法は?
挿し木
挿し木の成功率が高く、簡単に株を増やして楽しめるのもカルーナの楽しみです。4~5月に、枝の先端を3~5cmほど切り取り、鹿沼土7:ピートモス(もしくは腐葉土)3の割合で混ぜた土に挿していきます。
その後は土が乾かないよう水やりをして日陰で管理し、根が十分に生えたらそれぞれ鉢や地面に植え付けて育てていきます。
株分け
植え替えのタイミングで、大きくなったものは株分けで数を増やすことができます。鉢や地面からほりあげた株は、根に付いた土をキレイにほぐし、根をナイフで2~3分割していきましょう。
それぞれは、苗植えと同様の手順で植え付け、育てていきます。
カルーナの育て方のポイントは?
夏の暑さに耐えられるよう、涼しく風通しのよい場所で育てることがポイントです。冬の寒さには強い反面、夏の暑さには弱く、株が蒸れると生育が衰えたり、枯れたりしてしまいます。
ただ、乾燥にも弱いので、土の表面が乾いたら水やりをしてください。
カルーナは丈夫で育てやすい常緑性の低木
カルーナは、他の植物が育たないような酸性土壌の荒れ地で育つので、燃料や、ろ過するためのフィルター、さらにはベッドの材料にと、特にヨーロッパの人々の生活に欠かせない植物でした。
現代でも、その丈夫な性質を生かして、寄せ植えに人気の花材の1つとなっていますよ。花色も豊富で、病害虫の心配がないほど丈夫なので、花を咲かせる低木をお探しの人にはおすすめです。
更新日: 2021年12月15日
初回公開日: 2016年05月25日