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アブラムシを駆除しよう!無農薬で退治・予防をする方法とは?

アブラムシは、園芸やガーデニングを楽しむ人にとって、天敵となる害虫です。植物の栄養を吸い取って弱らせるだけではなく、すす病や縮葉病などを誘発するなど、アブラムシを介した病気も悩みの種の1つです。ただ、口に入れる野菜や果樹を育てている方であれば、なるべく農薬を使わずに駆除したいものですよね。そこで今回は、アブラムシ対策として無農薬での駆除方法や予防方法をご紹介します。

アブラムシが大量発生するのはなぜ?原因と特徴!

アブラムシの繁殖期は4〜6月や9〜10月頃です。

アブラムシは、なんとメスだけで産卵が可能で毎日卵を産み、10日ほどで成虫になったメスが更に毎日卵を生むという性質をもっています。この繁殖力の高さがアブラムシの特徴です。

なので、1〜2週間前まで元気だった植物でもアブラムシの被害にあうことは十分に考えられます。

被害にあう前に、まずは、アブラムシが好む環境になりにくいよう、日当たりや風通しのよい場所を選んで植え付けたり、移したりすることが大切です。

被害にあいやすい環境

● 株が弱っている:健康ではない
● 化学肥料の使用頻度が多い:アブラムシが好物な土の中の窒素分が増える
● 日当たりや風通しが悪い
● アブラムシの天敵が少ない

無農薬でアブラムシ退治!7つの駆除する方法

アブラムシを見つけたら、すみやかに駆除しましょう。早期発見、早期対応が被害を最小限に抑えるポイントです。

特に、野菜や果樹を育てている方であれば、収穫の前に果実が狙われるのは避けたいところ。

無農薬な駆除方法であれば、有害な物質の影響を気にすることなく利用できて便利ですよね。今回は、無農薬な駆除方法を7つご紹介します。

1. アブラムシの天敵をそばに置く

てんとう虫 天敵 アブラムシ 防虫 虫対策

自然界は、弱肉強食の世界です。アブラムシが植物を食べるように、てんとう虫はアブラムシを捕食します。

アブラムシの天敵であるテントウムシをそばに置くことで、テントウムシの幼虫や成虫1匹あたり10〜100匹のアブラムシを食べてくれるのです。

速効性はありませんが、ビニールハウスなどてんとう虫が逃げにくい環境で、広範囲のアブラムシ対策をするときにおすすめです。

2. アブラムシの共存相手のアリを駆除する

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アブラムシの排泄物は、アリやすす病菌の好物です。甘い排泄物に誘われ、アリは排泄物をもらう代わりにアブラムシを天敵から守る役割を果たしています。

もしアブラムシが見つからなくても、アリが発生していたら、どこかにアブラムシがいるかもしれません。アブラムシと一緒にアリも取り除きましょう。

3. 牛乳スプレーを散布する

牛乳スプレー 防虫 虫対策

牛乳を霧吹きにいれ、直接アブラムシに噴きかけます。しばらく乾燥させたあとに、今度は水を噴きかけて牛乳を洗い流して完了です。

乾燥を待っている間、牛乳のにおいが気になるかもしれませんが、十分に乾燥させることで牛乳の粘膜が固まってアブラムシが窒息します。

食品を使うので、野菜や果樹に安心して利用できるのがメリットです。ただし、スプレーしたあとに洗い流さないと、放置した牛乳の臭いやカビが発生し、衛生状態や外観を損なうので注意してください。

4. 紙テープでペタペタ取り除く

紙テープ 防虫 虫対策

粘着力の弱い紙テープや市販のクラフトテープなどを使って、直接アブラムシを取り除きます。ペタペタと貼り付けたものは処分しましょう。

粘着力が強いと植物を傷つける可能性があるので注意してください。テープさえあればすぐに取り掛かれるので、少数のアブラムシの駆除におすすめです。

5. 木酢液を散布する

木炭や竹炭を燃やしたときの蒸気や煙を液体にした木酢液。速効性はありませんが、予防効果や土壌改良効果も合わせて狙える方法です。

定期的に散布することで植物に木酢液が染みこみ、アブラムシが嫌う香りや味へと変化させる効果があります。

6. 油石鹸水を散布する

石鹸液 防虫 虫対策

水50:食用油1〜2:洗剤1の割合で混ぜた油石鹸水を作ります。液体が白濁色になるまで容器を振って混ぜあわせます。

あとは、アブラムシに直接噴きかけるだけです。野菜など口に入れる植物の場合は、収穫後に水でよく洗い流してから食べましょう。

7. デンプン成分の駆除剤を使用する/粘着くん

住友化学株式会社が開発した「粘着くん」は、でんぷんを主体にした防虫・防ダニ剤です。デンプン由来の粘着質でアブラムシを窒息させ、退治します。

アブラムシ以外にもハダニやコナジラミにも効果があり、10〜20分で乾燥する速効性やデンプン由来の安全性を持っています。

自作で駆除液体を作るのが面倒なときや、短時間で駆除したい方におすすめです。

アブラムシの予防・対策方法とは?

アブラムシの予防に有効な方法はいくつかあり、「植物にアブラムシを近づけない」「別の場所へアブラムシを誘導する」「アブラムシの嫌いな成分をまく」といったものが主流です。

今回はその中でもおすすめの方法を6つ紹介します。

1. 光を嫌う習性を利用する

CD 防虫 虫対策

アブラムシは光の反射物を嫌います。その習性を利用して、市販のシルバーポリフィルムを植物の周りに張ったり、不要なCDのディクスを近くにぶら下げてアブラムシを寄せ付けないようにしましょう。

他にもアルミホイルで株元を囲んでおくと、アブラムシがその場に留まれなくなるといわれています。

2.  黄色い旗やテープをぶら下げてアブラムシを誘導する

黄色 アブラムシ 防虫 虫対策

アブラムシの黄色に寄っていく習性を利用して、被害を抑える方法です。

黄色い粘着テープやシートを吊るして捕獲したり、テープがない場合は、とりあえず黄色物を近くに掲げておくだけで完了ですよ。アブラムシが黄色いものに集まってくるので、定期的に清掃・駆除しましょう。

3. コンパニオンプランツを利用する

虫が苦手な香りや成分を放ち、異なる植物の生長を手助けする効果がある植物を「コンパニオンプランツ」と呼びます。

栽培した植物の根元近くにトウガラシ、キンレンカ、ニンニク、ショウガやニラなどのコンパニオンプランツを植え付けておくと、アブラムシが寄り付きにくくなりますよ。

5. 唐辛子スプレーを散布する

果実酒用のお酒や焼酎、ウォッカ、消毒用のアルコールなど、アルコール度数が35度以上の液体に唐辛子を2週間ほど漬け込んだ液体を300〜500倍に薄め、週1回植物に散布します。

長く浸けこむほど唐辛子の成分が溶けだし、アブラムシを寄せ付けにくくなりますよ。

6. 防虫ネットで囲う

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アブラムシの成虫を寄せ付けないことで、卵を産みつかせず、大量発生を防ぐ方法です。葉物野菜など、被害が拡大しやすい植物におすすめです。

7. 剪定の仕方を工夫する

ブルーベリー_強剪定_冬_切り戻し_イラスト

剪定によって混みあった枝をなくして風通しをよくし、アブラムシの好む新芽の発生を抑える方法です。

狙いのないぶつ切り剪定は、無駄な部分への新芽の生長を促し、アブラムシの大発生につながります。枝抜き剪定などの剪定方法を用いて、新芽をあまりつけない工夫が効果的です。

アブラムシは迅速に駆除と予防を行おう

アブラムシは、繁殖力が高く、一度大量発生してしまうと駆除に手間がかかる害虫です。発生原因を知り、対策をねり、それでも発生した場合はすぐに駆除対策を行なってください。

野菜作りに励んでいる方も、無農薬での駆除方法を知っておくと安心ですね。最近の農薬は食品や植物由来のもの増えてきているので、無農薬で対応できなかったときは、農薬を使った方法も試してみてくださいね。

更新日: 2023年04月19日

初回公開日: 2016年03月01日

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