クリスマスの時期に耳にするヤドリギ。名前は耳にしますが、どんな特徴があるのかよく知らない方も多いのではないでしょうか。実は真冬でも枯れにくい、縁起がよい植物なんですよ。さらに、簡単に取れない希少性も持ち合わせる、珍しい植物でもあります。今回は、そんなヤドリギの名前の意味や花言葉、花や葉、実の特徴などについてご紹介します。
ヤドリギ(宿り木)とは?
- 学名
- Viscum album
- 科・属名
- ビャクダン科(ヤドリギ科)・ヤドリギ属
- 英名
- mistletoe
European mistletoe
common mistletoe
- 原産地
- ヨーロッパ、アジア
- 開花期
- 2~4月
- 花の色
- 黄など
- 別名
- ホヨ(保与)
ホヤ(保夜)
ヤドリギとは、ビャクダン科ヤドリギ属の常緑低木です。日本で「ヤドリギ」というと、ある個別の種を指すことが多く、まれにオオバヤドリギ科など他の科も混ぜた「ヤドリギ類」の総称を指すこともあります。
この植物の一番の特徴は、樹木の枝や幹に「寄生して生長する」点です。樹木の枝などに付着したヤドリギの種は、発芽すると「寄生根(きせいこん)」という根を幹の中に食い込ませ、樹木から水分と養分を吸収して生長します。ここから「宿り木」と漢字が当てられるようになりました。
ちなみに、寄生して栄養分を吸収しているからといって、その樹木を枯らせてしまうようなことはありません。
ヤドリギの花言葉は?意味は?クリスマスに縁起がいいの?
花言葉:『困難に打ち克つ』『克服』『忍耐』『キスしてください』
ヤドリギ(宿り木)の花言葉は「困難に打ち克つ」「克服」「忍耐」です。この花言葉は、常緑樹であるヤドリギが、氷雪の中でも葉の緑を保っていることに由来します。
また、「キスしてください」の花言葉は、現在でも有名な「クリスマスにヤドリギの下でキスをする」という風習にちなんでいます。
古代ヨーロッパのケルトという民族が、木々に寄生するヤドリギを見て、何か神聖なパワーがあると考え始めたことに由来しています。
クリスマスの頃によく縁起がいいと耳にする理由は、永遠を象徴する神聖な樹であることと、関係しています。
ヤドリギ(宿り木)の葉や実の特徴は?
ヤドリギ(宿り木)の葉は、表も裏も緑が濃く、肉厚です。寄生しているとはいえ、自ら光合成を行って養分をつくりだすこともできます。この葉を乾燥させ、煎じて飲めば、薬用としても使われます。
ヤドリギ(宿り木)の実は、粘り気があります。これは自然界で生息する上でとても大切で、鳥がこの実を食べ、排泄時に粘り気があることで樹木に種が張り付くのです。
生長したヤドリギ(宿り木)は鳥が多く生息する背の高い樹木によく見られ、入手が難しいといわれています。
ヤドリギ(宿り木)は育て方が難しい?
ヤドリギは、育てるのが難しい植物です。人工的に樹木へ寄生させることが難しく、思うように栽培しにくいため、栽培を目的とされることはほとんどありません。
もし、栽培にチャレンジしたいなら、ケヤキやエノキ、サクラといった、ヤドリギの寄生しやすい樹木へ、種を貼り付けて様子を見てみましょう。
ヤドリギ(宿り木)の花言葉の意味を知ると散歩が楽しくなる
ヤドリギは、ほかの樹木の枝や幹に寄生して生息する植物です。寄生と聞いてあまりよいイメージをもてないかもしれませんが、古くから神聖なパワーをもつ縁起のよい植物でもあります。
『忍耐』という花言葉のように、長い時間をかけてゆっくりと生長し、寄生先の植物を枯らさずに共存するヤドリギ。
冬でも緑の葉っぱをつけるので、樹木に似合わない様子で葉を付けている箇所があれば、もしかしたらヤドリギかもしれません。散歩に出かけたときなど、ぜひ探してみてくださいね。
更新日: 2022年12月14日
初回公開日: 2016年12月08日