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花や葉につく虫15選!種類や駆除の方法を解説!

ガーデニングをする上で、切っても切れないのが害虫との関係です。植物を育てるのは大好きだけど、虫は見るだけでもイヤ…という方も多いのではないでしょうか。予防対策をしてうまく遠ざけ、付いてしまったときは効果的な駆除方法を知っておくと、虫と関わる機会を減らすことができますよ。今回は、ガーデニングで困る、花や葉につく害虫15種と、それぞれの及ぼす被害や効果的な駆除方法を、アイウエオ順にご紹介していきます。

花や葉につく虫の種類15選

1. アオムシ(青虫)

アオムシ2 青虫

アオムシとは、蛾や蝶の幼虫の中で、毛やトゲの生えていない虫の総称です。

枝や茎など植物の上を移動しながら、若葉や芽といったやわらかいところを食べてしまいます。食欲旺盛で、一晩で植物全体が食い荒らされるということも少なくありません。

1匹1匹が大きいので、見つけたらすぐにピンセットや割り箸ではさんで株から引き離してください。大量に発生したときは、BT水和剤など成分が植物全体に染みこむ薬剤を使うのがおすすめです。

防虫ネットや寒冷紗で植物の周りを覆っておくと、卵が産みつけられる心配が減って予防につながりますよ。

2. アザミウマ

アザミウマ レモン

「花の害虫」ともいわれるアザミウマ。主に花やつぼみ、新芽の奥に潜り込んで植物の組織を破壊しながら汁を吸っていきます。スリップスと呼ばれることもあります。

被害部分は銀白色に光って見え、大量発生すると葉の縮れや奇形、褐変斑、果実の肥大不良などを引き起こします。発生源となる枯れた花をこまめに摘み取ることが何よりの予防になります。

小さく数が増えやすい害虫なので、被害にあったときは発生した種類に適した農薬を散布して駆除していきましょう。

3. アブラムシ

葉 アブラムシ

アブラムシは、ガーデニングで遭遇することの多い代表的な害虫です。新芽や茎葉に寄生して植物の栄養を吸い取るだけでなく、排泄物はすす病などの病気を呼び寄せます。

集団で植物に寄生する種類が多く、雄でもメスでも卵が埋めることからどんどん数が増えていきます。

発生している数が少ないときは、ガムテープやピンセットなどでこまめに株から取り除いていきます。大量にいるときは、木酢酢や牛乳スプレー、市販の薬剤を散布して駆除していきましょう。

黄色いものに反応するので、近くに黄色い粘着テープをぶら下げておくと予防につながりますよ。

4. ウリハムシ(ウリバエ)

ウリハムシ1

ウリハムシは、温かい春~夏の間に発生する害虫です。ナスやキュウリなどウリ科の植物へ寄生しやすいことから名付けられました。葉の表面を円形にかじりとり、どんどん内側にもぐって葉を食い荒らしていきます。

ウリハムシの退治は簡単です。葉の表面に付き、見つけやすいので、野菜に農薬を使うのはできるだけ避けたいですが、植物全体に有効成分が染みこむ浸透移行性の薬剤を使うと駆除と予防が兼ねられます。

そのまま放っておくと、大量に増殖して株が丸坊主になってしまうこともあるので、対処は早めに行うのが大切です。

5. カイガラムシ

カイガラムシ 成虫

花木、庭木、果樹など、多くの植物に発生するカイガラムシ。植物の汁を吸って弱らせる直接的な被害はもちろん、排泄物がすす病などの病気を誘発する害虫です。

成虫になると、排泄物が体の周りで固まり、硬い殻のような状態になって薬剤が効かなくなります。

幼虫が発生する5~7月頃に、月2~3回ほど殺虫剤を散布します。できるだけ成虫になる前のイガラムシを駆除しておくことが大切です。

成虫は殺虫剤が通らないので歯ブラシや布で株から直接こすり落とし、大量発生しているときは枝ごと切り取って処分してください。

6. カタツムリ・ナメクジ

ナメクジ カタツムリ 被害

粘液の足あとを残しながら植物の上をはっていくカタツムリやナメクジ。

いずれも、新芽や若葉など植物のやわらかい部分を好んで食べる害虫です。何気なく見かける害虫だけに、駆除し忘れてしまうこともよくありますが、早めの対処が肝心です。

ジメジメした薄暗い場所を好むので、歩いた跡を辿って探し、駆除しましょう。大量に発生したときは、シャワータイプやハウスタイプなど育てている植物と相性のよい薬剤を選んで散布します。

ナメクジはビールの香りが好きなので、近くにビールを入れた容器を罠として仕掛けてしまうのも効果的ですよ。

7. クサギカメムシ

クサギカメムシ

カメムシという虫の中で、ガーデニングをしていて最も見かける種類がクサギカメムシです。クサギカメムシに汁を吸われた葉っぱや果実、茎は腐ったり、奇形に変化したり、地面に落ちてしまいます。

また、直接クサギカメムシに触ってしまうと、くさい臭いが手にこびりついてしまいます。

見つけたら木や枝をゆすってクサギカメムシを地面に落としたり、ガムテープやティッシュペーパーなどで捕獲したり、エアゾール剤などの殺虫剤を吹きかけて退治しましょう。

防虫ネットで植物を覆ったて予防するか、こまめに観察して卵が産みつけられた葉っぱがあれば地道に取り除くのが被害を拡大させないポイントです。

8. グンバイムシ

グンバイムシは相撲の行司がもつ「軍配(ぐんばい)」に似た姿から名付けられた害虫です。植物の汁を吸って表面に白い斑点を作るほか、ヤニのような黒い排泄物を葉裏にたくさん付けます。

グンバイムシ自身の被害によって植物が枯れることは少ないですが、排泄物によってウイルス病にかかる二次的な被害が心配です。

薬剤は食い荒らされたり、排泄物がたくさん付いたりしている葉っぱは早めに切り取って処分してしまうのが最も簡単な駆除方法です。

枝を適度に剪定する、ときどき葉水をするなど日常的なメンテナンスをしていれば、それほど怖い害虫ではありません。

9. コナジラミ

コナジラミ2

コナジラミは、葉の裏に群がって植物の汁を吸う害虫です。

被害にあった葉っぱは白いかすり状になって枯れたり、生長が悪くなったりします。また、カイガラムシと同じように排泄物はウイルス病の媒介となります。

乾燥すると発生しやすく、温度があえば約28日周期で産卵から孵化を繰り返して大量に発生します。見つけたらベニカスプレーなど効果のある薬剤か、牛乳と水を等量で割った液を株全体に散布して退治しましょう。

予防には、防虫ネットを張るだけでなく、まぶしい光を嫌う性質を利用してシルバーマルチで株元を覆っておくと効果的ですよ。乾燥しないよう葉水をかかさないようにしてください。

10. ダンゴムシ

害虫 虫喰い穴 食害3 ダンゴムシ

コロンと丸くなる姿が特徴のダンゴムシ。日頃よく見かける害虫ではありますが、ガーデニングにおいては嫌われる存在となっています。特に苗につきやすく、根や新芽などやわらかい部分を食べてしまいます。

ジメジメとした場所を好むので、株の風通しをよくし、エサの落ち葉や枯れ葉をこまめに取り除くことが予防になります。被害が大きいときは、スプレーや粉タイプの農薬をまいて退治してください。

11. テントウムシダマシ

テントウムシダマシ3

テントウムシダマシは、ナス科やウリ科の野菜を好む草食のテントウムシの仲間です。

植物にメリットのある虫(益虫)であるテントウムシに似ているので、惑わされがちですが表面に毛が生えている点がテントウムシとは違います。

成虫、幼虫ともに皮と葉脈を残して網目状の食い跡を付け、その後食べるところがなくなると果実や茎も食べはじめます。

成虫はじゃがいもの葉から飛来することが多いので、周りに畑が多い場所ではあらかじめ防虫ネットを張っておきましょう。

葉裏の卵は葉ごと摘み取って処分し、幼虫や成虫はガムテープにくっつけて捕まえるか、下にコップなどを構えてふるい落とすとよいですよ。

12. ネキリムシ

キャベツ 被害 害虫 ネキリムシ

ネキリムシは、コガネムシやヤガ(夜蛾)などの幼虫の総称です。葉を食べる幼虫は、日中に土の中で身を隠し、夜に出てきて茎を食べる習性があります。キャベツやりんごの木など、草花や野菜、樹木などの幅広い植物が被害の対象です。

地面の比較的浅いところにいるので、被害にあった株の周りを3~5cmほど掘り起こせば見つけられます。見つけたら土から取り出して処分するか、植木鉢なら殺虫剤を薄めた水をはったバケツに鉢を沈め、土の中全体を殺虫します。

被害にあっているのにネキリムシを発見できないときは、粒状の農薬を土の上にまいておきましょう。

数が多くて対処できそうにないときは、地面に接している部分の株元の周りをストローなどで覆ってあげると被害をへらせますよ。茎の太さによって、株元を覆う道具は変えてみてください。

13. ハダニ(アカダニ)

ハダニ 赤いダニ アカダニ

ハダニは乾燥を好み、葉っぱの裏に付いて栄養を吸い取る害虫です。クモのような見た目をしており、赤色の種類が多いことから「アカダニ」とも呼ばれます。

無数の斑点やかすり状の傷を葉っぱに付け、植物見た目が損なわれたうえで、植物が枯れて元気がなくなってしまいます。

乾燥する夏場に発生はピークを迎えます。日頃から葉水を心がけ、株の周りの湿度を適度に保ちましょう。

たくさん発生したときは薬剤を散布して駆除しますが、同じ薬剤を使い続けると抵抗力が付いてしまうのでいくつかの種類をローテーションするとよいです。

14. ハモグリバエ(エカキムシ)

ハモグリバエ 枝

ハモグリバエは、葉の組織の中に卵を産みつける害虫です。卵からかえった幼虫が葉の中に入り込み、ジグザグに葉を食い進みます。

被害をうけた跡が絵を描いたような白い筋状の模様に見えることから「エカキムシ」と呼ばれるようになりました。

大量に発生すると植物の見た目が悪くなるほか、生育に影響が出て枯れたり落葉したりします。幼虫は葉の模様の先端にいるので、葉ごとつまんで押し潰すか、粒状殺虫剤を散布して駆除しましょう。

葉物野菜につきやすいので、株ごと防虫ネットで覆って保護してください。

15. ヨトウムシ(夜盗虫)

ヨトウムシ

ヨトウムシとは、さまざまな植物に被害を及ぼす雑食性の害虫です。一夜にして葉を食い尽くすこともある大食いの害虫で、幼虫のころは昼夜関係なく葉を食べ続けます。

大きくなると昼間は葉の影や土中に隠れ、夜になると這い出てきて茎葉を大量に食い荒らします。

葉の上に黒っぽい糞を見つけたら、ヨトウムシの被害を疑いましょう。昼だけでなく夜も定期的にチェックし、効果のある殺虫剤を株元にまいて駆除します。

防虫ネットを植物の周りに張って株に寄り付かないようにするのと合せて、予防効果のある農薬を散布すると安心です。

花や葉につく虫の種類を知り、正しく退治しよう

今回は15種類をご紹介しましたが、他にも、「線虫(センチュウ)」や「ハマキムシ」、「イラガ」など、様々な種類があります。

最初は戸惑うばかりの害虫駆除も、慣れてくると手際よく対処できるようになっていきます。育てる植物が多くなるほど、さまざまな虫たちとの関わりも増えるもの。

まずはできるところから手を付け、害虫それぞれの特性を知っていけると、被害を少なくしてガーデニングをもっと楽しめるようになりますよ。

更新日: 2023年03月29日

初回公開日: 2016年08月12日

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