キャットミントは、名前の通り猫が好む香りを放つことから名付けられた草花です。中には、マタタビ以上に猫を惹きつける品種もありますが、キャットミントすべてがそうというわけではありません。今回は、育て方や猫に好かれる理由など、キャットミントとはどんな植物なのかをご紹介します。
キャットミント(ネペタ)の花言葉は?
『無邪気』『自由な愛』
キャットミントの花言葉は、「無邪気」です。その由来について、詳しくはわかっていません。猫が戯れて夢中になって遊ぶ姿に由来したのかもしれませんね。
キャットミント(ネペタ)の学名・原産国・英語
- 学名
- Nepeta
- 科・属名
- シソ科・イヌハッカ属
- 英名
- catmint
- 原産地
- 北半球で熱帯以外の地域
- 開花期
- 4〜10月
- 花の色
- 白、紫、青、黄
- 別名
- キャップニット
キャットミント(ネペタ)とは?猫に好かれる理由は?
キャットミントは、シソ科イヌハッカ属に分類される多年草と一年草の総称です。ミントと名前にありますが、ハーブとしてではなく、寄せ植えなど主には観賞用として栽培されます。
草丈は50cmほどで、1cmと小さな卵形をしたギザギザの葉っぱを生やします。4~10月になると、筒状の花を穂状にたくさん咲かせます。花の色には白や紫、青、黄色などがあり、ラベンダーのような雰囲気を持っています。
猫が好む理由は?
キャットミントの精油には、ネペタラクトンという成分が含まれています。この成分は、マタタビにも含まれているもので、猫を引き寄せる作用があります。ただ、この成分を含むイヌハッカ属の品種はごくわずか。特に有名なのがキャットニップで、中にはマタタビ以上に強い香りを放つものもあるんですよ。ただ、猫が好む香りは、草を切ったときのみ香るので、栽培中に寄ってくるわけではありません。
キャットミント(ネペタ)の実や花に効果・効能はある?
キャットミントは、解熱・鎮静・消炎作用があるといわれています。ハーブティーやお風呂に入れて使われることが多く、風邪の予防や快眠を促してくれる効果も期待できます。また、昔から薬草や料理の香りづけとしてよく利用されていました。
キャットミント(ネペタ)の種類や品種は?
キャットミント・ブルードリーム
ミソガワソウの選抜種で、大輪の青い花を咲かせる品種です。7~9月に開花期を迎え、草丈は60cmくらいに育ちます。
キャットミント・ピンクドリーム
ミソガワソウの選抜種で、大輪のピンク色の花を咲かせます。草丈は60cmほどで、耐寒性が高いことが特徴です。
ジャイアント・キャットミント(シックス・ヒルズ・ジャイアント)
草丈が100cmほどに育つ大型品種です。4〜8月に青紫色の花を咲かせます。
ウォーカーズロウ
草丈50cmほどで、耐暑性・耐寒性を持っている丈夫な品種です。花色はやや濃いめの青紫色で、全草に白い毛が生えて白っぽく見えることから、シルバーリーフとして扱われることもあります。
キャットニップ
ヨーロッパ原産のキャットミントの代表品種です。別名「イヌハッカ」「チクマハッカ」と呼ばれ、猫が陶酔状態になる香りを放ちます。6〜8月頃に薄紫色の花びらを咲かせます。
キャットミント(ネペタ)の育て方のポイントは?
キャットミントは、日当りと風通し、水はけのよい環境で育てるのがポイントです。耐寒性が高いので寒さには強いのですが、湿気に弱いので水のあげすぎには注意してください。
キャットミント(ネペタ)の種まきや苗植え!植え替えの時期と方法は?
種をまくなら4〜5月頃、苗を植えるなら3〜4月と9月下旬〜11月上旬頃が適期です。関西よりも西の暖地なら、冬を越せるので地植えにできます。それ以外は鉢植えにして、冬は室内へ移動させましょう。植え替えは2〜3年に1回を目安に3〜4月頃がおすすめです。
鉢植え
- 赤玉土単体や庭土に種をまく
- 種が隠れる程度に薄く土をかぶせる
- 発芽するまで明るい日陰で、土が乾燥しきらないよう水やりをする
- 本葉が4~5枚になったら、1回り大きな育苗ポットや鉢に植え替えるか、そのまま苗を育てる
地植え
- 酸性度合いを弱めた土に苗よりも1回り大きな穴をほる
- 苗を植え付け、水やりをして株を安定させる
キャットミント(ネペタ)の土作り、水やり、肥料のタイミングと方法は?
土作り
酸性の土壌を好まないので、あらかじめ苦土石灰を庭1㎡あたりコップ1杯(約100g)ほど混ぜ込んで2週間寝かせておきます。鉢植えは、市販の花と野菜の培養土やハーブ用の土がおすすめです。自作するときは、赤玉土(小粒)4:鹿沼土3:腐葉土3ほどの割合で混ぜたものを使ってください。
水やり
地植えの水やりは基本的に不要です。ただ、夏など乾燥した日が続いたときは、ゆっくり水やりをして地中深くまで染みこませると生育がよくなります。鉢植えは、土の表面が乾いたらたっぷりと水やりをしてください。乾燥を好むので、土が乾いてから少し時間をおくのがポイントです。
肥料
肥料のやり過ぎは株を軟弱に育ててしまうので、地植えは植え付け時に腐葉土や緩行性化成肥料を土に混ぜておけば、特に追加で施す必要はありません。鉢植えは、春と秋のはじめに緩行性化成肥料を1回ずつ置き肥します。
キャットミント(ネペタ)の増やし方!種まきと株分け、水挿しの時期と方法は?
キャットミントは、種まき・株分け・水挿しで数を増やせます。種まきは、花が咲いた後に種を採取しておきましょう。育て方は、上記でご紹介した方法と同じです。
株分けは、苗を植え替えるときに株を適当な大きさに分割して、別々に植え付けます。
挿し木は、切り取った茎を水に挿しておくだけで簡単に増やせますよ。毎日水を変えることが大切です。
キャットミント(ネペタ)の摘心、剪定の時期と方法は?
梅雨時の過湿は、キャットミントの元気がなくなり、枯れてしまう原因になります。梅雨がはじまる前に収穫をかねて、地面から10〜20cm程度の高さに刈り込みます。また、秋に花が終わったら、地面に近い所で刈り込みましょう。
キャットミント(ネペタ)の収穫と保存の時期と方法は?
キャットミントの葉の香りは、花の咲く直前が最も強いので、開花のタイミング前に根元から切り取っていきます。葉を乾燥させればドライハーブに、花や葉、茎を布の袋に入れてお風呂に入れれば、香りのよい入浴剤になりますよ。
キャットミント(ネペタ)の栽培中に注意する病気や害虫は?
キャットミントは病害虫に強い植物です。ただ、蒸れると灰色カビ病が発生するので、梅雨前の刈り込みや枝葉が込んでいる部分を適宜剪定していきましょう。また、枯れた花は早めに回収して処分してください。灰色カビ病にかかってしまったら、病気になった部分を切り取って、殺菌剤を散布しましょう。
キャットミント(ネペタ)は育て方が簡単なハーブ
キャットミントは丈夫で育てやすい多年草です。収穫した葉をハーブティーにしたり、花を鑑賞して楽しんだり、猫を飼っている方であれば布などにくるんでお手製の遊び道具を作っても面白そうですね。庭にスペースがある方は、ぜひキャットミントの栽培にチャレンジしてみてください。
更新日: 2022年09月01日
初回公開日: 2016年06月25日