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彼岸花(ヒガンバナ)の花言葉|怖い意味もある?花が咲く季節や時期は?

日本では秋の花として親しまれる彼岸花(ヒガンバナ)。別名、リコリスや曼珠沙華(まんじゅしゃげ)とも呼ばれ、日本特有の「彼岸」の時期に咲く花として知られています。映画や歌のタイトルにも使われたことから、「赤い花」として印象に残っている方も多いのではないでしょうか?

今回は、そんな彼岸花の花言葉や学名の由来や別名、種類、開花時期や見頃の季節について、水戸市植物公園の西川園長のお話を交えてご紹介します。

彼岸花(曼珠沙華)の花言葉!色で意味が違う?

ヒガンバナ 彼岸花

『情熱』『独立』『再会』『あきらめ』『転生』『悲しい思い出』『思うはあなた一人』『また会う日を楽しみに』

● 色別の花言葉

情熱/独立/再開/悲しい思い出
思うはあなた一人/また会う日を楽しみに
追想/深い思いやりの心
ピンク 快い楽しさ
オレンジ 妖艶

彼岸花は、その印象的な赤い花色から「情熱」「思うのはあなた一人」といった花言葉が生まれたといわれています。しかし、彼岸花の花は死や不吉なイメージの方が強いですよね。

それは、「彼岸花を家に持ち帰ると火事になる」「彼岸花を摘むと死人がでる」「彼岸花を摘むと手が腐る」といったいくつかの恐ろしい迷信があるためです。これらは、花色や花姿が炎を連想させることと、彼岸花のもつ毒によるものとされています。

決して怖い花言葉をもっているわけではないのですが、死や不吉な印象があることから贈り物として用いられることはほとんどありません。

HORTI編集部
そんな迷信が不吉なイメージを植え付けた原因だったんですね。西川さんは、彼岸花の花言葉にまつわる体験を何か経験されたことはありますか?

水戸市植物公園 西川園長
水戸市植物公園では池の縁に彼岸花を列植しています。彼岸の頃、真っ赤な花が水面に写ってとても幻想的なシーンになります。何年か前、植物園の大先輩が来園された時、「いいものを見せてもらった」と、このシーンを撮影されていました。この時期になると「またお会いしたいなぁ」と思い出したりします。まさに”また会う日を楽しみに”ですね。

彼岸花(曼珠沙華)とは?別名は?

彼岸花 ヒガンバナ 花
学名
Lycoris Radiata
科・属名
ヒガンバナ科・ヒガンバナ属
英名
Spider lily
原産地
日本、中国
開花期
7~10月
花の色
赤、白、ピンク、黄、クリームなど
別名
彼岸花(ヒガンバナ)
曼珠沙華(まんじゅしゃげ/かんじゅしゃか)
死人花(しびとばな)
地獄花(じごくばな)
幽霊花(ゆうれいばな)
剃刀花(かみそりばな)
狐花(きつねばな)
捨子花(すてごばな)
毒花(どくばな)
痺れ花(しびればな)
天蓋花(てんがいばな)
狐の松明(きつねのたいまつ)
狐花(きつねばな)
葉見ず花見ず(はみずはなみず)
雷花(かみなりばな)
レッドスパイダーリリー
ハリケーンリリー
マジックリリーなど

彼岸花とはヒガンバナ科・ヒガンバナ属(リコリス属)に分類される球根植物です。日本や中国に広く自生し、秋の彼岸の期間(秋分の日を入れた前後3日間)だけに花を咲かせることに由来して名付けられました。9月頃になると赤や白、ピンクなど花を咲かせるのが特徴です。

彼岸花(曼珠沙華)の特徴は「花が咲いてから葉が伸びる」こと

ヒガンバナ 彼岸花

彼岸花は「まず花が咲き、後から葉っぱが伸びる」という通常の草花とは逆の生態をもっています。その葉と花を一緒に見ることがない性質から「葉見ず花見ず」と呼ばれ、昔の人は恐れをなして、死人花(しびとばな)や地獄花(じごくばな)などと呼ぶこともありました。

HORTI編集部
確かに彼岸花には葉っぱのイメージがないですね。

水戸市植物公園 西川園長
彼岸花の葉は、花が咲き終わった4〜5月頃に、地際から多数発生します。濃い緑色で光沢のある細い葉が特徴です。

彼岸花(曼珠沙華)の開花時期や見頃の季節は?

ヒガンバナ 彼岸花

彼岸花の見頃の時期は、9月下旬あたりです。自生している原種は彼岸である秋分の日前後に花を咲かせますが、品種改良によって最近では夏〜秋の間に見頃の時期を迎えるものもでてきました。

乾燥状態が続いた後に大雨が振ると、一斉に花が咲くという現象があります。これが「雨後の彼岸花」とも呼ばれる由縁です。もし彼岸花を見に出かけるなら、雨が止んだ後をおすすめします。

彼岸花(曼珠沙華)の関東の名所といえば埼玉県の巾着田!

彼岸花が一望できる場所といえば、埼玉県日高市の「ひだか巾着田」が一番有名です。彼岸花の名所とも呼ばれる巾着田では、コスモスや菜の花なども自生しており、自然豊かな環境で育つ植物たちを見て楽しむことができます。

彼岸花・曼珠沙華・リコリスは同じ花?違いはあるの?

ヒガンバナ 彼岸花

日本では「彼岸花」が一般用語となっていますが、「リコリス」「曼珠沙華」という別名で表現されることもあります。しかし、実際は全て同じ植物を指していることに代わりません。リコリスは学名、彼岸花が和名、曼珠沙華は別名です。

ただ、学名は甘草の名前で親しまれる「Licorice(リコリス)」と同音のため混同されることもあるので注意してくださいね。

彼岸花(曼珠沙華)の種類は?

彼岸花には何百という品種が存在し、今も品種改良によって日々新しいものが生み出されています。赤色のイメージが強い彼岸花ですが、他に白、赤、黄、オレンジ、ピンクなどが存在します。ただ、日本では彼岸花の流通が少なく、園芸植物として人気が高くはありません。

次に代表的な品種をいくつかご紹介します。

リコリス・アルビフローラ(白花曼珠沙華/白彼岸花)

白い花びらをしていることから白彼岸花とも呼ばれる品種です。花が咲いた後に葉がでる秋出葉型タイプで、花びらの縁がゆるやかな波を打って外側に反る特徴があります。

オーレア(ショウキラン/ショウキズイセン)

黄色の花びらをした原種で、秋出葉型なので花が咲き終わった後に葉っぱが生えてきます。リコリス・アルビフローラと同様に、花びらが波を打って外に反り返る特徴があります。耐寒性が少しありますが、主に四国や九州に自生している品種です。

HORTI編集部
西川園長のおすすめの彼岸花の種類・品種や色を教えてください!

水戸市植物公園 西川園長
私がおすすめするのは、やっぱり真っ赤な美しい彼岸花の群衆です。京都へ行った時、キイジョウロウホトトギスを庭園で見て、帰りのバスの中で見惚れたのが、田んぼの土手に咲く真っ赤な彼岸花の力強く美しい姿。とても輝いていましたね。

彼岸花(曼珠沙華)は虫除けに効果のある草花

彼岸花 ヒガンバナ 花

彼岸花の球根は毒があります。地中に潜むモグラやネズミは、他の植物の根はかじっても、彼岸花のものはかじらないと言われています。「毒」と聞くと少し怖いイメージをもちますが、その美しい花とともに花名の由来や歴史的な事実も学んでいくと、彼岸花の印象が変わるかもしれませんね。

水戸市植物公園 西川園長の”彼岸花(曼珠沙華)コラム”

彼岸花 曼珠沙華 ヒガンバナ

彼岸花は食用は厳禁ですが、飢餓の時に球根の毒を水で流して利用したり、水戸黄門の命令で発行した家庭の医学書「救民妙薬」では、球根をすり下ろして患部に当てて湿布剤としました。何もなく本当に困った時、役立つ植物かもしれませんね。

更新日: 2022年07月20日

初回公開日: 2015年06月30日

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