ホルティ by GreenSnap 生活を彩ろう。花、植物、ガーデニング情報をお届け

タマネギの栽培|種まきや苗植え、収穫方法など育て方のコツは?

タマネギは、使い勝手のよい野菜の1つです。生でスライスしたものをサラダに加えたり、煮込んでスープやシチューの具材にしたり、様々な料理に登場しますよね。栽培には時間がかかるため、じっくり家庭菜園で野菜を育てたい人におすすめなタマネギ。今回は、そんなタマネギの栽培について、種まきや苗植え、収穫の方法など育て方のコツをご紹介します。

育てやすくどんな料理にも使えて貯蔵もでき重宝するので、栽培初心者から経験者まで幅広く楽しめる野菜ですよ。

タマネギの育て方のコツは?

タマネギ

種まきの時期を守り、たっぷりと肥料を与えることが、おいしいタマネギを育てるコツです。種まきの時期が早いと、花を咲かせる茎が育ってしまい(とう立ち/抽苔)、味が落ちてしまいます。また、肥料不足では、適期に栽培してもとう立ちしても大きく育たたないので注意してください。

タマネギの種まき、球根、苗の植え付け時期と方法は?

タマネギは、種から苗を育てていきます。品種によっては、種まきに1ヶ月ほど時間差があります。早い時期に種まきをする品種(早生種)は、9月上旬以降、早生種よりも遅い時期に種をまく(中晩生種)は、9月下旬が適期です。

発芽の適温は15~20℃くらいを目安にしてください。種から育てるのは難易度が高いので自信がない方は苗や球根を購入して植え付けることをおすすめします。

種まき

  • 鉢植え、プランター
  1. 60cmほどのプランターに軽石や鉢底石を敷く
  2. プランターの縁から2~3cm下まで土を入れる
  3. 10cm間隔で深さ1cmほどのスジを2列ほど作る
  4. 重なり合わないよう1〜2cm間隔で種をスジにまいていく
  5. 薄く土を被せ、手のひらで軽く抑える
  6. たっぷり水やりをする(種が流れないように水やりは優しく)
  7. 土が乾かないよう水やりをして管理する(水のやりすぎにも注意)
  8. 本葉が2~3枚生えたら、2~3cm株同士の間隔が空くよう間引く(1週間ほどで発芽)
  9. 間引きがすんだら、一握り(20~30g)の化成肥料を列の間に施す(液肥でも可)
  10. 土を株元に寄せる
  11. 株元が鉛筆くらいの太さになったら、株同士の間隔が10~15cmになるよう間引くか、地面に植え替える
  • 地植え

種まき用のスジの間隔は、15~20cmと広めにしたほうが蒸れずに安心です。また、雨に打たれて種が流れてしまわないよう、発芽するまでは土の表面を不織布やワラで覆っておくとよいですよ。以降は鉢植えと同様です。

球根の植え付け

  • 鉢植え

タマネギの球根(ホームタマネギとも呼ばれる)は、10~20cmほどの間隔を空けて、球根の尖った部分が土から顔をのぞかせるくらいの深さに植えます。間隔を広く空けると、大きなタマネギが収穫できますよ。

とても育てやすく、初心者に特におススメの方法です。8月下旬の植え付けで年内の収穫も可能です。

  • 地植え

タマネギの球根を地植えするなら、幅70~80cm、高さ10cmほどの畝を事前に立て、表面を黒マルチで覆っておきます。鉢植え同様に、10〜20cm間隔で球根を飢えてください。植え付け後は、1株ごとに10g(大さじ1杯くらい)の化成肥料を株元の土に混ぜ込みます。2ヶ月ほどたつと、同じ化成肥料を1回追加で与えてください。生育がよくなりますよ。

苗植え

市販の苗を使えば手軽に始められます。長さ20~30cmくらい、株元が鉛筆くらいの太さのものを選び、11月になったら植え付けていきましょう。

  • プランター
  1. プランターに鉢底石と土を入れる
  2. 株同士の間隔が10~15cm空くよう苗を植える(地面に対して少し斜めに植え付け)
  • 地植え
  1. 事前に土作りをしておく

    苦土石灰100g/㎡、堆肥2~3kg/㎡、化成肥料100g/㎡ぐらいを目安に。黒マルチを用いれば、水やりの回数を減らせて、雑草も抑制できるので一石二鳥です。

  2. 15~20cm間隔に穴を空け、株元が3cmほど地中に埋まるよう苗を植える

    同じく少し斜めに植え付けましょう。緑色になった部分を土の下に埋めないように注意。

タマネギの水やり、肥料の与え方

タマネギ 玉ねぎ

土作り

種や球根、苗の土は、基本的に同じです。鉢植えやプランター植えは、市販の野菜用培養土か赤玉土(小粒)7:腐葉土2:バーミキュライト1の割合で混ぜ合わせた土を用意しましょう。

地植えは、あらかじめ1㎡あたり苦土石灰を100g(コップ1杯くらい)、堆肥を2~3㎏、化成肥料を100g混ぜ込んでおき、黒マルチを表面に張っておき、1〜2週間ほど寝かせておきます。

玉ねぎは酸性土壌を嫌うので苦土石灰を忘れずに。

水やり

発芽前は土が乾かないようにこまめに水やりをしていきます。そして、発芽後は土の表面が乾いたらしっかり水をあげるようにします。種まきから発芽まで1週間ほどです。

肥料

植え付け方によっても変わりますが、種まきをしたときは、10月になって間引きをしたら、1㎡あたり20~30g(一握りくらい)の粒状の化成肥料をスジの間にばらまき、混ぜ合わせた土を株元に寄せておきます。その後は、12月中旬~下旬と3月の2回、1株につき2~5g(一つまみ)の化成肥料を株元に施します。肥料が足りないと球が大きくならないので気をつけてください。

タマネギの収穫の時期と方法は?

タマネギ 玉ねぎ

種まき、苗植えの場合

5月中旬~6月下旬がタマネギの収穫の時期です。全体の7~8割くらいの茎葉がしなしなになったら、収穫の合図。茎の先端に花の蕾が付いたときは、早めに摘み取ってください。収穫が遅れると、長く貯蔵できなくなったり、味が落ちたりしてしまいます。

よく晴れた日の午前中、タマネギの茎のつけ根をしっかりと持って、土から引き抜いていきます。そのまま2~3日は土の上にそのまま並べて乾燥させてから保存していきます。

収穫後、雨が降るようであれば1日でもOKです。ネットなどに数個入れ、つり下げておくだけで数ヶ月保存できます。保存は風通しの良い日陰で。早生種はあまり保存できないので注意しましょう。

球根を植えた場合

球根(オニオンセットまたはホームタマネギ)を7~9月頃に植えたなら年内に、10月に植えたなら翌年の3月ごろに収穫できます。

タマネギの栽培で注意する病気や害虫は?

病気

タマネギは、べと病や苗立ち枯れ病、灰色カビ病、灰色腐敗病などの病気に注意してください。土壌が酸性に傾いている、窒素成分の多い肥料を多く使っている、植え付けるのが深すぎる、多湿などが原因で発生します。肥料や水のあげすぎには注意して、土作りはしっかり事前に行うことが大切です。病気にかかった部分は、すぐに切り取り、処分してください。病気が発生した場所に殺菌剤を散布して、予防と消毒を行いましょう。

連作によって病気が発生することもあるので、できれば毎年栽培場所を移しましょう。

害虫

追加の肥料が遅くなると、ネギアザミウマ、ネギハモグリバエ、ネギコガ、ヨトウムシによる茎葉や球が食べられたり、卵を産み付けられたりしてしまいます。土作りなど栽培環境には気を配り、実の部分が大きくなる前に肥料を施すことが大切です。

雑草から害虫が移ってくることもあるので周りの除草をすることも重要です。

タマネギは栽培期間の長い野菜

タマネギ

タマネギは、どんな料理にも活用できて保存がきくので、いくつあってもうれしい野菜の1つですよね。栽培期間は長く、収穫まで待ち遠しいかもしれませんが、収穫や料理にしたときの喜びもその分大きいはず。毎日コツコツ世話をするのが得意な方は、ぜひ、タマネギの栽培にチャレンジしてみてくださいね。

更新日: 2021年11月29日

初回公開日: 2016年06月20日

関連コンテンツ