春から秋に、青やピンクの咲かせるスカビオサ。和名では「マツムシソウ(松虫草)」と呼ばれますが、そのユニークな花姿から、鉢植えや地植えとして育てるだけでなく、切り花やドライフラワーにして楽しまれています。また、開花期間が長いことも特徴です。今回は、スカビオサの花言葉や種類、見頃の時期や季節についてご紹介します。
スカビオサ(マツムシソウ)の花言葉は?
『不幸な愛』『私は全てを失った』
西洋では、青い花は悲哀の象徴とされることがよくあります。中でも青いスカビオサは、伴侶を失った未亡人へ贈るのに適した花とされ、「不幸な愛」「私は全てを失った」という悲しい花言葉が付けられました。
スカビオサ(マツムシソウ)の花の色や別名は?
- 学名
- Scabiosa
- 科・属名
- マツムシソウ科(スイカズラ科)・マツムシソウ属(スカビオサ属)
- 英名
- Scabiosa
- 原産地
- ヨーロッパ、アジア、アフリカ
- 開花期
- 5~10月
- 花の色
- 青、紫、白、ピンク、黄、赤
- 別名
- マツムシソウ(松虫草)
リンボウギク
スカビオサ(マツムシソウ)とは?どんな花を咲かせる?
スカビオサは、ヨーロッパ、アジア、アフリカの広い範囲に分布する、1年草または多年草です。草丈は10~100cmと品種によって異なり、まっすぐに伸びた茎の先に3~5cmの花を咲かせます。また、中央が盛り上がったように咲くものや、くす玉のような形をしたものなど、花の形も様々です。
名前の由来
日本にある固有種は、松虫が鳴く頃に咲くことから、「松虫草(マツムシソウ)」と名付けられました。また、花の散った後の姿が松虫鉦(マツムシガネ)という仏具に似ていることが名前の由来とする説もあります。
学名の「Scabiosa」は、ラテン語で「疥癬(かいせん)」という皮膚病を意味する「Scabiea」が語源となっています。これは、皮膚病の薬草として用いられていたことに由来しています。
スカビオサ(マツムシソウ)の開花時期と見頃の季節は?
開花時期は春と秋の2パターンが種類によって異なり、4~6月頃に咲くものもあれば、9~10月頃に咲く花もあります。日本固有種は、9~10月に見頃を迎えます。
スカビオサ(マツムシソウ)の花の種類は?
スカビオサは約80種類が存在し、日本には1種類が自生しています。以下に、よく知られる種類や品種をいくつかご紹介します。
マツムシソウ(松虫草)
日本の固有種で、秋の高原を彩る花として古くから親しまれています。2年草で、9~10月頃に青い花を咲かせます。現在は自生している花の数は減少し、各都道府県のレッドリストに指定され、絶滅が心配されています。
セイヨウマツムシソウ(西洋松虫草)
ヨーロッパ西部を原産とする種類で、毎年花を咲かせる多年草です。園芸で「スカビオサ」「マツムシソウ」というと、本種を指します。青以外にも、ピンク社、赤など豊富な花色が特徴で、たくさんの園芸用の品種があります。
タカネマツムシソウ(高嶺松虫草)
日本原産のマツムシソウが突然変異した品種です。草丈30~50cmで、高山に生えていることから、深山松虫草(ミヤママツムシソウ)という別名でも知られています。
スカビオサ・コーカシカ(コーカサスマツムシソウ)
ロシアからヨーロッパに広がるコーカサス地方が原産の品種で、毎年花を咲かせる多年草です。花が6~8cmと大きく、白い「アルバ」やなど園芸用の品種もたくさん作り出されています。
スカビオサ(マツムシソウ)はかわいらしい花
夏の終わりから秋にかけて、かわいらしく青や白の花を咲かせるマツムシソウの姿は、野原で見かけたことのある方も多いのではないでしょうか?松虫の鳴く頃に咲くという名前の由来も、秋の風情が感じられますよね。
また、花の大きな品種は見栄えがするので、ガーデニングに取り入れるのもおすすめですよ。咲き終わった花は、ドライフラワーにして楽しんでみてください。
更新日: 2021年12月01日
初回公開日: 2015年10月16日