植物を育てていて、虫と同じくらい被害が心配な病気。葉っぱが変色したり、変形したりといった症状が現れたら、早めに対処しないとどんどん広がって、他の植物にもうつってしまいます。今回は、たくさんの病気の中でもよく見かけるモザイク病について、症状や農薬による対策などをご紹介します。
モザイク病(ウイルス病)とは?症状は?
モザイク病とは、別名の「ウイルス病」からもわかる通り、ウイルスによって引き起こされる病気です。野菜や草花、樹木などほとんどの植物に感染する恐れがあります。
発生初期は、新しい葉っぱの先端に薄い緑色の斑点がでたり、葉脈にそって色素が薄くなったりといった症状が表れます。そしてやがて、葉っぱから株全体にモザイク状の病変が広がっていきます。ほかにも、葉っぱが小さくなる、縮れるなど変形や奇形も出ます。モザイク病にかかったところは、薬剤などを使って治療することはできません。
モザイク病(ウイルス病)が発生しやすい時期や原因は?
モザイク病は、2通りの方法で感染する可能性があります。1つは、アブラムシやアザミウマといった害虫を媒介とする場合です。モザイク病にかかった植物の汁を吸い、体内にウイルスを取り込んだ状態で移動してくると、感染してしまいます。特に害虫の活動が活発になる春や秋には注意が必要です。
もう1つは、人の手によって感染さんせてしまう場合です。モザイク病にかかった植物を剪定したハサミやナイフで他の植物を手入れしてしまうと、感染が広がってしまいます。特にウリ科の野菜で発生しやすいとされています。
モザイク病(ウイルス病)の農薬による対策は?
モザイク病は、ウイルスなので感染すると治療することはできません。他の株へ伝染し、被害の拡大を防ぐために、発病した株は速やかに抜き取って、焼却処分にしてください。また、アブラムシの対策をしっかり行うことがポイント。見つけたときは薬剤を活用しながら、早めに駆除していきます。
モザイク病(ウイルス病)の予防方法は?
- 病気にかかりづらい、抵抗性のある品種の苗を購入する
- マルチングをする、防虫ネットを張るなど、害虫の飛来を防ぐ
- 植物の手入れをするときは、消毒済みのハサミやナイフを使う
モザイク病(ウイルス病)から植物を守ろう
モザイク病は、1度感染してしまったら薬剤が効かない怖い病気です。そのため、予防策をしっかり行うことが大切になってきます。特に、害虫を媒介とするので、防虫対策をしっかりと行って植物を守って下さい。アブラムシをエサとする「ヒメテントウ」や「ヒメハナカメムシ」などの益虫を駆除してしまわない殺虫剤を使ってみるのも有効な予防策ですよ。
更新日: 2016年07月09日
初回公開日: 2016年07月09日