水辺に群生する姿が美しい半夏生。花が付く頃に上部の葉が白くなるという特徴をもつ、ドクダミの仲間です。生育に適した場所が減少しているため、地域によっては絶滅危惧種に指定されています。今回は、そんな半夏生とはどんな植物なのかと、育て方をご紹介していきます。
半夏生(半化粧)の花言葉とは?
『内に秘めた情熱』『内気』
半夏生には、内面を表すような花言葉が付けられています。これらは、花びらはないけれど葉っぱを白く変化させる姿から連想して付けられました。
半夏生(半化粧)の学名・原産国・英語
- 学名
- Saururus chinensis
- 科・属名
- ドクダミ科・ハンゲショウ属
- 英名
- Chinese lizards tail
- 原産地
- 日本、中国、フィリピン
- 開花期
- 6~8月
- 花の色
- 白
- 別名
- 半化粧(ハンゲショウ)
ハゲ、ハンデ、ハゲン、ハゲッショウ
片白草(カタシログサ)
半夏生(半化粧)とは?花の特徴は?
半夏生とは、ドクダミ科・ハンゲショウ属に分類される多年草です。夏至から11日目を半夏生(ハンゲショウ)と呼び、その頃に花を付けることから名付けられました。また、花の咲く頃に葉の一部が白く色付いて、半分だけ化粧をしたように見えることから「半化粧」とも呼ばれます。
また、日本の民俗学者の倉石忠彦によると、地方によって「ハンデ」「ハゲ」「ハゲッショウ」「ハゲン」と呼ばれています。
草丈は50cm~1mほどに生長し、長さ5~15cmほどの長い卵形をした葉を互い違いに生えます。夏になり開花期を迎えると、上の葉の脇から長さ10~15cmほどある穂状の花を咲かせます。1つ1つの花は白く小さく、花びらはありません。ドクダミの仲間で、花は独特の香りを放ちます。
半夏生(半化粧)の育て方のポイントは?
半夏生は、水もちのよい土に植え付け、たっぷりと日光に当てて育てます。半夏生は水辺に自生していることから、乾燥を嫌います。また、よく日に当てた方が、斑の葉っぱがきれいに入ります。
半夏生(半化粧)の苗植えの時期と方法は?
2~3月が植え付けの適期です。草丈が高く、地下茎を伸ばして生長するので、広いスペースに植え付けてください。地下茎が思ってもいないところに生えてしまうくらい生育が早いので、ブロックや板を地中に埋めて地下茎の広がりを抑えるとよいですよ。
鉢植え
苗よりも2周りほどの大きめな鉢に植え付けていきます。土は、荒木田土のような水もちがよい粘土質なものを利用してください。
- 鉢底石を敷く
- 鉢の1/3ほど土を入れ、苗を中心に置く
- 苗の周りに土を入れて安定させる
- たっぷりと水やりをする
地植え
日当たりのよい多湿の場所であれば、丈夫に育ちます。池など水辺の近くに植え付けると、乾燥の心配がなく安心です。苗よりも1周り大きい植え穴を掘って植え付け、たっぷりと水やりをします。繁殖しすぎたときは、間引いてください。
半夏生(半化粧)の水やり、肥料の与え方は?
水やり
半夏生は、乾燥が苦手。鉢植えは、常に土へ吸水するよう受け皿を敷いて水を溜め、乾かさないようにします。ただ、受け皿の水は、毎日取り替えてください。地植えは、完全に土が乾かないように気をつけていきます。土が乾いていると感じたら、たっぷり水やりをしてください。
肥料の与え方
きれいな白斑をした、美しく立派な葉にするために肥料は必要です。2~5月の間、固形肥料を1ヶ月に1回株元に施すか、1000倍に薄めた液体肥料を水やり代わりに与えます。ただ、よく育っているようであれば、肥料は茂りすぎてしまうので、無理に与えなくてかまいません。
半夏生(半化粧)の植え替えと増やし方は?
半夏生は、地下茎を伸ばしてよく増えていきます。増えすぎたときは間引いて減らすか、株分けをして整理していきます。また、鉢植えなら根詰まりを防ぐため毎年株分けをしていきます。2~3月が適期です。
それぞれに芽が付くよう、半夏生の白く長い地下茎を切り分けていきます。それぞれを土に植え付けたら、通常通り育てていくと、大きく育っていきます。
半夏生(半化粧)の育て方で注意する病気や害虫は?
特に気になる病気や害虫のない、丈夫な植物です。
半夏生(半化粧)は育てやすい多年草
半夏生は、北海道を除く日本全国で見ることができる多年草です。古くから自生しており、群生地は観光の名所にもなっていますよ。中でも京都祇園の両足院が有名で、庭の池の周りに植えられた風情あふれる半夏生が楽しめます。
丈夫で育てやすいので、庭に広いスペースのある人は群生させると、美しい夏の風景が作り出せそうですね。
更新日: 2023年07月12日
初回公開日: 2016年06月24日