家庭菜園をしていて、虫の被害にあうのはよくあることです。適切な対処をしないと、葉っぱや茎、根が虫にどんどん食べられてしまいます。どんな虫が、どんな被害を及ぼすのかを知っておくとすばやく対応でき、植物を守ることができますよ。今回はガーデニングで嫌われるハムシという害虫について、駆除の方法や種類などをご紹介します。
ハムシとは?特徴は?
ハムシとは、ハムシ科に分類される昆虫の総称で、硬い殻を持つ甲虫の仲間です。コガネムシを小さくしたような見た目で、体長6mm前後のものが多く、日本だけでも約780種が生息しています。
その生態は種類によっても変わりますが、春になるとうっすら植物の葉っぱを傷つけて産卵し、5日で孵化してから約1ヶ月で成虫へと成長します。産みつけた卵を糞で覆うことが特徴です。また、種類によって被害を及ぼす植物が違うことでも知られています。
ハムシの被害や発生しやすい時期は?
ハムシの多くが春になると産卵することから、4~6月の間は幼虫と成虫両方の被害にあいやすくなります。幼虫は蛹になるまで土の中で過ごすものが多いことから、気づかずに根を食べて植物を弱らせ、最悪の場合、枯らしてしまいます。
成虫は、植物の葉っぱを食べてたくさんの穴を空けていきます。大量発生してしまうと、葉っぱが穴だらけになり、ひどいときは葉脈以外なくなってしまいますよ。
暑くなると休眠する種類もあることから、夏になると被害は一旦落ち着きます。しかし、その暑さが和らぐと、再び活動が活発になり、9~10月頃まで植物を食い荒らしていきます。それ以降、ハムシの被害は一旦治まります。
ハムシを駆除する方法は?
ハムシの成虫は、気温が低いと活動が鈍る性質があります。葉っぱに見られたときは、気温が上がる前の朝、株から摘み取って処分していきます。ただ、大量発生してしまったときは、オルトラン液などを散布して駆除していきましょう。
幼虫の被害にあっているかどうかは気づきにくいですが、土を掘り起こして見つけたときは、ダイアジノン粒剤など駆除効果のある殺虫剤を土に混ぜて一気に退治します。
ハムシを予防する方法は?
ハムシは、キラキラ光るものを嫌います。シルバーマルチやアルミ蒸着シートで土を覆うことで飛来を防ぎ、根に卵を産みつけられないようにできますよ。
また、冬になると枯れた草や葉っぱの下で冬を越すので、剪定によって切り落とした茎葉や枝はきちんと処分しておくことも大切です。同じ場所や土を何年も使っていると被害が受けやすくなるので、植え場所を定期的に変えるか、清潔な土に毎年植え替えるのも有効です。
ハムシの種類は?
ハムシは、アブラムシやカイガラムシのようにあらゆる植物に寄生するわけではなく、葉っぱを食べる植物が種類によって違います。以下に、ガーデニングや家庭菜園でよく見かける種類をいくつかご紹介します。
ウリハムシ
きゅうりやゴーヤなどウリ科の植物に寄生する種類です。成虫は葉っぱ、幼虫は根を食べて植物を弱らせます。体長7~8mmほどで、頭が小さく、全身がオレンジ色に近い茶色をしています。黒い羽を持つクロウリハムシという種類もあります。
キスジノミハムシ
ダイコンやほうれん草などアブラナ科の植物へ被害をもたらす種類で、体長2mmほどと小さいことが特徴。全身が黒い殻で覆われ、背中に黄褐色のスジが入ります。飲みのように飛び跳ねて他の植物へと移動します。
ダイコンサルハムシ
名前にダイコンと付いていますが、アブラナ科の植物であれば葉っぱを食べてしまう種類です。体長は7mmほどで、殻は紺色をしています。他の種類と違い、9~12月のすずしい時期によく活動します。
サンゴジュハムシ
サンゴジュやガマズミなどに多発するハムシで、知らない間に大量発生して葉っぱにたくさんの穴を空けます。オレンジ色で、頭に黒い点があります。
ヘリグロテントウノミハムシ
キンモクセイなどモクセイ科の樹木に寄生して葉っぱを食べてしまいます。見た目が益虫であるアカボシテントウムシに似ていることから、気づきにくく、被害が深刻になることもしばしば。ノミのように跳ねて移動することが特徴です。
フタスジヒメハムシ
大豆やインゲンなどマメ類の葉っぱやサヤ、茎を食べて被害を出す種類です。体長4mmほどで、頭に2本の長いアンテナを生やします。幼虫もマメ類の根に栄養を届ける根粒菌を食べてしまうことから、早めに駆除することが大切です。
ハムシの被害にあう前に駆除しよう
収穫を楽しみにしていた植物の葉っぱが、あっという間に食い荒らされてしまうのは悲しいものです。ハムシは、ガーデニングをする人にとっては、大きな被害を及ぼす害虫の1つ。
寄生する植物が種類によって違い、アブラナ科やウリ科など野菜を育てるときは特に注意が必要です。ただ、早めに駆除していけば、薬もたくさん使わずにすみ、被害を最小限にとどめることができますよ。毎日育てている植物を観察して、早く異変に気づいてあげられるとよいですね。
更新日: 2023年06月21日
初回公開日: 2016年03月19日