春が近づくと、雪の間から花を咲かせる雪割草。自生地や品種交配によって色や花形など、性質の違う種が生まれ、園芸に楽しまれてきました。今回は、多くの山野草ファンから愛されている雪割草の育て方について、植え替えや植え付けなどの時期と方法をご紹介します。
雪割草(ミスミソウ)の育て方のポイントは?
十分な日光にあてて、過湿や乾燥させすぎないことがポイントになります。夏の直射日光は、葉やけを起こしやすいので、遮光するか午前中だけ日の当たる場所に置きましょう。また、水の管理にも注意が必要です。
雪割草(ミスミソウ)の種まきや苗植え!植え付けの時期と方法は?
種まき
4~5月頃が種まきの適期です。種から育てると花が咲くまで3~4年ほどかかります。
1. ジフィーポットや浅い鉢、セルトレイに土を入れて、採取した種をまく
2. 水やりをして、土を乾かさないように半日陰で管理する
3. 双葉が出るまで水やりを続け、本葉が3~4枚出てきたら1回り大きな鉢に植え替える
苗植え
3月下旬~4月、9月中旬~10月上旬頃が適期です。まずは、株を取り出し、根についた土を竹ばしや割り箸などでつついて落として、腐った根やネコブセンチュウを取り除きましょう。
鉢植えは、鉢穴が大きく深めの鉢に植え付けます。地植えは、落葉樹の近くなど半日陰になる場所を選んで植え付けましょう。冬場は、落ち葉や腐葉土などを土に被せ、防寒対策をしておくと安心です。
雪割草(ミスミソウ)の土作り、水やり、肥料は?
土作り
水はけと水もちのよい土を好みます。鉢植えと地植えともに、日向土4:桐生砂4:赤玉土2や日向5:鹿沼土5ほどの割合で混ぜた土か、市販の山野草用土、雪割草専用の土を使います。
水やり
鉢植えは、土の表面が乾いたら、たっぷり水やりをします。夏は夜間に、それ以外の季節は朝に水やりをしましょう。地植えは、基本的に必要ありません。ただ、乾燥した日が続いたときは、乾き具合を見てたっぷりと水やりをしましょう。
肥料
植え付けるときに、ゆっくりと効く緩効性化成肥料を施します。それ以降は液体肥料を月に1回程度、水やりの代わりに与えます。梅雨明けから夏場は、必要ありません。秋から冬までは、チッ素、リン酸、カリウムが1:1:1と同じ割合で入っている液体肥料を、2週間に1回施しましょう。
雪割草(ミスミソウ)の植え替えの時期と方法は?
1~2年に1回、4月中旬~5月か9~10月を目安に植え替えます。1回り大きな鉢を用意して、植え付け時と同じ手順で植えます。植え替えをせずにいると、根づまりを起こして枯れてしまうことがあるので気をつけてください。
雪割草(ミスミソウ)の増やし方!株分けの時期と方法は?
雪割草は、種まきと株分けで数を増やします。種まきの時期や手順は、植え付け時と同じです。
株分け
4月中旬~5月、9~10月頃が適期です。植え替えと合わせて行うと効率的ですよ。株を取り出して、軽く根についた土を取り除き、きれいにしてから株を引っ張って分けてください。無理をして細かく分けると育ちにくくなるのでやめておきましょう。
雪割草(ミスミソウ)の寄せ植えの時期と方法は?
4月中旬~5月か9~10月頃に、同じような性質をもつ山野草との寄せ植えがおすすめです。管理がしやすいように、浅く広めの鉢に鉢底石、土を入れたら植物を植え付けましょう。仕上げに苔などを配置すれば、野山をイメージした自然な寄せ植えができます。
雪割草(ミスミソウ)の栽培で注意する病気や害虫は?
灰色カビ病とネコブセンチュウに気を付けましょう。咲き終えた花を放っておいたり、花びらに水をかけたりすると、病気になりやすくなります。咲き終わった花は、茎元から切り取ってください。また、水やりは根本にそっと行うようにしましょう。3~12月にはネコンブセンチュウが発生しやすくなるので、1年に1回オキサミルなどの薬剤をまいて予防します。
雪割草(ミスミソウ)で春を感じるガーデニングを
春の訪れを告げる花、雪割草。花色や花の形が鮮やかで豊富で、春の花壇が盛り上がる魅力のある植物です。比較的、手に入りやすい山野草なので、初めて山野草を育てる方にもおすすめです。
更新日: 2016年01月01日
初回公開日: 2016年01月01日