星のような花の姿をしている「クロウエア」という植物を知っていますか?常緑の低木で、星形の小さな愛らしい花の姿を楽しむことができることから、日本ではサザンクロスという和名で親しまれています。葉をもむと柑橘系の爽やかな香りがしますよ。今回は、そんなサザンクロスの花言葉と育て方についてご紹介します。
サザンクロスの花言葉は?
『願いを叶えて』『まだ見ぬ君へ』『光輝』
星のような花の姿をしていることから、「流れ星に願い事をすると叶う」という言い伝えにちなんで、「願いを叶えて」という花言葉がつけられました。
サザンクロスの花の色や別名は?
- 学名
- Crowea
- 科・属名
- ミカン科クロウエア属
- 英名
- Crowea
Waxflower
- 原産地
- オーストラリア東南部
- 開花期
- 5~11月
- 花の色
- 白、ピンク
- 別名
- クロスウエア
サザンクロスの花や葉の特徴は?
サザンクロスの葉は、細長い披針形をしていて、花径1~3cmほどのやや光沢のある5枚の花びらを持っています。星のようなかわいらしい花姿に加えて、1週間以上も花が咲き続けること、次々にたくさんの花をつけることから、園芸植物として人気があります。
和名の「サザンクロス」は、オーストラリア原産で星のような形の花を咲かせることから南十字星(サザンクロス)が連想されたことでつけられました。英名の「クロウエア」は、イギリスの植物学者James Crowe(ジェームス・クロウ)氏によって名付けられたといわれています。
日本ではサザンクロスとして流通していますが、原産国オーストラリアでサザンクロスとはセリ科の植物のことを指すので、違う植物を意味します。
サザンクロスの開花時期や見頃の季節
サザンクロスは、5~11月が開花期になります。冬以外の間花が咲き続けるので、花壇や室内に飾って長い間楽しむことができます。
サザンクロスの花の種類は?
日本で流通しているサザンクロスは、エクサラタ(Crowea saligna)種とサリグナ(Crowea exalata)種の2種が主流です。もしくは、この2種との交配種が多く出回っています。エクサラタ種は細長い葉、サリグナ種はエクサラタ種に比べて葉が大きく、披針形をしています。
クロウエア・エクサラタ
サザンクロスの原種の1つです。葉が細長く、1~3cm程度のピンク色の花びらを咲かせます。
クロウエア・サリグナ
サザンクロスの原種の1つです。葉っぱが披針形で、花はエクサラタと似ています。
プーリンダ・エクスタシー
葉っぱは、披針形でピンク色の大きな花びらをしているのが特徴的です。
ホワイト・スター
白色の花びらをしている希少品種で、開花期間が短いのが特徴です。やや細長い葉っぱと、白い花びらのコントラストが美しいと人気があります。
フィリーナ
葉っぱに斑が入る珍しい品種です。他の品種よりも耐寒性があり、ピンク色の花びらをつけます。
サザンクロス・ホワイトピンク
白い花びらで中心が淡いピンク色をした園芸品種です。開花期間が長く、丈夫で育てやすい性質をしており、ほのかな柑橘系の香りがするのが特徴です。
サザンクロスの育て方のポイントは?
サザンクロスは、風通しで日当たりがよい環境で、水はけのよい土を好みます。高温多湿にやや弱いため、半日陰や遮光ネットなどを利用し、夏の強い日差しは避けるようにしてください。また、鉢植えの場合は、雨が続いた場合軒下など長雨に当たらないように移動させましょう。
寒さにもやや弱く、霜や寒風に当たると株が弱ってしまうため、寒い地域では室内の日当たりのいい場所で管理すると育てやすいですよ。
サザンクロスの植え付け・植え替えの時期と方法は?
サザンクロスは、3月中に苗を植え付けて育てはじめます。鉢植えの場合は、軽石を底に敷いて土を入れてから植え付けます。地植えの場合は、地表よりやや高めに土を盛って植え付けるようにすると水はけがよくなりますよ。
植え替えは、植え付け同様に3月中に行います。鉢植えへ植え替えしたい場合、約1週間は日向におかず、明るい日陰で管理するようにしましょう。
サザンクロスの土づくり・肥料・水やりの時期と方法は?
サザンクロスは、水はけのよい土を好むので、赤玉土(小粒)5:腐葉土3:川砂またはパーライト2ほどの混合用土を用意しましょう。
水やりは、土の表面が乾燥してきたらたっぷりと与えるようにしましょう。乾燥よりも多湿を嫌うため、水の与えすぎには注意してくださいね。また、夏場は乾燥が早いので、水やりが必要かどうかを定期的に観察して見極めましょう。地植えの場合は、何週間も雨が降らないようであれば水やりを行いますが、基本的には天候任せで大丈夫です。ただ、冬場の水やりは頻度を少なくし、乾燥気味に育てましょう。
肥料は春~秋にかけて月に2回程度液体肥料を与えるか、緩効性の化成肥料を根元に施しておきます。ただし、夏場に肥料を与えると株を弱らせてしまうことがあるので、与えてはいけません。
サザンクロスの剪定と増やし方!切り戻しと挿し木の方法と時期
サザンクロスの剪定は、草丈が伸びてバランスが悪くなってきた7月頃、もしくは12月頃に行います。7月に切り戻しを行うと、秋にたくさんの花を楽しむことができます。
サザンクロスの増やし方は、挿し木です。5~6月、もしくは9月頃に挿し木を行います。新芽の中で元気のよいものを選び、先端から2~3節のところで切り取って挿し穂をつくります。
挿し穂は30分程度水につけておき、その後湿らせた赤玉土(小粒)単用か、パーライト7:ピートモス3くらいの用土に割り箸などで穴を空けて、挿して育てます。水を切らさないように育てると発根しはじまるので、挿し木同士の根がぶつからない程度まで育った段階で鉢や地面に定植させてください。
サザンクロスの育て方で注意する病害虫は?
サザンクロスは害虫に強く、病気になりにくい植物です。ただし、株が弱っているとカイガラムシやアブラムシが発生することがあります。風通しや日当たりが悪く、多湿な状態が原因で発生しやすく、一度発生すると栄養を吸汁して株を弱らせてしまいます。
カイガラムシは、発見したらすぐに歯ブラシや手などで取り除き、弱った部分を切り取りましょう。また、幼虫が出てきたら薬剤で駆除するようにします。アブラムシも同様に、大量発生する前に駆除するようにしてください。
サザンクロスは育て方によって長く花が楽しめる
サザンクロスは、適度な肥料と多湿に注意することで、長い期間花を咲かせてくれます。愛情を持って、ちゃんと観察して育てれば、かわいらしい星形の花を楽しませてくれますよ。過程も楽しみながら、育ててみてください。
更新日: 2021年12月01日
初回公開日: 2015年07月23日