小ぶりな葉っぱを茂らせるベンジャミンは、種類によって葉の形や色が違い、バリエーションを楽しめる観葉植物です。飾ると存在感があるので、オフィスや自宅のインテリアとして人気がありますよ。今回は、ベンジャミンの育て方について、剪定や挿し木、植え替えの時期や方法などをご紹介します。
観葉植物のベンジャミンはどんな特徴がある?
ベンジャミンとは、クワ科・フィカス属に分類される樹木です。ほかのフィカス属の植物に比べて、小ぶりな葉っぱをこんもり茂らせる特徴があります。
幹が細く、葉っぱのシャープな形とも相まって、繊細な印象があるかもしれませんが、丁寧に育てれば幹が少しずつ太くなるので、成長が楽しみな植物です。
観葉植物のベンジャミン!育て方のポイントは「置き場所」
ベンジャミンは、日光がよく当たる場所や明るい日陰に置くと早く成長します。あとは、温度が5度以上あれば何処でも構いません。
ただし、頻繁に置き場所を変えると環境の変化で葉が落ちてしまいます。最初に「ここ!」と決めたら、できるだけ配置替えはしないようにしましょう。
もし、置き場所を変えるなら、日が当たる量を徐々に増減させて、段階的に移動させると枯れ葉が減ります。
観葉植物のベンジャミンを育てる準備は何が必要?
- 鉢に植えられたジャスミン
- ジョウロ、霧吹き
- 液体タイプの肥料
- 剪定バサミ
ベンジャミンはほとんどが鉢に植えられた状態で販売されています。部屋の雰囲気に合わせて、鉢のデザインや大きさなどを検討し、お気に入りのベンジャミンを選びましょう。
それに加えて、注ぎ口が細いジョウロ、液体タイプの肥料があれば最初の準備はOKです。葉っぱが生い茂ってきたら、剪定バサミも用意しましょう。
観葉植物のベンジャミンの育て方!水やりと肥料の与え方は?
置き場所が決まれば、あとは日々の手入れを繰り返して長く育ててあげましょう。水やりや肥料は量を間違えると枯れる原因にもなるので、しっかり確認してくださいね。
水やりの仕方
水やりは「土の表面」を見てタイミングをうかがいます。春〜秋は成長が盛んなので、土の表面が乾いたらすぐに水をたっぷりと与えます。特に夏は乾きが早いので、ほぼ毎日水やりをします。
秋以降は涼しくなって土が乾くまで時間がかかり、植物自体も休眠に向かって水の吸いが悪くなります。土が乾いて、さらに2〜3日あけてから水やりするくらいがちょうど良いですよ。
また、水やりとは別に、葉っぱに霧吹きやスプレーで水をかける「葉水(はみず)」をすると、色ツヤが保てます。
肥料の与え方
水やりと同じように、肥料も成長が盛んな春〜秋にあげるとよく成長してくれます。2週間に1回のペースで薄めた液体肥料を与えます。液体なので、水やり代わりに土に湿り気を与えることもできますよ。
観葉植物のベンジャミンの育て方!植え替えは必要?
ベンジャミンが大きくなると、枝や葉っぱといった目に見える部分以外に、鉢の中の根も成長します。根が伸び続けると、鉢の中が根でいっぱいになり、呼吸できずに根が枯れてしまいます。
そのため、「水の吸い(水はけ)が悪い」「鉢底から根がはみ出てる」などのサインをもとに、一回り大きな鉢を用意して植え替えをする必要があります。
時期は5~7月の晴れた日がおすすめ。根にダメージをともなう作業なので、生長が盛んなこの時期に行うことで回復も早くなるんですよ。
植え替えに必要なグッズ
- 今よりも一回り大きな鉢
- ピンセット
- 観葉植物用の培養土
- 鉢底ネット
- 鉢底石か軽石
- 割りばし
- 支柱
- 麻ひも
- ゴム手袋か軍手
- 小型のシャベル・スコップ
- ビニールシートか新聞紙
植え替えの手順
- 水やりを控えて土を乾燥させる
- 作業する場所にビニールシートを敷く
- 新しい鉢の底穴に鉢底ネット、鉢底石を順に敷く
- 土を鉢の1/3ほどまで入れる
- 鉢からベンジャミンを引き抜き、根についた土を手でやさしく揉んで落とす
- 黒ずんでいる腐った根を剪定バサミで切る
- 鉢の中心にベンジャミンを置き、縁から下4cmのところまで土を入れる
- 土の表面を割りばしでつつき、根の隙間まで土をなじませる
- 支柱を立てて、麻ひもで結ぶ
- 鉢底から流れ出るくらいたっぷりと水やりをする
新しい葉が出たり、枝が伸び始めたりしたら土に根が定着した証拠です。支柱は抜いてしまってかまいませんよ。
観葉植物のベンジャミンは剪定が必要?
ベンジャミンは「剪定(せんてい)」で枝を切ってあげることで美しい見た目に生長します。さらに、茂った葉の間にスペースが生まれ、通気性がよくなって病害虫の被害も防げたり、幹が太くなって安定した樹形になったりメリットはたくさん。
剪定は、4~5月の新しい芽が出る前後の時期におこなうのが理想です。枝の生えぎわを「節(ふし)」といい、気になった枝、伸びすぎた枝を節のすぐ上から切り落とします。
作業するときは、樹液に注意しましょう。ベンジャミンはゴムの木の仲間なので、切った断面からはネバネバした白い液が出てきます。肌の弱い方は、この樹液に触れるとかぶれることがあります。
また、床につくと取れにくいので、鉢の下に新聞紙を敷いて作業するようにしましょうね。
ベンジャミンの葉が落ちる原因は?
ベンジャミンは、比較的病気にかかりにくい植物です。しかし、育てていると様々な理由で枯れて、葉っぱが落ちていきます。
この原因は大きく分けると3つあり、1つ目は「環境の変化」、2つ目は「病害虫の被害」、3つ目は「水の分量間違い」です。ここでは、具体的な原因と対応方法をご紹介します。
環境の変化
「置き場所」の話の中でお伝えしたとおり、配置を変えることで環境に順応するために葉を落とすことがあります。その後は、環境にあった新しい葉っぱがつくので焦って何かする必要はありませんよ。
病害虫の被害
まれにハダニやカイガラムシがつき、栄養を吸って枯れさせることがあります。また、その虫の排泄物によって、すす病も誘発されます。見つけたら殺虫剤を散布するか、歯ブラシなどでこすり落としてすぐに駆除してください。風通しを良くするのも予防につながりますよ。
水の分量間違い
水のあげすぎ、あげなさすぎで枯れることがあります。水をあげすぎた場合は、土が常に湿った状態で、根が腐って枯れてしまいます。また、あげなさすぎた場合も、水分が足りずに枯れてしまいます。「土の表面が乾いたら」を念頭において水やりをしましょう。
ベンジャミンは増やせる?挿し木ってどんな増やし方?
ベンジャミンは「挿し木(さしき)」という方法で増やせます。「挿し木」とは、木の枝を土に挿して、根を生やさせ苗として育てる繁殖方法のことです。「切った枝を土に挿すだけ」と作業がシンプルなので、気軽にチャレンジできますよ。剪定で切り取った枝をそのまま利用すると効率的に増やせます。
挿し木に必要なグッズ
- コップかボウル
- 挿し木用の土
- 3号鉢
- 割りばし
- 発根促進剤
挿し木の手順
- 枝を先端から10cm前後に切る
- 切り口がとがるようにV字に切って、吸水面を増やす(この際、切り口の白い樹液は出なくなるまで水で洗い流してください)
- 先端の葉っぱを2〜3枚残し、ほかを全て取り除く
- 葉っぱが大きければ半分に切る
- 水を入れたコップに切り口を数時間つける
- 植え替えと同じく、鉢に鉢底ネット、軽石を入れ、挿し木用の土を入れる
- 枝に発根促進剤をぬり、土に割りばしか指で穴をあけて挿す
- たっぷりと水やりをする
置き場所に気をつけて、観葉植物のベンジャミンを育ててみよう
ベンジャミンは、生命力が強く育てやすい観葉植物です。水やりを多少欠いても成長してくれるので、葉を落とさないように「置き場所」だけ気をつければ、あとはそんなに手間ではありません。
育てる上で必要な作業を覚えて、どんどん幹を太く大きく育ててあげましょう。ベンジャミンの葉っぱが茂った姿が楽しみですね。
更新日: 2023年01月04日
初回公開日: 2015年08月19日