雪割草は、厳しい寒さに耐えて、雪の下から顔をのぞかせる可憐な花。ピンクや薄い紫、薄い青などパステルカラーの小さな花は、「はにかみや」という花言葉が似合う清楚な印象を与えてくれます。今回は、そんな雪割草の花言葉や見頃の季節、種類や品種についてご紹介します。
雪割草(ミスミソウ)の花言葉!意味や由来は?
『あなたを信じます』『信頼』『期待』『和解』『自信』『優雅』『内緒』『はにかみや』『悲痛』『少年時代の希望』
厳しい冬にも負けず、花を咲かせる姿から「自信」や「期待」などの花言葉がつけられました。また、「はにかみや」などの花言葉は、雪の下から顔をのぞかせる様子にちなんでいます。
雪割草(ミスミソウ)の学名・原産国・英語
- 学名
- Hepatica nobilis var. pubescens
- 科・属名
- キンポウゲ科・ミスミソウ属
- 英名
- Hepatica
Liverwort
Liverleaf
- 原産地
- 日本、ヨーロッパ、北アメリカ
- 開花期
- 2~5月
- 花の色
- 白、ピンク、青、紫
- 別名
- ミスミソウ(三角草)
オオミスミソウ(大三角草)
スハマソウ(洲浜草)
雪割草(ミスミソウ)とは?どんな花を咲かせる植物?
雪割草は、キンポウゲ科・ミスミソウ属の多年草の総称です。日本やヨーロッパ、北アメリカに自生する植物で、国内では主にミスミソウ(三角草)やその仲間のオオミスミソウ(大三角草)などを指します。
2~5月頃に白やピンク、覆輪の花びらを咲かせ、品種によっては八重咲きなど咲き方も様々。また、花びらのように見えているのは萼と呼ばれる葉っぱが変形して色付いたものになります。
名前の由来
雪割草は、正月から春にかけて、降り積もった雪を割るようにして茎を伸ばし、花を咲かせる様子にちなんで名付けられました。学名のHepatica(ヒパティカ)は、ラテン語でhepaticus(肝臓)を指し、葉の形が肝臓に似ていることに由来しています。
英語では、学名のHepatica(ヒパティカ)と呼ばれたり、Liverwort(肝臓の草)やLiverleaf(肝臓の葉)と呼ばれたりします。
雪割草(ミスミソウ)とユキワリソウの違い
「ゆきわりそう」と呼ばれる植物は、大きく分けて2つあります。1つは、サクラソウ科・サクラソウ属の1種であるユキワリソウ、もう1つは、今回ご紹介するキンポウゲ科・ミスミソウ属の雪割草です。
本来は、前者だけがユキワリソウと呼ばれていたのですが、ミスミソウも雪が降る時期に花を咲かせるため、ユキワリソウと呼ばれるようになりました。どちらもユキワリソウ(雪割草)と表記しますが、通常は前者がカタカナ、後者が漢字という違いをつけて表記を区別します。
その他の雪割草と呼ばれる植物
● キンポウゲ科・イチリンソウ属:イチリンソウ(一輪草)
● キンポウゲ科・イチリンソウ属:ニリンソウ(二輪草)
● キンポウゲ科・イチリンソウ属:アズマイチゲ(東一華)
● ユリ科ショウジョウバカマ属:ショウジョウバカマ(猩々袴)
● ナス科・ハシリドコロ属:ハシリドコロ(走野老)
雪割草(ミスミソウ)の種類や品種は?
雪割草は、世界に約9種の原種が存在し、日本にはそのうちの4種が自生しています。今回は、その4種といくつかの代表的な園芸品種をご紹介します。
ミスミソウ(三角草)
葉は3つに裂け、先が尖っています。花の色は白、ピンク、ブルー、薄紫など多彩で、本州の中部地方から九州にかけて自生しています。
オオミスミソウ(大三角草)
花径はミスミソウよりも大きく、2cmくらいあります。葉の先が浅く3つに裂けているのが特徴です。本州の山形県以南の日本海側に自生しています。
ケスハマソウ(毛洲浜草)
名前の通り、花茎や葉に毛がたくさん生えているのが特徴の小型種です。花びらのように見えるのは萼片で、1.5~2cmほどの萼片を6~10枚ほどつけます。本州の近畿地方から四国に自生しています。
スハマソウ(洲浜草)
本州から四国にかけて自生し、6~15枚くらいの萼片をもつ種類です。葉の角が丸くなっているのが「洲浜」(弧状になった砂浜)に似ている、というところから「スハマソウ(洲浜草)」という名がつきました。
園芸品種
● 玉三郎:紫色の玉斑を弁先に浮かべる、佐渡産の人気の雪割草です。
● 小町娘:ピンク系の小型の花です。花びらの先が丸みを帯びている特徴的です。
● 赤富士:大輪で、濃いピンクで縁が白い覆輪タイプの花です。
● 友和:花びらは紫色で、中央部分が赤みを帯びています。三段咲きの花です。
● 桃苑:大輪の八重咲きの品種です。色はピンク系です。
● めまい:ビビッドなピンクが華やかな花が咲きます。全国ユキワリソウ大会 丁字の部で金賞をとった人気の品種です。
雪割草(ミスミソウ)は花言葉がたくさんある植物
雪割草は、中世のヨーロッパでは、葉の形が肝臓に似ていることから、肝臓の病気の治療に用いられた歴史があります。日本での栽培の歴史も古く、江戸時代には優秀花の選別品種を行っていたという記録が残っています。昔から愛されてきた山野草なんですね。
更新日: 2021年08月11日
初回公開日: 2015年12月31日