スカビオサは、真ん中が盛り上がった花姿が印象的な花で、別名「マツムシソウ(松虫草)」とも呼ばれています。一年草、二年草、多年草と育てられる期間が品種によって異なり、作りたい庭に合わせて選ぶことができます。また、開花期間が長く、冬も花が咲き続けているものもありますよ。今回は、スカビオサの種まきや苗植えの時期と方法など、育て方をご紹介します。
スカビオサの育て方のポイントは?
風通しのよい環境で育てるのがポイントです。スカビオサは元々高い山に自生していることから、霜が当たっても平気なほど寒さに強い反面、暑く湿度の高い環境ではすぐに枯れてしまいます。
咲き終わった花はこまめに切り落とし、梅雨以降は涼しい半日陰に移動させたり、地温の上昇を抑えたりと工夫をしましょう。
スカビオサの種まき、苗植えの時期と方法は?
種まき
9~10月が適期です。気温が高いと発芽しないので、早めにまかないように注意してください。
1. 育苗ポットにバーミキュライトを入れ、種を2~3粒まく
2. 薄く土を被せ、土が乾かないように水やりをして管理する
3. 発芽したら、元気のよい苗を1つ選んで、他を間引く
4. 11月頃まで薄めた肥料を1週間に1回与えながら、引き続き管理する
5. 本葉が3~4枚になったら、鉢や地面に植え替える
苗植え
苗は、3~4月に鉢植えか地植えにして育てます。鉢植えは、苗よりも1回り大きな鉢に植え付けていきます。地植えは、日当たりと風通しのよい場所を選び、苗よりも1回り大きな植え穴を掘って植えます。
株同士の間隔は、草丈に合わせて10~30cm空けておきましょう。短期間しか栽培しないときは、間隔をつめて植えてもかまいません。
スカビオサ(マツムシソウ)の土作り・水やり・肥料の与え方
土作り
水はけのよい土が育てるのに適しています。鉢植えは、赤玉土(小粒)4:軽石砂4:腐葉土2の割合で混ぜた土か、市販の山野草培養土を利用します。市販の草花用培養土を使うときは、2~3割鹿沼土や山砂を混ぜておきましょう。
地植えは、植え付ける前に土に腐葉土や山砂を混ぜ合わせておきましょう。また、酸性の土を嫌うので、植え付ける2週間前に苦土石灰を土に混ぜておくと安心です。
水やり
土の表面が乾いたら、たっぷりと水を与えます。湿度が高いと枯れてしまうので、真夏は朝や夕方など涼しい時間帯に水やりをしてください。
肥料の与え方
植え付ける土にゆっくりと効く緩効性の化成肥料を施しておきます。そして、3~4月と9~10月に1回ずつ同様の肥料を与えるか、同時期の7~10日に1回、薄めた液体肥料を与えましょう。
スカビオサの剪定、夏の手入れは?
剪定
スカビオサは蒸れに弱いことから、枯れた花は早めに摘み取り、株全体の風通しをよくしておきます。また、花が咲き終わった後は、半分くらいにカットしてしまうと、新しい芽を出して再び花を咲かせます。
夏の手入れ
湿気に弱いことから、鉢植えを屋外で育てているときは、6月以降は室内に取り込んでおきます。地植えは、6~9月の間は株元をワラや腐葉土で覆い、地面の温度が上がるのを防ぎます。この作業によって、地面の泥が株にはねて病気へ感染するのを防ぐ効果もあります。
また、草丈が高くなってきたら、支柱を立てて、株元を紐で結ぶと倒れにくくなります。
スカビオサの植え替えの時期と方法は?
ー年草、二年草の品種は植え替えの必要はありません。多年草の品種の鉢植えは、1~2年に1回、1回り大きな鉢に植え替え、根づまりを防ぎます。
植え替えの時期や手順は、植え付け時と同様です。地植えのものも、3~4年に1回、株分けを兼ねて植え替えを行うと、生育がよくなりますよ。
スカビオサの増やし方!株分け・挿し木の時期と方法は?
スカビオサは、種まき、株分け、挿し木で数を増やすことができます。種まきは、植え付け時と同様の手順です。株分けや挿し木は2~4月が適期です。
株分け
1. 株を掘り上げ、根についた土を軽くほぐす
2. 花芽がそれぞれに2~3個つくように株を手やナイフで分ける
3. それぞれの株を、鉢や地面に植え付ける
挿し木
1. 花がついていない若い茎を選ぶ
2. 先端から7~10cmほどのところで茎を切り取る
3. 川砂やバーミキュライトを入れた鉢に茎を挿す
4. 土が乾かないように水やりをして管理する
5. 根が十分に生えたら、鉢や地面に植え替える
スカビオサの育て方で注意する病害虫は?
灰色カビ病
湿気が多く、風通しが悪いと発生しやすい病気で、株全体がカビで覆われ、枯れてしまいます。最初は葉や茎にシミのような斑点ができるので、感染した場所は早めに切って取り除きます。病気が株全体に広がってしまったら、治療はできないので、株を土から引き抜き処分します。
スカビオサの育て方を覚えて花を咲かせよう
スカビオサは、元々高山に自生していることから、湿気に弱く、夏の管理には気をつかいます。ただ、寒さには強く、霜が多少当たっても枯れることはありません。きれいな花を楽しむためにも、育てる環境をしっかりと整えてあげてくださいね。
更新日: 2021年12月01日
初回公開日: 2015年10月16日