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根腐れとは?原因や症状、治療法は?観葉植物に起きやすい?

観葉植物の育て方について困ったとき、「根腐れに気をつけましょう」と聞くことは多いかもしれませんね。でも、結局、何をすればいいのか、何をしてはいけないのかわからず、困った経験がある方も多いのではないでしょうか。今回は根腐れとは何なのか、原因や症状、対処方法、根腐れ防止剤の効果についてご紹介します。

根腐れとは?症状は?

パキラ 根腐れ (21)

根腐れとは、植物の根が腐った状態のことです。根腐れは根の先端部分から徐々に腐っていき、放置すると、幹が株元から腐って枯れていきます。

初期の頃であれば、腐った根を切り離し、新しい土に植え替えることで根腐れの進行を止めることができます。

根腐れの症状

根腐れが進行するといくつかの症状が現れます。植物は、葉っぱで二酸化炭素を吸って酸素と水を作り出し、根で酸素と水を吸い上げます。根腐れを起こすと酸素が吸えなくなり、窒息状態になるので葉や根が変色し、株が衰えます。

次のような症状が現れると、根腐れの可能性が高いです。

● 水やり後の土の乾燥が遅い、染み込みが遅い
● 株の元気がない
● 根が黒色に変化している
● 葉が黄色、茶色に変化して落ちる
● 茎や幹が柔らかくなってブニブニしている
● 土から腐敗臭がする、表面に白いカビが生えている

根腐れの原因は?

根腐れの原因は、簡単にいうと酸素不足です。

酸素不足になると、酸素が少ない環境を好み根腐れを促進させる菌が増加します。酸素不足には、さらにいくつかの原因があるので、以下にご紹介します。

1. 水やりの頻度が多い、土の水はけが悪い

本来植物は、土と土の隙間や土の粒の中にたまった水を吸い上げ、水がはけた後にできる隙間から、酸素を吸収します。

水やりには酸素を多く含んだ水の供給と、古い空気を押し出して新しい空気を押し込む2つの役割があります。

ただし、保水性の高い粘土質の土だと酸素量の減った古い水がいつまでも残り、水はけが悪いため空気の隙間ができません。

その結果、酸素不足になるのです。また、土が乾燥するほど空気量が増えますが水やりの頻度が多く、土が常に湿っていると根が窒息してしまいます。

2. 肥料焼け

適度な肥料は植物にとって生育を促すものです。しかし、過度に与えすぎてしまうと浸透圧の影響で肥料成分の濃い土と根の水が出て行ってしまい、ダメージを受ける「肥料焼け」を起こしてしまいます。

3. 嫌気性菌の増殖

酸素不足が続いたり、根が傷ついた状態で植え替えられたり汚染された土を使っていると、嫌気性菌が増殖して根っこを侵食し、根腐れを引き起こします。

嫌気性菌は、通常どの土の中にもいるのですが、酸素不足の状態を好んで増殖するので、注意しましょう。

根腐れの治療の仕方は?予防方法はある?

植え替え 根腐れ 病気

対処方法

根腐れを起こした植物は、植え替えをして株の状態を整えます。このとき、根は弱った状態にあるので、元気が出そうだからと肥料を与えると肥料焼けを起こすので注意してください。

1. 根についた土をほぐしながらていねいに落とす
2. 変色してしまった根や腐っている根はハサミで切り落とす
3. 葉や茎を根とのバランスを見ながら切りそろえていく
4. 植物の好む状態の土に植え替える
5. 水やりを控え、明るい日陰で新しい芽が出るまで様子を見る
6. 新しい芽が出てきたら、植物の好む環境に鉢を移動する

予防方法

育てる植物の好む環境をしっておくことが大切です。特に根腐れを起こす原因で多いのは、水やりのしすぎです。基本的に、土の表面が乾いたことを確認してから、水をたっぷりと与えるようにするとうまくいきますよ。

また、赤玉土に腐葉土を混ぜ、水はけをよくしておくこともポイントです。そして、植物の生育状況に合わせて、植え替えをしてあげれば、何年もきれいなまま育てることができますよ。

根腐れ防止剤とは?効果は?

ゼオライト 根腐れ防止剤 スプーン

根腐れ防止材とは、珪酸塩白土やゼオライトを主原料にして作られています。根腐れ防止剤を土に混ぜ込むことで、土の状態を改善し、根腐れを防止する効果があります。

ミリオン、ハイフレッシュなどの名前で販売されているほか、培養土に混ぜ込まれて販売されています。

根腐れ防止剤の種類は?

珪酸塩白土

秋田県の八沢木で採掘できる白い粘土で、不良ガスや不純イオンを吸着する作用があります。また、ミネラルを豊富に含んでいることから、老廃物のたまった土の状態を改善することができます。

古くは、下痢や傷の手当てに使われており、今でも園芸以外に水産や食品、医療の現場で用いられています。

ゼオライト

アルカリ性の粘土鉱物の1種で、分子に規則的な穴が空いていることから、イオンを交換し、汚れや悪臭、ガス、窒素といった悪い物質を吸着する働きがあります。園芸のほか、浄水器のカートリッジにも使われています。

根腐れは早めの対処が肝心

根腐れは、植物を枯らしてしまう主な原因の1つです。葉っぱの色が悪い、土が水を吸わないなど、何かしらの異変を感じたときは、根腐れを疑いましょう。

そのまま放置しておくと枯れてしまうので、早めの対処が肝心ですよ。すぐに手当てしてあげれば、植物は元気を取り戻していきます。

更新日: 2023年01月11日

初回公開日: 2015年11月09日

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